2026.7.31

今週末に見たい展覧会ベスト13。民具からマリー・アントワネットまで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「民具これなーんだ?──民俗学者・宮本常一が美術大学に遺した民具コレクション」の展示の様子
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もうすぐ閉幕

「民具これなーんだ?——民俗学者・宮本常一が美術大学に遺した民具コレクション」(武蔵野美術大学美術館

 武蔵野美術大学 美術館・図書館で「民具これなーんだ?——民俗学者・宮本常一が美術大学に遺した民具コレクション」が開催されている。会期は8月1日まで。レポートはこちら

「民具これなーんだ?──民俗学者・宮本常一が美術大学に遺した民具コレクション」の展示の様子

 本展では、日常生活の必要からつくられ、使われてきた「暮らしの造形」としての民具を紹介。民具の造形には、手の実感がある暮らしの営み、自然素材による巧みな造形、目に見えないものをかたちにする想像力が発揮されている。

 武蔵野美術大学 美術館・図書館は、およそ9万点に及ぶ民具コレクションを収蔵しており、美術大学が所蔵する生活文化の造形アーカイブとしては世界屈指の規模となる。今回の展示では、2020年から進めてきたコレクションの成立についての検証と再整理作業をもとに、民俗学者・宮本常一と当時の学生たちのカリキュラムの外側にある学びや活動を紐解く。

 また、現代の美術教育への活用の様々な実験をもとに「美術手帖」とのコラボレーションによって、美術・デザインの視点で展示を構成。観察と見立てによる参加型展示、異なる背景を持つ民具のキュレーション、デジタル技術や空間表現による民具の再解釈などを展観する。

会期:2026年6月15日〜8月1日
会場:武蔵野美術大学美術館 展示室2・4、アトリウム1・2
住所:東京都小平市小川町1-736
電話番号:042-342-6003 
開館時間:10:00〜18:00 (土祝は〜17:00)  
料金:無料

「輪島塗 -漆文化を後世に-」(石川県立美術館

 石川県立美術館で、特別展「輪島塗 -漆文化を後世に-」が開催されている。会期は8月2日まで。

国指定重要有形民俗文化財《鶴亀漆絵三重椀》(桃山時代、16世紀)輪島市

 木地から加飾まで三十近くに及ぶ制作工程を、幾人もの職人、作家が卓越した技で繋いでつくり上げられる輪島塗は、それぞれの工程に携わる千人近くの職人や作家が輪島の地において産地を形成し受け継がれている。2024年元日に発生した大震災とその秋の豪雨は輪島塗に深刻な打撃を与えたが、2年半が経ったいま、輪島では新たなかたちでの輪島塗再興の胎動が始まりつつある。

 本展では、堅牢優美な輪島塗の制作工程に光をあて、高度な技をつないでつくり上げられる、その「技のバトンリレー」について紹介。また、最終章には、これからを担う中堅や若手の作品を展示する。

会期:2026年6月27日~ 8月2日
会場:石川県立美術館 1階企画展示室
住所:石川県金沢市出羽町2-1
電話番号:076-231-7580
開館時間:9:30~18:00 ※入室は閉館の30分前まで
料金:一般 1000円 / 大学生 800円 / 高校生以下・障害者手帳等をお持ちの方および付き添いの方1名は無料

「SHUWATCH with U」(PARCO MUSEUM TOKYO)

 PARCO MUSEUM TOKYOで「SHUWATCH with U」が開催されている。会期は8月3日まで。

メインビジュアル

 1966年に放送を開始した特撮番組『ウルトラマン』は、日本を代表するカルチャーとして世代や国境を越え、多様な領域へ影響を与え続けてきた。

 本展では、『ウルトラマン』のビジュアルイメージと精神性を起点に、12名の国内外で活躍するアーティストがそれぞれの視点で「ウルトラマン」を再解釈した作品を展示。絵画や立体など多彩な表現を通して、没入感のある空間を展開する。

会期:2026年7月3日~8月3日
会場:PARCO MUSEUM TOKYO
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO4階
電話:03-6455-2697
開館時間:11:00~21:00(最終日は〜18:00)※入場は閉場30分前まで
休館日:渋谷PARCOに準じる
観覧料:一般 500円 / 小学生以下 無料

