ヴァレンティノ ガラヴァーニが9名のアーティストと共創。新バッグ「DeVain」が拓く創造性の未来

　アレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ ディレクターを務めるメゾン ヴァレンティノは「ドゥ ヴェイン（DeVain）」バッグを起点にしたデジタルクリエイティブプロジェクトを発表した。

 「ドゥ ヴェイン」は、2025年フォールコレクションで初披露されたもので、クラッチバッグとしてのエレガンスを保ちながら、より自由でしなやかな現代のフェミニニティ像を追求するアイテムだ。27種以上の素材・装飾が展開され、さらにビーズ刺繍やベルベットなどの特別仕様も登場。イニシャル刻印可能なパーソナライズタグも付属し、各人の個性を体現するアイテムへと昇華する。

　今回のプロジェクトに参加したのは写真・映像・AI・グラフィックなど多様な分野の9名のアーティスト。彼らの実験的な視覚表現を通じて、現代的なクリエイティビティの在り方を提示する試みだ。

　今回公開されたのは第1章にあたる5名の作品。残る4名は12月初旬に公開され、「デジタル・コンステレーション」と呼ばれる構想が完成するという。

　1960年創業の名門メゾンは、クチュールの精神を礎としつつ、新たな美の形式を探究してきた。創造の自由を象徴する「ドゥ ヴェイン」とアーティストの共鳴から生まれるビジュアル群は、デジタル時代におけるファッションとアートの新たな関係性を提示している。

トーマス・アルドルフ

　鏡面のスタジオ空間で、バッグが増殖し変容する様を撮影した映像シリーズを制作。現実と幻想、対称性とテクスチャーのあわいで浮遊しながら「ドゥ ヴェイン」が増殖し、変容する彫刻作品を構築する。

エンター・ザ・ヴォイド

　魚とバッグが共存する“水中の砂漠ホテル”という夢幻的な世界を構築。感覚が溶解し、時間と空間の境界が消滅する。

ポール・オクタヴィウス

　16世紀の絵画から着想を得たデジタル作品にバッグを組み込み、クラシカルな肖像画を再解釈。静的なイメージを没入体験へ変換する試み。

アルベルト・プラネヤ

　AIと映画言語を融合し、夢と明晰の狭間に漂う物語世界を構築。バッグの形態変化を通し詩的イメージを探る。

ティナ・トナ

　マルチメディアコラージュとデジタルアニメを組み合わせ、色彩とリズムが躍動する表現でバッグの多様性を映し出す。