2025.6.20

今週末に見たい展覧会ベスト20。二条城のアンゼルム・キーファーからモネの巡回展、大カプコン展まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

展示風景より、《ラー》(2024)
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もうすぐ閉幕

「PARALLEL MODE オディロン・ルドン ―光の夢、影の輝き」(パナソニック汐留美術館

展示風景より

 パナソニック汐留美術館で開催中の「PARALLEL MODE:オディロン・ルドン ―光の夢、影の輝き」が6月22日に閉幕する。

 本展は、昨年岐阜県美術館での開催(2024年9月27日〜12月8日)に続き、ひろしま美術館(1月11日 ~ 3月23日)を経て、最終的に同館へと巡回したもの。世界有数のルドン作品を収蔵している岐阜県美術館から出品される約80点の作品に加え、国内の美術館や個人に所蔵される優品、さらにパリのオルセー美術館所蔵の油彩画と木炭画など、約110点の作品によりルドンの豊穣な画業の全容を紹介する内容となっている。会場レポートはこちら

会期:2025年4月12日~6月22日
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00 ※入館は各閉館時間の30分前まで
休館日:水
料金:一般 1300円 / 65歳以上 1200円 / 大学生・高校生 800円 / 中学生以下 無料

「LOVE ファッション 私を着がえるとき」(東京オペラシティ アートギャラリー) 

展示風景より、左がロエベ(ジョナサン・アンダーソン)2022秋冬のドレス、右がノワール・ケイ・ニノミヤ(二宮啓)2023秋冬のドレス

 京都服飾文化研究財団(KCI)が所蔵する衣装コレクションを中心に紹介する 「LOVE ファッション 私を着がえるとき」。昨年から今年はじめにかけて京都国立近代美術館と熊本市現代美術館で開催された同展が、東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーに巡回、6月22日まで開催されている。

 本展は、18世紀から現代までの衣装コレクションを、人間あるいは生物の根源的な欲望や本能を映し出すアート作品とともに展示することで、装いにみられる様々な「LOVE」のかたちを取り上げる試みとなっている。会場レポートはこちら

会期:2025年4月16日〜6月22日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティビル3F
電話番号:03-5353-0756 
開館時間:11:00〜19:00 ※入館は閉館の30分前まで 
休館日:月
料金:一般 1600円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下無料

「黒の奇跡・曜変天目の秘密」(静嘉堂文庫美術館

展示風景より、《曜変天目(稲葉天目)》(12-13世紀、国宝)

 東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館で開催中の「黒の奇跡・曜変天目の秘密」が6月22日までの会期となっている。

 中国陶磁の至宝である《曜変天目》は、12~13世紀の南宋時代につくられ、世界に3点のみ現存。そのすべてが日本に伝わり、いずれも国宝として各地に収蔵されている。その漆黒の釉薬に浮かぶ虹色の光彩は不思議な美しさを放ち、いまなお多くの人々を魅了し続けていると言えるだろう。しかし、製法や伝来などは未だ謎なままだ。

 本展では、「工芸の黒い色彩」をテーマとして、刀剣や鉄鐔など「黒鉄(くろがね)」とよばれる鉄の工芸品や「漆黒」の漆芸品を全4章にわたって紹介。そして中国と日本の黒いやきものの歴史をたどりつつ、最新の研究成果をもとに、曜変天目が持つ様々な謎にせまるものとなっている。会場レポートはこちら

会期:2025年4月5日~6月22日
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
住所:東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00〜17:00(6月20日・21日は〜19:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 1500円 / 大高生 1000円 / 障がい者手帳をお持ちの方(同伴者1名無料を含む)700円 / 中学生以下 無料

「藤田嗣治 ―7つの情熱 Les 7 Passions de Foujita」(SOMPO美術館

藤田嗣治 自画像 1960年 個人蔵(フランス)
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2024 E5785