今週開幕

「祈りと救いの美―国宝 普賢菩薩騎象像との出会い」(大倉集古館

 東京都港区にある大倉集古館で、企画展「祈りと救いの美 ―国宝 普賢菩薩騎象像との出会い」が開催されている。会期は7月28日〜9月27日。

展覧会チラシ

 実業家の大倉喜八郎(1837〜1928)は、廃仏毀釈による寺院の荒廃や仏教美術品の散逸・海外流出を受けて古美術品を収集し、保護に努めた。1917年には同館を設立して作品を公開した。

 本展は、同館の収蔵品の柱のひとつである仏教美術の作品を「経典と仏教伝来」「釈迦如来とその弟子」「極楽浄土と地獄」「法華経信仰と普賢菩薩」「密教」「神仏習合」の6章で構成し、仏教美術の流れを紹介。あわせて、東京都内にある国宝の仏像2点のうちの1点である《普賢菩薩騎象像》を展示する。

会期:2026年7月28日~9月27日
会場:大倉集古館
住所:東京都港区虎ノ門2-10-3
電話:03-5575-5711
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月(祝日の場合は翌平日)
観覧料:一般 1000円 / 大学生・高校生 800円 / 中学生以下 無料

「三嶋りつ惠 インスタレーション「Bottega Veneta Weaving Light」」(ボッテガ・ヴェネタ表参道フラッグシップ)

 ヴェネチアと京都を拠点に活動するアーティスト/ガラス作家・三嶋りつ惠。その作品に焦点を当てたインスタレーション「Bottega Veneta Weaving Light」が、5周年を迎えたボッテガ・ヴェネタ 表参道フラッグシップで開催されている。会期は8月11日まで。

ボッテガ・ヴェネタ 表参道フラッグシップ

 三嶋は、人工的な着色を施さない無色透明のガラスを中心に制作を続けてきた作家。ヴェネチアの職人たちとの協働を通じて、ガラスの内部に光を取り込み、周囲の空間や自然環境によって刻々と表情を変える作品を生み出している。

 本展では、三嶋がヴェネチアと京都から選んだ作品に加え、表参道フラッグシップのために制作した新作《KOMOREBI》を展示。タイトルが示す通り、着想源となったのは、建物の内部へと差し込む光と、その光が生み出す木漏れ日のような現象だ。ガラスが持つ物質性と透過性を介して、建築空間に移ろう光の存在を浮かび上がらせる。

会期:2026年7月30日〜8月11日
会場:ボッテガ・ヴェネタ表参道フラッグ
住所:東京都渋谷区神宮前5-1-5
営業時間:11:00〜20:00

「あざみ野こどもぎゃらりぃ 2026 どこかの、あのこの、すみか。」(横浜市民ギャラリーあざみ野

 横浜市の横浜市民ギャラリーあざみ野で「あざみ野こどもぎゃらりぃ2026 どこかの、あのこの、すみか。」が開催されている。会期は8月9日まで。

メインビジュアル

 「あざみ野こどもぎゃらりぃ」は、夏休み期間に開催する展覧会。アーティストの作品に触れながら、手でつくったり、描いたりする楽しさや、想像するおもしろさを小さな子供から大人まで体感できる。

 20回目となる本展は「どこかの、あのこの、すみか。」と題し、目に見えるものだけではない世界に想像を広げることをテーマとした。会場では、上平晃代、編み師 203gow、妄想公園による編み物や映像、ARなどの作品を展示する。

会期:2026年7月31日〜8月9日
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室1F全面
住所:横浜市青葉区あざみ野南1-17-3
電話番号:045-910-5656
開館時間:10:00〜16:00(最終日〜19:00) 
料金:無料

「マリー・アントワネット・スタイル」(横浜美術館

 横浜市にある横浜美術館で「マリー・アントワネット・スタイル」が開催される。会期は8月1日〜11月23日。

フランソワ=ユベール・ドルーエ《コートドレスのマリー・アントワネット》(1773)
ヴィクトリア&アルバート博物館蔵 ©Victoria and Albert Museum, London

 本展は、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)が企画した世界巡回展であり、英国の研究者による調査に基づきマリー・アントワネットを再検証する試みとして開催される。

