2026.5.22

今週末に見たい展覧会ベスト12。モネ、CHANEL AND CINEMAから松本陽子まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「クロード・モネ -風景への問いかけ」展の展示風景より、左からクロード・モネ《睡蓮》(1914–17)、《睡蓮、柳の反影》(1916–19)
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もうすぐ閉幕

モネ没後100年「クロード・モネ -風景への問いかけ」(アーティゾン美術館

展示風景より

 アーティゾン美術館で、モネ没後100年「クロード・モネ -風景への問いかけ」が5月24日まで開催されている。レポート記事はこちら

 クロード・モネ(1840〜1926)は、印象派を代表する画家のひとり。自然光の移ろいに強い関心を寄せ、その変化をキャンバスにとどめることを生涯にわたり探求した。本展では、ル・アーヴル、アルジャントゥイユ、ヴェトゥイユ、ジヴェルニーなど、モネの創作において重要な場所と時代を軸に、画業の展開をたどる。

 同時代の絵画や写真、浮世絵、アール・ヌーヴォーの工芸作品との関係を通して、創作の背景や動機を紹介するほか、現代の映像作家アンジュ・レッチアによるモネへのオマージュとして制作された映像作品を展示。モネの作品41点を含むオルセー美術館所蔵作品約90点に、国内の美術館および個人所蔵作品を加えた約140点を展示し、風景画家としてのモネの表現に注目する。

会期:2026年2月7日〜5月24日
会場:アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜18:00(3月20日を除く金曜日は〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
料金:[ウェブ予約チケット]2100円、[窓口販売チケット]2500円 / 学生無料(要ウェブ予約)

「カタリウム」(アーティゾン美術館

洛中洛外図屛風(部分) 江戸時代 17世紀 石橋財団アーティゾン美術館 展示期間:2月7日〜4月2日

 アーティゾン美術館で、「カタリウム」も5月24日まで開催されている。

 本展のタイトルである「カタリウム」は、「語り」と空間を表す語尾「リウム(-arium)」を組みあわせた造語であり、語りの場をテーマとしている。作品が生まれる場で交わされる発案者の思いや、制作過程における思索、作品を前にした人々の感想など、作品をめぐって立ち上がる多様な語りに着目する。

 江戸時代の大名家で制作されたと考えられる屛風、明治・大正期に神話を題材とした油彩画や日本画、ベン・シャーンの版画集をはじめ、因陀羅の《禅機図断簡》や《鳥獣戯画断簡》など、かつて巻物として一体であった断簡作品を展示。国宝2点、重要文化財7点、重要美術品5点を含む約60点によって、時代やジャンルを越えた語りの場を紹介する。

会期:2026年2月7日〜5月24日
会場:アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜18:00(3月20日を除く金曜日は〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
料金:[ウェブ予約チケット]2100円、[窓口販売チケット]2500円 / 学生無料(要ウェブ予約)

「トワイライト、新版画―小林清親から川瀬巴水まで」(三菱一号館美術館

第1部「小林清親と浮世絵」の展示風景

 三菱一号館美術館で「トワイライト、新版画―小林清親から川瀬巴水まで」が5月24日まで開催中だ。レポート記事はこちら

 本展は、1876年(明治9年)に小林清親が開始した『東京名所図』を起点に、明治から展開した風景版画の系譜を紹介するもの。清親が確立した光と陰影を特徴とする表現や、明治末期に浮世絵復興を志向した新版画の動向を探る。

 展示では、小林清親から吉田博、川瀬巴水に至るまでの風景版画を、スミソニアン国立アジア美術館のミュラー・コレクションを通して紹介。新版画が継承した技術や情趣を軸に、日本の風景表現の展開をたどる。

会期:2026年2月19日~5月24日
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル) 
開館時間:10:00~18:00(祝日除く金、第2水、会期最終週平日は〜20:00)※入館は閉館時間の30分前まで
料金:一般 2300円 / 大学生 1300円 / 高校生 1000円 / 障害者手帳をお持ちの方は半額、付添の方1名まで無料

