2025.6.20

ルイ・ヴィトンの軌跡を日本の視点で再解釈。「ビジョナリー・ジャーニー」展が大阪中之島美術館で開催へ

ルイ・ヴィトンの歴史と創造性を日本的視点で再解釈した展覧会「ビジョナリー・ジャーニー」が、大阪中之島美術館で開催される。会期は7月15日〜9月17日。

 今年7月より大阪中之島美術館で開催される、ルイ・ヴィトンの軌跡をたどる展覧会「ビジョナリー・ジャーニー」。その詳細が発表された。

 タイ・バンコクでの開催に続く本展では、日本という文化的背景を通して再解釈されたルイ・ヴィトンの歴史と創造性が紹介される。

 会場構成は、建築家でOMAパートナーの重松象平による演出のもと、美術史家でキュレーターのフロランス・ミュラーの協力によって実現。メゾンが長年にわたり所蔵してきたアーカイヴから厳選された歴史的アイテムや資料、貴重なオブジェなど、総数1000点を超える展示品が公開される。

 また、神戸の香雪美術館、パリのギメ東洋美術館、ケ・ブランリ美術館といった国内外の著名美術館の特別協力により、東西の美意識が交差する貴重な作品群も加わり、多層的な展示が展開される。

 展示では、メゾン創業以来受け継がれてきた職人技やサヴォアフェール(匠の技)、叡智の継承、そして革新と創造への飽くなき探求心に光が当てられる。なかでも注目を集めるのは、19世紀からパリ市立公文書館で保管されてきたモノグラム・キャンバスの初期サンプルで、近年、美しく無傷の状態で再発見された逸品だ。

 さらに、製造工程の一部を実際に見ることができる展示スペースや、アンバサダーとしてメゾンと関わりのある著名人──十三代目市川團十郎白猿、広瀬すず、平野紫耀──に関連したドレスやトランク、グラフィックアーティストVERDYとのコラボレーション作品も登場。それぞれのアイテムに宿る個人の物語を垣間見ることができる点も、本展の大きな見どころのひとつである。

 ルイ・ヴィトンというブランドを築き上げてきた人物、技術、文化との結びつきを多角的にとらえ、過去から未来へと続く“旅”を体感できる本展。展示品一つひとつが語る物語に耳を傾けながら、メゾンの精神に触れる貴重な機会となるだろう。