 会場では、ドレス、ジュエリー、家具調度品、絵画や版画、写真など約200点で展示を構成。18世紀後半の歴史的なファッションから2025年のオートクチュールまで、250年にわたる展開をたどる。「首飾り事件」のネックレスの一部と伝わるダイヤモンドなどのマリー・アントワネット旧蔵品やゆかりの品をはじめ、小説、演劇、映画などに描かれてきた18世紀当時の品々も多数展示する。

 また、王妃の処刑に用いられたとされるギロチンのほか、フランス革命の空気も小コーナーで紹介する。さらに、アジア巡回のためにロンドンでの展示から出品内容を再編成し、国内で所蔵されている優品約20点を加えた日本オリジナルの展示を提示する。

会期:2026年8月1日~11月23日
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:木(ただし、8月13日、9月24日、11月19日は開館)
料金:一般 2500円 / 大学生 1600円 / 中学・高校生 1000円

「横浜美術館コレクション展 海をこえてゆく彼女」(横浜美術館)

マリア・ファーラ《ルームサービス》(2021)油彩、麻(3点組) 各180×130cm 寄託作品 ©Maria Farrar/ Courtesy Ota Fine Arts

 横浜市の横浜美術館で、同館のコレクション展「海をこえてゆく彼女」が開催される。会期は2026年8月1日〜2027年2月11日。

 本展では「海をこえてゆく彼女」と題した特集コーナーを設け、20世紀以降に国境をこえて活動した女性たちを紹介。海外文化に接した女性画家の第一世代となった3人の作家と家族との関係を振り返る構成から始まり、欧米圏から日本を含むアジアへ渡航した作家たちの作品を展覧する。

 さらに、第二次世界大戦後の高度経済成長期や1964年の海外旅行自由化といった時代背景のもと、異国で美術を学んだ作家や世界各国を旅して創作の糧とした作家を取り上げる。20世紀後半以降、ヴェネチア・ビエンナーレをはじめとする国際展で活躍した女性アーティストたちの創作もたどる。

会期:2026年8月1日~2027年2月11日
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間:10:00~18:00(11月21日、22日は〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:木、11月24日~12月10日、12月29日~2027年1月3日(8月13日、9月24日、11月19日、2月11日は開館)
観覧料:一般 500円 / 大学生 300円 / 中学・高校生 100円 / 小学生以下 無料

「美術館でまなぼう、あそぼう!夏のミュージアム・ラボ」(佐倉市立美術館

 千葉県佐倉市の佐倉市立美術館で「美術館でまなぼう、あそぼう!夏のミュージアム・ラボ」が開催される。会期は8月1日〜8月30日。

 本展は、インプット/アウトプットをテーマに、見たり、聞いたり、読んだり、触ったりといった体験を通して、感じたことを言葉や絵で表現できる「ミュージアム・ラボ」を開設する。

 会場では、用意された材料で自分だけの「ミュージアム・ノート」を作成し、展示室内を巡ってワークシートに取り組むプログラムを実施。また、展示作品から1点を選んで鑑賞し、思ったことや感じたことを言葉で表現するコーナーのほか、作品や作家に関する書籍も設置される。

会期:2026年8月1日~8月30日
会場:佐倉市立美術館
住所:千葉県佐倉市新町210
電話:043-485-7851
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌日)、年末年始
観覧料:無料

「浅間国際フォトフェスティバル2026 PHOTO MIYOTA」(MMoP(モップ))

 長野県・御代田町を舞台にした写真の祭典「浅間国際フォトフェスティバル2026 PHOTO MIYOTA」が開催される。会期は8月1日〜9月27日。

PHOTO MIYOTA 2025展示風景

 今年で7回目を迎える同フェスティバルは、文化複合施設MMoP(モップ)をメイン会場に、町内各所へと展示エリアを広げ、より回遊性の高いプログラムを展開する。

 2026年の展示テーマは「After the Image|イメージのその後」。写真が撮影された瞬間だけでなく、その後に見られ、共有され、記憶されるなかで変化していく意味や価値に着目する。浅間山麓の自然や建築、日常風景と交差することで、写真をたんなる視覚体験ではなく「経験」として捉え直す試みとなりそうだ。キュレーションを手がけるのはこれまで同様、アートフォト専門誌『IMA』のエディトリアルディレクターである太田睦子。