「大江戸礼賛」(東京都江戸東京博物館

橋本貞秀《東都両国ばし夏景色》(1859)東京都江戸東京博物館

 東京都江戸東京博物館で、江戸東京博物館リニューアル記念特別展「大江戸礼賛」が5月24日まで開催されている。

 2022年から休館していた東京都江戸東京博物館が、約4年ぶりにリニューアルオープンした。再開館後初の特別展となる本展は、出品作品約160件のすべてを同館の所蔵品で構成。選りすぐりの逸品と初出品資料を軸に、都市「大江戸」の魅力に迫る。

 会場では、東洲斎写楽《市川鰕蔵の竹村定之進》や葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》などの浮世絵から、明珍派の甲冑、武家火消・町火消の装束、収蔵後初披露となる資料・作品が展示されている。

会期:2026年4月25日~5月24日
会場:東京都江戸東京博物館
住所:東京都墨田区横網1-4-1
電話番号:03-3626-9974
開館時間:09:30~17:30(土〜19:30)※入館は閉館30分前まで
料金:一般 1300円 / 大学・専門学校生 1040円 / 65歳以上 650円 / 高校生以下 無料

「CHANEL AND CINEMA - TOKYO LIGHTS CINEMA WEEKS」(シャネル・ネクサス・ホール

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 シャネル・ネクサス・ホールで、「CHANEL AND CINEMA - TOKYO LIGHTS CINEMA WEEKS」が5月24日に閉幕する。

 シャネルは、日本の映画界における次世代クリエイターの育成を目的としたメンターシッププログラム「CHANEL AND CINEMA - TOKYO LIGHTS」の一環として、受賞作品の一般公開イベント「CINEMA WEEKS」を開催してきた。本プログラムは2024年に始動し、映画監督の是枝裕和をはじめ、ティルダ・スウィントン、安藤サクラ、役所広司、西川美和らが参加するマスタークラスを核に展開。映画制作を志す若手に対し、実践的な学びと制作機会を提供する取り組みとして位置づけられている。

 会場では、マスタークラス受講者のなかから選ばれた首藤凜、田中さくら、古川葵による3本の短編作品を上映。首藤凜監督の『親切がやって来る』は、夜の路上で偶然出会った他者同士の関係性を通して「他者への不安」を描く作品だ。田中さくら監督の『夜明け』は、姉妹の別れの朝を舞台に記憶の揺らぎを描写する。古川葵監督の『夕べの訪問客』は、弁護士と依頼者の再会を軸にした密室劇となっている。

会期:2026年4月24日〜5月24日
会場:シャネル・ネクサス・ホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階
電話番号:03-6386-3071
開館時間:12:00~19:30
料金:無料 ※予約優先

「チームラボ 養老渓谷」(養老渓谷)

「チームラボ 養老渓谷」 養老渓谷 千葉 ©︎ チームラボ Made with CG

 養老渓谷で「チームラボ 養老渓谷」が5月24日に終了する。

 本展は、夜の野外アート展として、養老川がつくり上げた渓谷や地層の岩肌、森といった長い時間を内在する自然をアート空間に変える試み。チームラボが取り組む「Digitized Nature(自然が自然のままアートになる)」プロジェクトの一環として、長い時間を持つ存在をそのまま作品群にし、いまを生きる人々の存在によって変化する場を創出する。

会期:2026年4月17日~5月24日
会場:養老渓谷
住所:千葉県夷隅郡大多喜町葛藤1-2
開館時間:18:45~21:00 ※日の入り時刻に合わせて、開始時間が変更となる(詳細は公式ウェブサイトをご確認してほしい)(入場は閉館の40分前まで)
料金:大人 1500円 / 小中高生 800円 / 未就学児 無料(詳細は公式ウェブサイトをご確認してほしい)

「⻄洋絵画400年の旅―珠⽟の東京富⼠美術館コレクション」(京都市京セラ美術館

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 京都市京セラ美術館で「⻄洋絵画400年の旅―珠⽟の東京富⼠美術館コレクション」が5月24日に閉幕する。

