木造モダニズム建築の先駆け。国登録有形文化財 三岸好太郎・節子の住宅アトリエが大規模改修へ
洋画家の三岸好太郎・節子夫妻が住宅兼アトリエとして使用していた「三岸家住宅アトリエ」。築91年の国登録有形文化財が、大きく生まれ変わる。

木造モダニズム建築の先駆け
近代を代表する洋画家・三岸好太郎(1903〜1934)・節子(1905〜1999)夫妻。その住居兼アトリエとして1934年に建てられた国の登録有形文化財「三岸家住宅アトリエ」が、生まれ変わろうとしている。

同建築は、三岸好太郎が自らスケッチを描き、理想のアトリエとして構想したもの。しかし好太郎は完成を待たずにこの世を去り、節子によって引き継がれて完成した。
設計を手がけたのは建築家・山脇巌(やまわき・いわお、1898〜1987)。ドイツ留学時に学んだバウハウスの理念を背景に設計したものであり、当時の国際様式を日本の木造技術で実現した木造モダニズム建築の先駆けだ。
外観は水平・垂直を強調したシンプルなフォルム。また南東の角には当初、二層吹き抜けのガラス面「コーナーウィンドウ」が設置され、自然光を最大限に取り込むデザインとなっていた。しかしながら構造的な強度の問題などからこれまで3度の大改修が実施。50年代後半には応接室を増築したことでコーナーウィンドウは覆われ、80年代には連続ガラス面も住宅用アルミサッシへと置き換えられた。そのため、創建時と現在では外観が大きく異なる状態だ。