会期:2026年8月1日〜9月27日
会場:MMoP(モップ)、そのほか町内各所にて展示
住所:長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1794-1
開館時間:10:00~17:00 ※最終入場は16:30まで
休館日:火(8月11日・9月22日は開館) 
料金:一部有料

「大地のこどもたち 2026 わたしたちのエネルギー」(岐阜県現代陶芸美術館

 岐阜県多治見市の岐阜県現代陶芸美術館で「大地のこどもたち2026 わたしたちのエネルギー」が開催される。会期は8月1日〜8月30日。

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 「大地のこどもたち」展は、子供たちがつくったやきもの作品を同館で展示する展覧会。2005年から3年ごとに開催され、8回目を迎える。

 本展のテーマは「わたしたちのエネルギー」とし、学校の教育活動や同館企画のワークショップで子供たちが制作した作品を提示。今回は、岐阜県内の小・中・特別支援学校のうちエントリーのあった47校より約800作品を展示する。

会期:2026年8月1日~8月30日
会場:岐阜県現代陶芸美術館
住所:岐阜県多治見市東町4-2-5 セラミックパークMINO内
電話:0572-28-3100
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌平日)、年末年始
観覧料:無料

「Co-Program Reframed: 飛光、飛光」(京都芸術センター

 京都市中京区の京都芸術センターで、「Co-Program Reframed: 飛光、飛光」が開催される。会期は8月1日〜8月23日。

ポスタービジュアル

 本展は、同館が2017年度から実施する共同事業プログラム「Co-program」から派生した試みだ。2025年度の公募で採択に至らなかった企画を再編し、新たなかたちで紹介。展示作品に加え、義肢を装着するリハビリテーションの公開や、作品制作の過程を見せる公開リハーサル、アーティストトークなども実施する。

 会場では、3組のアーティストによるプロジェクトを取り上げる。今宿未悠は、水平社宣言末尾の「人の世に熱あれ、人間に光あれ」という言葉を起点に制作した新作《BURN PLAY》を発表する。

 中澤ふくみ、花形槙、安田伸裕は、《Extra Limb Circuit /余剰肢回路》と題した共同実験を展開。中澤が制作したアニメーションをもとに安田が「余剰肢」をつくり、花形がそれを装着して動かす訓練を実施する。藤田一樹は「社会との切断と接続を同時に求める身体」をモチーフとしたパフォーマンス《暫定的に分身》を発表。京都では3週間の期間のなかでリクリエーションし、その過程を公開する。

会期:2026年8月1日~8月23日
会場:京都芸術センター
住所:京都府京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
電話:075-213-1000
開館時間:10:00~22:00 ※ミーティングルーム2は、公開リハーサル、パフォーマンス実施時のみ入場可能
休館日:無休、2026年12月28日〜2027年1月4日、その他臨時休館あり
観覧料:無料

「大阪トリエンナーレ1990–1998, 2001」(ATCアートウィンドウ)

 大阪市のATCアートウィンドウで「大阪トリエンナーレ1990–1998, 2001」が開催される。会期は8月1日〜終了日未定。

マリア・マンリケ《PEZ A’PACE》(1990)紙にオイルパステル

 ATC(アジア太平洋トレードセンター)ITM棟4階「ATCアートウィンドウ」のリニューアルオープンにあわせ開催されている本展では、1990年から2001年まで開催された国際現代造形コンクール「大阪トリエンナーレ」に注目する。

 「大阪トリエンナーレ」は、大阪を国際的な現代美術の発信拠点とすることを目指して1990年に創設された国際現代造形コンクール。第1回には世界81の国と地域から2万8000点を超える作品が寄せられ、2001年まで開催された。

 本展では、中井康之(元国立国際美術館副館長)の監修のもと、大阪府所蔵の「大阪府20世紀美術コレクション」のなかから、大阪トリエンナーレの受賞作品を中心とした6点を展示。20世紀末の国際的な美術動向を伝えるとともに、世界と大阪を結んだ文化交流の成果をたどる。

会期:2026年8月1日〜終了日未定
会場:ATCアートウィンドウ
住所:大阪市住之江区南港北2-1-10 ATC ITM棟4階
開館時間:10:00〜19:00
料金:無料