 東京・新宿のSOMPO美術館で開催されている「藤田嗣治 ―7つの情熱 Les 7 Passions de Foujita」が6月22日に閉幕となる。

 本展は、藤田嗣治(レオナール・フジタ、1886〜1968)の芸術を、7つの視点(情熱)で紹介する展覧会。藤田研究の第一人者として知られるシルヴィー・ビュイッソンの監修のもと、藤田の創作源を「自己表現」「風景」「前衛」「東方と西方」「女性」「子ども」「天国と天使」という「7つの情熱」で読み解くものとなっている。

 会場には、個人所蔵を含む国内外から集められた油彩、版画、資料など、150余点が集結。また、東郷青児、川島理一郎、海老原喜之助など、藤田と関わりの深い日本人画家9名の作品を第二部で展示し、藤田が同時代に果たした役割にも迫っている。

会期:2025年4月12日〜6月22日
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:00〜18:00(金〜20:00) ※最終入場は閉館30分前まで
休館日:月
料金:一般(26歳以上)1800円 / 25歳以下 1200円 / 高校生以下 無料

「鴨治晃次 展|不必要な物で全体が混乱しないように」(ワタリウム美術館

展示風景より、《二つの極》(1972)

 東京・外苑前のワタリウム美術館で、ポーランドを拠点に活動を続ける美術家・鴨治晃次による日本初の展覧会「鴨治晃次 展|不必要な物で全体が混乱しないように」が開催中だ。会期は6月22日まで。

 本展は、3月31日に90歳を迎えた鴨治晃次による66年ぶりとなる帰国展であり、ポーランドのザヘンタ国立美術館とアダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート(IAM)によって企画されるものとなっている。鴨治のインタビューはこちら。会場レポートはこちら

会期:2025年4月8日〜6月22日
会場:ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
電話番号:03-3402-3001
開館時間:11:00〜19:00
休館日:月
料金:大人 1500円 / 大人ペア 2600円 / 学生(25歳以下)・高校生 1300円 / 小中学生 500円

「総合開館30周年記念 TOPコレクション 不易流行」(東京都写真美術館

展示風景より、石内都「mother’s」シリーズ

 東京都写真美術館で、2期にわたって7名の学芸員が10のテーマで構成するオムニバス形式の展覧会「総合開館30周年記念 TOPコレクション」の第1期「不易流行」が6月22日まで開催されている。

 同展は5室構成で、それぞれ同館学芸員の佐藤真実子、大﨑千野、室井萌々、山﨑香穂、石田哲朗が担当している。本展のタイトル「不易流行」は、江戸初期の俳人・松尾芭蕉(1644〜94)が俳句の心構えについて述べた「不易を知らざれば基立ち難く、流行知らざれば風新たにならず(現代語訳:変わらないものを知らなくては基本が成立せず、流行を知らなくては新しい風は起こらない)」という言葉に由来する。このタイトルの通り、本展は同館のコレクションを改めて振り返り、時代を象徴する名作をテーマごとに交えつつ、ゆるやかに写真史をたどることができる展覧会となっている。会場レポートはこちら

会期:2025年4月5日~6月22日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099 
開館時間:10:00~18:00(金〜20:00)※入館は閉館30分前まで 
休館日:月
料金:一般 700円 / 中学生以下 無料

「横尾忠則 連画の河」(世田谷美術館

展示風景より

 様々な手法と様式を用いて、多岐にわたるテーマの絵画を生み出し続けるアーティスト・横尾忠則。その個展「横尾忠則 連画の河」が世田谷美術館で6月22日まで開催されている。

 本展でメインとなるのは、2023年4月からつい先日の25年2月までに描かれた新作64点と、横尾忠則現代美術館が所蔵する《記憶の鎮魂歌》(1994)の計65点だ。会場レポートはこちら

会期:2025年4月26日〜6月22日
会場:世田谷美術館
住所:東京都世田谷区砧公園1-2
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~18:00 ※入場は17:30まで
休館日:月
料金:一般 1400円 / 65歳以上 1200円 / 大学・高校生 800円 / 小・中学生 500 / 未就学児無料