 1983年に東京都八王子市に開設した東京富士美術館は、国内外で制作された幅広い時代の絵画・版画・彫刻・写真・陶磁器等を約3万点収蔵。とくに西洋絵画コレクションは、16世紀のイタリア・ルネサンスから20世紀の近現代美術までを網羅している。

 本展では、東京富士美術館の所蔵品から選りすぐられた80点あまりの西洋絵画を展覧。ティントレット、ヴァン・ダイク、クロード・ロランらオールドマスターのほか、モネ、ルノワール、ゴッホ、シャガールといった画家の作品を通して、西洋絵画400年の歴史を紹介する。

会期:2026年3月20日~5月24日
会場:京都市京セラ美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
電話番号:075-771-4334
開館時間:10:00~18:00(入場は閉場の30分前まで)
料金:一般 2000円 / ⼤学生・専門学校生・高校生 1500円 / 中学生・小学生 500円 / 未就学児 無料

「KYOTO NIPPON FESTIVAL 2026 ―時をこえ、華ひらく庭―」(北野天満宮)

展示風景より、《光と花の庭》 撮影:来田猛

 北野天満宮で「KYOTO NIPPON FESTIVAL 2026 ―時をこえ、華ひらく庭―」が5月24日まで行われている。レポート記事はこちら

 本企画は、2016年に誕生し、日本の「美」と「文化」を京都から発信してきたものであり、2026年に10周年を迎える。北野天満宮を舞台に展開されるフェスティバルの一環として、雪月花の三庭苑・梅苑「花の庭」において、蜷川実花 with EiMによるインスタレーション作品を展示。春の訪れとともに咲く梅の花を会場とし、光と色彩を用いた表現による空間構成を紹介する。

 また、北野天満宮 風月殿​では「花宵の大茶会」が上演。日本のイマーシブシアターを牽引するダンスカンパニーDAZZLE と、蜷川実花 with EiM による初めてのコラボレーションをぜひチェックしてほしい。

会期:
アートインスタレーション《光と花の庭》《残照》2026年2月1日~5月24日
イマーシブシアター《花宵の大茶会》2026年3月20日(予定)~5月24日
会場:北野天満宮
住所:京都府京都市上京区馬喰町
開苑時間:9:00~20:30 ※20:00最終受付
休館日:会期中休業日あり ※休館日、休演日は公式ウェブサイトを参照
料金:
アートインスタレーション《光と花の庭》《残照》
[前売]大人 2800円 / 小人 1400円、[当日]大人 3000円 / 小人 1500円
※雪月花の三庭苑・梅苑「花の庭」と御土居 梅交軒は同じチケットでご入場いただけます。
※当日中の再入場可能
イマーシブシアター《花宵の大茶会》
[前売]プレミアム 1万5000円 / 一般 1万円、[当日]プレミアム 1万6000円 / 一般 1万1000円

「椋尾篁:アニメ背景美術の先駆者」(佐世保市博物館島瀬美術センター)

 佐世保市博物館島瀬美術センターで「椋尾篁:アニメ背景美術の先駆者」が5月24日まで開催されている。

 椋尾篁は1938年長崎県佐世保市三川内町生まれ。美術大学で油絵を学び、手塚治虫による国産初のテレビアニメ『鉄腕アトム』の背景を描いたことをきっかけにして、1960年代よりアニメーションの世界での活動を本格的に始めた。その後、りんたろう監督『銀河鉄道999』『幻魔大戦』『火の鳥』、高畑勲監督『セロ弾きのゴーシュ』などの劇場作品において美術監督を務めたほか、『母をたずねて三千里』『悪魔くん』『美少女戦士セーラームーン』など、多くのテレビシリーズを手がけた。

 本展は、椋尾の故郷である長崎県佐世保市にて、椋尾が遺した手描きの背景画、美術設定、スケッチなど約100点を通じて、その仕事の全容を紹介するもの。従来の平面的な背景表現を越えて、キャラクターと同様の存在感を持たせつつ調和する背景を追求した椋尾の、日本のアニメーションにおける表現の進化と美術的価値に注目する。

