2026.6.3

「森の芸術祭 晴れの国・岡山」2027のテーマは「プロトピア─前に進む森─」。蜷川実花、レアンドロ・エルリッヒらアーティスト第1弾が発表

岡山県北部を舞台に来年開催される国際芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」2027(2027年9月18日〜11月23日)。その第1弾参加アーティストとして、レアンドロ・エルリッヒや蜷川実花 with EiM、リクリット・ティラヴァニらに加え、日本初展示となるアーティストを含む8組が発表された。

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テーマは「プロトピア─前に進む森─」

 岡山県北部を舞台に、2024年に初開催された「森の芸術祭 晴れの国・岡山」。その第2回「森の芸術祭 晴れの国・岡山」2027の開催概要が明らかになった。 会期は2027年9月18日から11月23日まで。

 「森の芸術祭 晴れの国・岡山」は、岡山県北部12市町村を舞台に2024年に初開催された国際芸術祭だ。中国山地の自然や宿場町・城下町の歴史、伝統文化など、県北部に息づく地域資源をアートの視点から再発見することを目指し、観光振興と文化振興の両輪で展開されてきた。第2回では、前回に続き長谷川祐子がアートディレクターに就任。前回で築いた基盤をもとに、来場者、アーティスト、地域住民がともに新たな芸術祭をつくり上げることを目指す。

 今回掲げられたテーマは「プロトピア─前に進む森─」。長谷川は、アメリカの編集者・思想家・テクノロジー評論家であるケヴィン・ケリーが提唱した「プロトピア」の概念を参照しながら、ユートピアでもディストピアでもない、日々の小さな改善の積み重ねによってより良い未来を育む姿勢を提示する。芸術祭を起点に、アートのみならずテクノロジー、農業、福祉、教育といった分野の人々が出会い協働する場を生み出し、人と自然、文化と暮らしの関係を編み直すことを構想している。

参加アーティスト第1弾

蜷川実花 with EiM《深淵に宿る、彼岸の夢》(2024) 撮影:蜷川実花
レアンドロ・エルリッヒ《まっさかさまの自然》(2024) 撮影:顧剣亨

 参加アーティスト第1弾として発表されたのは8組。レアンドロ・エルリッヒ蜷川実花 with EiM、リクリット・ティラヴァニ、森山未來は前回に続いての参加となる。

ジュリアナ・ドス・サントス《Temporã》 Photo by Erika Mayumi Courtesy of the artist and Galeria Luisa Strina.
イザベル・シカット(TOQA)《Like the Sun, I Love the Sky》(2025)  Morning Market Room, Courtesy of the artist

 これに加え、色、時間、そして空間の関係性を追究しているブラジルのジュリアナ・ドス・サントス、多分野を流動的に横断しながら「日常の中の冒険のためのユニフォーム」を提案するファッションスタジオ「TOQA」のデザイナーを務めるイザベル・シカット(TOQA)、そしてスプツニ子!が名を連ねる。なかでもドス・サントスとシカットは日本での作品発表はこれが初めてとなる。

会場&アドバイザー陣

 会場についても一部が明らかになった。津山市の作州民芸館や城西浪漫館、津山まなびの鉄道館、新見市の新見美術館や鍾乳洞の井倉洞・満奇洞、真庭市のGREENable HIRUZEN、鏡野町のみずの郷奥津湖、奈義町現代美術館など、地域の自然や歴史的建築を活かした9会場が第1弾として発表。なかでも新見美術館とみずの郷奥津湖は今回新たに加わった会場だ。

作州民芸館
津山まなびの鉄道館
新見美術館
みずの郷奥津湖

 また今回、新たなアドバイザー陣も発表された。サイエンティフィックアドバイザーには哲学者のエマヌエーレ・コッチャ、アート地域共創アドバイザーには慶應義塾大学教授の宮田裕章が就任。地域文化アドバイザーとして奈義町現代美術館館長の岸本和明、現代美術家の太田三郎が参加する。

 なお、「森の芸術祭 晴れの国・岡山」2027に先立ち、今年5月にはヴェネチア建築大学(IUAV)でシンポジウムを開催。長谷川やコッチャのほか、前回参加作家のビアンカ・ボンディ、アシム・ワキフらが登壇し、地域資源とアートの関係について議論を交わした。国際的なネットワークをさらに広げながら、2027年の開催へ向けた準備が本格化している。