 「石田尚志 絵と窓の間」(アーツ前橋

展示風景より、《透過光絵巻》(2016)

 群馬・前橋のアーツ前橋で、自ら描いた絵画を連続的に撮影するドローイング・アニメーションで知られるアーティスト・石田尚志の展覧会「石田尚志 絵と窓の間」が開催中。会期は6月22日まで。なお、本展は神奈川県立近代美術館 葉山(2024年7月13日〜9月28日)からの巡回。このあとも高松市美術館(8月8日~10月5日)に巡回する。

 近年の石田は、約30年ぶりに再びキャンバスに絵筆を走らせることに取り組んできた。本展は、代表作と新作を中心に、初公開の作品も含め約80点の作品を紹介し、石田尚志の仕事を再考するものだ。会場レポートはこちら

会期:2025年4月19日~6月22日
会場:アーツ前橋
住所:群馬県前橋市千代田町5-1-16
電話番号:027-230-1144
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:水 
料金:一般 800円 / 学生・65歳以上 600円 / 高校生以下 無料

「アンゼルム・キーファー:ソラリス」(二条城)

展示風景より、《ラー》(2024)

 今年80歳を迎えたアーティスト、アンゼルム・キーファー。そのアジア最大規模の個展「アンゼルム・キーファー:ソラリス」が、京都の二条城二の丸御殿台所・御清所と城内庭園で6月22日まで開催されている。主催は京都市とギャラリー「ファーガス・マカフリー」。ゲスト・キュレーターは南條史生。

 昨年春には二条城を訪れ、展覧会の構想を具体化させていったというキーファー。本展は、新作や初公開作品を含む絵画・野外彫刻・ガラスケース作品・インスタレーションなど計33点が並ぶ。会場レポートはこちら

会期:2025年3月31日~6月22日
会場:二条城
住所:京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
開場時間:9:00〜16:30(二条城は8:45〜17:00)※入場は閉場の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 2200円 / 京都市民・大学生 1500円 / 高校生 1000円

「大カプコン展 ―世界を魅了するゲームクリエイション」(大阪中之島美術館

ROUND1「カプコン ゲームクロニクル」展示風景より、キャラクター展示 ⓒCAPCOM

 大阪中之島美術館で開催中の企画展「大カプコン展 ―世界を魅了するゲームクリエイション」が6月22日に閉幕する。なお、本展はカプコンの本社がある大阪展から始まり、名古屋市美術館(7月5日〜9月7日)、鳥取県立博物館(10月19日〜12月7日)、CREATIVE MUSEUM TOKYO(12月20日〜2026年2月22日)と巡回する。

 カプコンは1983年大阪に本社が設立されたゲームソフトメーカー。対戦格闘ゲームの歴史を築いてきた「ストリートファイター」シリーズや、サバイバルホラーゲーム 「バイオハザード」シリーズ、広大な世界を旅してモンスターを捕獲する「モンスターハンター」シリーズなど、数多くのタイトルを開発してきた。本展は、創業40周年を迎えたカプコンのゲームクリエイションに注目し、その原点から最新技術まで、総合的に紹介する初の展覧会となっている。会場レポートはこちら

会期:2025年3月20日~6月22日
会場:大阪中之島美術館 5階展示室
住所:大阪市北区中之島4-3-1
開館時間:10:00~17:00 ※入場は16:30まで
休館日:月
料金:[日時指定券・平日券共通]一般 3000円 / 高大生 2500円 / 小中生 1000円 / おかわりチケット 5600円

今週開幕

「『銀河鉄道999』50周年プロジェクト 松本零士展 創作の旅路」(東京シティビュー)

 六本木ヒルズ森タワー52階にある東京シティビューで、『銀河鉄道999』『宇宙海賊キャプテンハーロック』といった数々の名作の生みの親・松本零士の没後初となる大型展覧会「『銀河鉄道999』50周年プロジェクト 松本零士展 創作の旅路」が開催される。会期は6月20日~9月7日。