会期:2026年4月25日~5月24日
会場:佐世保市博物館島瀬美術センター
住所:長崎県佐世保市島瀬町6-22 佐世保市博物館島瀬美術センター
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで
料金:大人 1300円 / 学生 500円 / 中学生以下 無料

今週開幕

「イラストレーター 安⻄水丸展 ぼくのあそび I DRAW TO PLAY」(PLAY! MUSEUM

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 PLAY! MUSEUMで「イラストレーター 安⻄水丸展 ぼくのあそび I DRAW TO PLAY」が5月20日に開幕した。

 安⻄水丸(1942〜2014)は、1970年代から小説、漫画、絵本、エッセイや広告など多角的に活躍したイラストレーターだ。広告会社や出版社勤務を経て独立し、村上春樹をはじめとする本の装丁や、絵本『がたんごとんがたんごとん』の創作など幅広く手がけた。自身のことを「いまでも小学生の絵を描いている、普通の人」と表し、仕事と「あそび」を行き来しながら制作を続けた。

 本展では、描くことの原点であった「あそび」の感覚をたどりながら、原画、印刷物、版画、関連資料など500点以上を紹介。楕円の大空間では、少年期を過ごした房総半島・千倉の海の映像とともに、画面を横切る一本線が特徴の「ホリゾン作品」約70点によるインスタレーションを展開する。

会期:2026年5月20日~7月12日
会場:PLAY! MUSEUM
住所:東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3 PLAY! MUSEUM
電話番号:042-518-9625
開館時間:10:00~17:00(土日祝は〜18:00)(入館は閉館の30分前まで)
休館日:会期中無休
料金:一般 1800円 / 大学生 1200円 / 高校生 1000円 / 中・小学生 600円 / 未就学児 無料

「松本陽子 宵の明星を見た日」(府中市美術館

松本陽子《ベイルシェバの荒野Ⅰ》(1987)国立国際美術館

 府中市美術館で「松本陽子 宵の明星を見た日」が5月23日から開催される。

 松本陽子は1936年東京都生まれ。60年に東京藝術大学美術学部絵画科を卒業した。67年から約1年間滞在したニューヨークでアクリル絵具に出会い、帰国後にアクリル絵具と綿のローキャンバスによる独自の手法を開拓。2000年代以降は油彩に取り組み、緑、白、黒、青などを用いた制作を続けている。

 本展は、松本の美術館における初めての大規模個展となる。絵画群や、2000年代以降の油彩画、さらに2025年から描き始めた初披露の新作までを展示。50年代末の初期作品から最新作までを網羅し、アクリル絵具と綿のローキャンバスによる表現や、油彩によるみずみずしく芳醇な作品世界を紹介する。

会期:2026年5月23日~7月12日
会場:府中市美術館住所東京都府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内 府中市美術館
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館30分前まで
休館日:月
料金:一般 800円 / 高校・大学生 400円 / 小学・中学生 200円

「コレクション展 歩く、とどまる」(金沢21世紀美術館

 金沢21世紀美術館で「コレクション展 歩く、とどまる」が5月23日にスタートする。

 本展は、「歩く」あるいは「移動する」という行為を切り口に、金沢21世紀美術館のコレクション作品を紹介するもの。展示作品には、一歩踏み出す行為を起点とした外の世界の観察や、思考や記憶の内側への探索、場所との関係性のなかで生じる摩擦や交渉など、様々な歩みがあらわれる。歩く、とどまるという行為から、観察、抵抗、記憶や時間への思考といった多様な態度へとつながる実践を通して、人と空間、社会との関係性を浮かび上がらせる。

会期:2026年5月23日~10月18日
会場:金沢21世紀美術館
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話番号:076-220-2800
開館時間:10:00~18:00(金土~20:00)(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月(祝休日と重なった場合は開場、翌平日閉場)
料金:一般 450円 / 大学生 310円 / 小中高生 無料 / 65歳以上の方 360円