2025.8.31

韓国・原州のMuseum SAN。安藤忠雄建築とタレル、ゴームリーの現代美術、そして自然が出会う唯一無二の場所

ソウルから東へ約1時間。山の尾根沿いに広がる美術館、Museum SANは、建築と自然、そして現代美術が交差する特別な場所である。安藤忠雄の建築やアントニー・ゴームリーの新作、ジェームズ・タレルの光の聖域が調和し、訪れる者を非日常へと誘う。

文=王崇橋(ウェブ版「美術手帖」編集部)

Museum SAN © Museum SAN
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 ソウルから東へ約1時間、列車を乗り継ぎ、タクシーでさらに山道を進んだ先に、山の上に静かに佇む美術館がある。名前はMuseum SAN(サン)。

 韓国語で「山」を意味するSANとは「Space」「Art」「Nature」の頭文字を取ったものでもあり、その名の通り、建築・芸術・自然が有機的に融合する空間だ。この美術館があるのは、韓国・原州(ウォンジュ)にあるハンソルグループが運営する複合リゾート「オークバレー」。その敷地内、標高の高い尾根沿いにおよそ700メートルにわたって建築群が伸びている。2013年の開館以来、安藤建築と自然、そして多彩な現代美術が織りなす独自の空間体験を提供してきた。

Museum SAN © Museum SAN

 美術館の建築設計を手がけたのは、日本を代表する建築家・安藤忠雄。打ち放しコンクリートの幾何学的な構造体が、四季折々に表情を変える韓国の豊かな自然と呼応し、訪れる者を非日常へと誘う。

 ウェルカム・センターを通り抜けると、まず目に入るのは四季の草花が咲き誇る「フラワー・ガーデン」。その地下には、今年6月に新設された展示空間「GROUND」がある。

「GROUND」の展示風景より © Museum SAN, Photography by Jaewon Choi