 本展は、松本の創作の旅路をたどる3つのゾーンで構成。デビュー前の作品から代表作の数々に至る300点以上の直筆原画をはじめ、初公開となる貴重な資料が一堂に展示されるという。ほかにも、執筆で実際に使用していた道具や書籍、インタビュー映像、思い出の品々を通じ、マンガ家にとどまらない、表現者としての松本の軌跡をたどるものとなる。

会期:2025年6月20日~9月7日
会場:東京シティビュー
住所:東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階 
開館時間:10:00~21:00 ※最終入館は20:00まで
休館日:施設に準ずる 
料金:[オンラインチケット]一般 2200円 / 高校・大学生 1600円 / 4歳~中学生 1000円 / 65歳以上 1900円[当日窓口チケット]一般 2400円 / 高校・大学生 1700円 / 4歳~中学生 1100円 / 65歳以上 2100円
※いずれも日時指定制

「アール・ブリュット ゼン&ナウ vol.4『未知なる世界と出会う —英国アール・ブリュット作家の現在(いま)』」(東京都渋谷公園通りギャラリー

 東京・渋谷にある東京都渋谷公園通りギャラリーで、アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.4「未知なる世界と出会う —英国アール・ブリュット作家の現在(いま)」が開催される。会期は6月21日〜8月31日。

 アール・ブリュットとは、1940年代にフランスの芸術家ジャン・デュビュッフェによって提唱された言葉で、今日においては専門的な美術の教育を受けていない人などによる、独自の発想や表現方法が注目されるアートを指す。

 この展覧会シリーズは、同ギャラリーが国内外のアール・ブリュットの動向において、長く活躍を続ける作家と、近年発表の場を広げつつある作家を、様々な角度から紹介するもの。vol.4となる今回は、英国を拠点にこの分野で活躍するジェニファー・ギルバートをゲストキュレーターに迎え、マッジ・ギルやスコッティ・ウィルソンから新進気鋭の作家まで、幅広い世代の11名の英国アーティストによる作品が紹介される。

会期:2025年6月21日〜8月31日
会場:東京都渋谷公園通りギャラリー
住所:東京都渋谷区神南1-19-8 渋谷区立勤労福祉会館1F
開館時間:11:00〜19:00(8月15日、22日、29日はサマーナイトミュージアムにつき〜21:00)
休館日:月、7月22日、8月12日(ただし、7月21日、8月11日は開館)
料金:無料

「黙然たる反骨 安藤照 ―没後・戦後80年 忠犬ハチ公像をつくった彫刻家―」(渋谷区立松濤美術館

安藤照 兎 制作年不詳 鹿児島市立美術館蔵

 東京・渋谷の渋谷区立松濤美術館で「黙然たる反骨 安藤照 ―没後・戦後80年 忠犬ハチ公像をつくった彫刻家―」が開催される。会期は6月21日~8月17日。

 安藤照は渋谷駅前のモニュメント《忠犬ハチ公像》(初代)の作者として知られる。1917年に東京美術学校に入学し、在学中の1921年に帝国美術院展覧会(帝展)で彫刻家としてデビュー。その後数々の賞を受賞し、1934年には《忠犬ハチ公像》、1937年には《西郷隆盛像》(鹿見島県鹿児島市)といった現在も語り継がれるモニュメントを制作し、彫刻家としての地位を築いた。

 没後80年を記念した本展は、《忠犬ハチ公像》を誰もが知るかたわら、これまで語られる機会の少なかった安藤照の生涯について、戦火をのがれた現存作品約30点やその関連作品から、網羅的に紐解く展覧会となる。

会期:2025年6月21日~8月17日
会場:渋谷区立松濤美術館
住所:東京都渋谷区松濤 2-14-14
開館時間:10:00~18:00(金~20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、7月22日、8月12日(ただし、7月21日、8月11日は開館)
料金:一般1000円 / 大学生800円 / 高校生・60歳以上 500円 / 小中学生 100円

