マウリツィオ・カテラン「金の便器」が競売へ。金相場基準を採用する世界初のオークション
サザビーズは、マウリツィオ・カテランの代表作《アメリカ》(2016)を11月18日に開催される「The Now & Contemporary Evening Auction」で競売にかける。世界初の試みに注目だ。

オークション大手・サザビーズが、マウリツィオ・カテランの代表作《アメリカ》(2016)を、「The Now & Contemporary Evening Auction」(11月18日)で競売にかける。
カテランは、2019年にアート・バーゼル・マイアミ・ビーチにおいて、壁にダクトテープで貼り付けられたバナナというシンプルな構成の作品《Comedian》を発表。同作は24年にサザビーズのオークションのおいて620万ドル(約9億6000万円)で落札されたことで大きな話題を集めた。
本作もカテランの代表作のひとつであり、18金で制作された重量約101キロの、完全に機能するトイレ。現代美術史上もっとも挑発的かつ象徴的な作品のひとつといえるものだ。2016年にニューヨークのグッゲンハイム美術館で展示された際には、一般来館者が実際に使用できるトイレとして設置され、10万人以上が列をなした。「作品と一対一で向き合うかつてない親密な体験」として話題を呼び、メディアでも大きく取り上げられた。