「創造的な出会いのためのテーマ別展示」(UESHIMA MUSEUM

ジェームズ・タレル作品

 東京・渋谷の渋谷教育学園内にあるUESHIMA MUSEUMで、コレクション展「創造的な出会いのためのテーマ別展示」が6月21日より開催される。

 UESHIMA MUSEUMは、オーナーである起業家・投資家の植島幹九郎の母校・渋谷教育学園の敷地内に位置する。「同時代性」をテーマに国内外の幅広いアーティストの現代美術作品をコレクション。700点を超える作品のなかから、テーマに沿って選んだ作品を展示している。

 「創造的な出会いのためのテーマ別展示」は第2回コレクション展となる。長谷川祐子のキュレーションにより、展示内容を刷新。各階ごとにテーマを設定し、展示の流れをつくることで、作品同士のつながりが、見る人の想像力を刺激し、自由な解釈ができるように構成される。

会期:2025年6月21日〜
会場:UESHIMA MUSEUM
住所:東京都渋谷区渋谷1-21-18 渋谷教育学園植島タワー
開館時間:11:00〜17:00 ※入場は閉場の1時間前まで
休館日:月(祝日は開館、翌平日休館)
料金:一般 1800円 / 高校・中学生 500円 / 小学生以下 無料

「Home Away from Home」(ポーラ ミュージアム アネックス

José Parlá Pedestrian Ensemble 2011 72.0 x 144.0 inch (182.9 x 354.8 cm) diptych Acrylic, ink, collage and plaster on canvas

 東京・銀座のポーラ ミュージアム アネックスで、ニューヨークを拠点に国際的に活躍するアーティスト ホセ・パルラの個展「Home Away from Home」が開催される。会期は6月20日〜7月27日。

 KOTARO NUKAGA ROPPONGIと同時開催される本展は、タイトルを「Home Away from Home」とし、ひとつに限定される「ホーム」ではなく、記憶、移動、人とのつながりによって形成され、つねに変化し続ける風景という視点からパルラの作品をそれぞれ展示。ポーラ ミュージアム アネックスでは、窯元で滞在し制作された備前焼の作品や、日本のアーティストやファッションデザイナーとのコラボレーション作品などもあわせて展示することで、パルラの包括的な活動とルーツをたどるとともに、東京をテーマとしたラージスケールの新作1点を含む合計18点の作品が紹介される。

会期:2025年6月20日〜7月27日
会場:ポーラ ミュージアム アネックス
住所:東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)  
開館時間:11:00〜19:00 ※入場は18:30まで
休廊日:会期中無休 
料金:無料

同時開催
José Parlá『Home Away from Home』

会期:2025年6月20日〜8月9日
会場:KOTARO NUKAGA ROPPONGI
住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2階
開館時間:11:00〜18:00
休廊日:日月祝
料金:無料

布施琳太郎「人工呼吸、あるいは自画像の自画像」(SNOW Contemporary

布施琳太郎 制作中のドローイング 2025

 東京・六本木のSNOW Contemporaryで、布施琳太郎による個展「人工呼吸、あるいは自画像の自画像」が開催される。

 今回「久しぶりに引きこもって制作した」と語る布施は、「自画像」をテーマとした100枚近いドローイングの制作によって、新たな身体論の創出に向きあった。制作のなかで布施が参照したのは、人工知能の記号接地問題、当事者と非当事者の身体、解剖学者の語る「骨と筋肉」の関係、心肺蘇生訓練用の人形「レサシアン」、ロボット工学博士の「不気味の谷」、そしてゲームやアバターなどである。これらのリサーチによって変化していくセルフイメージの現在地を、自室で描き留めることで生み出されたドローイング群をデータベースとして、着想された新作パフォーマンスや平面作品も本展では発表される。

会期:2025年6月20日〜8月2日
会場:SNOW Contemporary
住所:東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
電話番号:03-6427-2511
開館時間:13:00〜19:00 
休館日:日月火祝 
料金:無料

「モネ-睡蓮のとき」(豊田市美術館

 国立西洋美術館と京都市京セラ美術館で開催された「モネ-睡蓮のとき」が、愛知にある豊田市美術館で巡回開催される。会期は6月21日~9月15日。

 本展は、印象派を代表する画家、クロード・モネ晩年の制作に焦点をあてたもの。会場には世界最大級のモネ・コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を含むおよそ50点が来日する。日本国内に所蔵される作品も加え、モネの晩年の創作の頂点に立つ「睡蓮」シリーズが一堂に会する、日本でも最大規模の展示となる。

会期:2025年6月21日~9月15日
会場:豊田市美術館
住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1
開館時間:10:00~17:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、7月21日、8月11日、9月15日は開館)
料金:大人 2300円 / 大学生 1400円 / 高校生以下 無料

「日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!」(大阪中之島美術館

 大阪・中之島にある大阪中之島美術館で、「日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!」が開催される。会期は6月21日~ 8月31日。

 江戸時代の画家、伊藤若冲を皮切りに、近年「日本美術ブーム」が続いている。本展では、そんな日本美術のなかでも、あえてこれまでほとんど注目されていないものや、一般の人々にはほとんど知られていないものを取り扱い、未来の国宝になりうる日本美術作品を観客自らが探す機会を促すものとなる。

会期:2025年6月21日~ 8月31日
会場:大阪中之島美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
開館時間:10:00~17:00(7月18日~8月30日までの金土祝前日は~19:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、7月22日、8月12日(ただし7月21日、8月11日は開館)
料金:一般 1800円 / 高大生 1500円 / 小中生 500円

「リニューアル記念名品展Ⅱ 続・帰ってきた泉屋博古館 近代の美術、もうひとつの在り方」(泉屋博古館

 京都にある泉屋博古館で、「リニューアル記念名品展Ⅱ 続・帰ってきた泉屋博古館 近代の美術、もうひとつの在り方」が開催される。会期は6月21日~ 8月3日。

  同館のリニューアルオープンを記念して開催される「リニューアル記念名品展」の第2弾。本展では、普段は泉屋博古館東京に所蔵されている近代美術の名品が京都で展示される。また大阪・関西万博を記念して、第5回内国勧業博覧会の出陳作も並ぶ予定だ。全3章を通じて住友の近代美術コレクションを堪能することができる機会となるだろう。

会期:2025年6月21日~ 8月3日
会場:泉屋博古館
住所:京都府京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、7月22日(ただし7月21日は開館)
料金:一般 1000円 / 学生 600円 / 18歳以下 無料

「被爆80周年記念 記憶と物 ―モニュメント・ミュージアム・アーカイブ―」(広島市現代美術館

イサム・ノグチ 広島の原爆死没者慰霊碑(1/5 模型) 1952/1991

 広島にある広島市現代美術館で、特別展「被爆80周年記念 記憶と物 ―モニュメント・ミュージアム・アーカイブ―」が開催される。会期は6月21日~ 9月15日。

 本展は、戦争や原爆の記憶と美術表現との関係をテーマとし、戦中の銅像やそのつくり手、戦後に再建された像の例から、それらが関係した記憶の形成、忘却、再構成について思考を巡らせるものとなる。また、モニュメント、ミュージアム、アーカイヴといった記憶形成にかかわる物や活動に関心を持ち、主題として取り扱うアーティストによる近年の試みや、「ヒロシマ」をテーマとした同館のコレクションもあわせて展示される。

会期:2025年6月21日~ 9月15日
会場:広島市現代美術館 B展示室
住所:広島県広島市南区比治山公園1-1
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、7月22日、8月12日(ただし7月21日、8月11日、9月15日は開館
  料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生・65歳以上800円 / 中学生以下 無料