2025.6.13

今週末に見たい展覧会ベスト17。ヒルマ・アフ・クリントから国宝、名刀・甲冑・武者絵まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「ヒルマ・アフ・クリント展」の展示風景より
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もうすぐ閉幕

「『元始女性は太陽だった』のか?」(KOTARO NUKAGA Three)

展示風景より Photo by Kenji Agata

 KOTARO NUKAGA Threeで「『元始女性は太陽だった』のか?」が6月14日まで開催されている。

 本展は、嶋田美子、山本れいら、みょうじなまえの3名の女性アーティストの作品を通じて、歴史への批判と未来への思索によって家父長制的ナラティブに挑むもの。展覧会のタイトルは、日本のフェミニスト運動の先駆者のひとり、平塚らいてうが1911年に雑誌『青鞜』に寄稿した記事の一節から引用。「日本の女性は真に自立していたことがあったのか。なかったのだとすれば、どうすれば太陽のような解放を達成できるのか」。嶋田、山本、みょうじの作品を通して問いかけている。

会期:2025年5月17日~6月14日
会場:KOTARO NUKAGA Three
住所:東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex I 3階
開廊時間:11:00~18:00
料金:無料

「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」(東京国立博物館

展示風景より

 東京国立博物館 平成館で、特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」が6月15日まで開催されている。レポート記事はこちら

 江戸時代の傑出した出版業者である蔦重こと蔦屋重三郎(1750〜97)は、喜多川歌麿、東洲斎写楽といった現代では世界的芸術家とみなされる浮世絵師を世に出したことで知られている。本展では、蔦重の出版活動を紹介しながら、蔦重が江戸時代後期の出版文化の一翼を担っていただけでなく、彼が創出した価値観や芸術性がいかなるものであったかを体感できるだろう。

会期:2025年4月22日~6月15日
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30~17:00(金土、5月4日、5日〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 2100円 / 大学生 1300円 / 高校生 900円 / 中学生以下無料

「浮世絵現代」(東京国立博物館 表慶館

展示風景より、草間彌生の版画作品と版木

 東京国立博物館 表慶館で「浮世絵現代」が6月15日に終了する。レポート記事はこちら

 日本の木版画の技術は、江戸時代の文化のなかで独自に発展し、浮世絵という力強く華やかな芸術を生み出した。「浮世」という言葉には「当世風の」という意味があり、浮世絵版画はその時代と社会を色鮮やかに映し出すメディアであった。

 本展では、伝統木版画の表現に魅了された様々なジャンルのアーティスト、デザイナー、クリエーターたちが、現代の絵師となり、アダチ版画研究所の彫師・摺師たちと協働して制作された「現代」の「浮世絵」を展覧。総勢85名のアーティストたちの木版画を通じて、現代から未来に続く伝統の可能性を見せる。

会期:2025年4月22日~6月15日
会場:東京国立博物館 表慶館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30~17:00(金土、5月4日、5日〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1400円 / 大学生 700円 / 70歳以上 400円 ※特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」または「イマーシブシアター 新ジャポニズム」の観覧券で観覧当日に限り無料

「ヒルマ・アフ・クリント展」(東京国立近代美術館

展示風景より、「10の最大物、グループⅣ」(1907)

 東京国立近代美術館で「ヒルマ・アフ・クリント展」が6月15日に閉幕する。レポート記事はこちら。占星術研究家・鏡リュウジのインタビューもあわせて読んでほしい。

 20世紀初頭、ワシリー・カンディンスキーやピート・モンドリアンといった同時代のアーティストに先駆け、抽象絵画を創案した画家として、近年再評価が高まるヒルマ・アフ・クリント。アジア初のアフ・クリント展となる本展では、高さ3メートル超・10点組の絵画「10の最大物」(1907)をはじめ、すべて初来日となる作品約140点が出品。代表的作品群「神殿のための絵画」を中心に構成し、画家が残したスケッチやノートなどの資料、同時代の神秘主義思想・自然科学・社会思想・女性運動といった多様な制作の源の紹介をまじえ、ヒルマ・アフ・クリントの画業の全容を紹介している。

会期:2025年3月4日~6月15日
会場:東京国立近代美術館
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00(金土~20:00) ※入館は閉館30分前まで
料金:一般 2300円 / 大学生 1200円 / 高校生 700円 / 中学生以下無料

「フェミニズムと映像表現」(東京国立近代美術館

出光真子 グレート・マザー 晴美 1983 提供=東京国立近代美術館

 東京国立近代美術館で、コレクションによる小企画「フェミニズムと映像表現」が6月15日に幕を閉じる。レポート記事はこちら

 1960年代から70年代にかけて、テレビの普及やヴィデオ・カメラの登場によってメディア環境が急速に変化すると、作家たちは新しいテクノロジーを自らの表現に取り入れ始めた。同じ頃、フェミニズムも大衆的な運動となり、男性優位の社会構造に疑問を投げかけ、職場や家庭での平等を求める女性が増え、この状況は、女性アーティストたちが抱いていた問題意識を社会に発信することを促した。本展では、こうした時代背景を起点とする1970年代から現代までの映像表現を、作品鑑賞の補助線となるいくつかのキーワードを通じて紹介している。

会期:2025年2月11日~6月15日
会場:東京国立近代美術館2F ギャラリー4
住所:千代田区北の丸公園3-1
開館時間:10:00〜17:00(金土〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 500円 / 大学生 250円、[金土は17:00以降割引]一般 300円 / 大学生 150円

「ラーメンどんぶり展」(21_21 DESIGN SIGHT

展示風景より

 21_21 DESIGN SIGHTで企画展「ラーメンどんぶり展」が6月15日まで開催されている。レポート記事はこちら

 本展は、グラフィックデザイナーの佐藤卓とライターの橋本麻里が2012年から取り組んでいる美濃焼に関するプロジェクトのひとつである「美濃のラーメンどんぶり展」をきっかけとしている。メン丼とレンゲをデザインする「アーティストラーメンどんぶり」に新作10点を加えた、全40点のオリジナルラーメン丼を展示。加えて、プロジェクト初の試みとなる建築家・デザイナー3組の設計による「ラーメン屋台」も紹介されている。

会期:2025年3月7日〜6月15日
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
住所:東京都港区赤坂9-7-6(東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)
電話番号:03-3475-2121
開館時間:10:00~19:00 ※入場は18:30まで
料金:一般 1600 円 / 大学生 800円 / 高校生 500円 / 中学生以下無料

「酒呑童子ビギンズ」(サントリー美術館

展示風景より、狩野元信《酒伝童子絵巻 上巻》(1522)

 サントリー美術館で「酒呑童子ビギンズ」が6月15日に終了する。レポート記事はこちら

 本展では、数多ある酒呑童子絵巻のはじまりや、酒呑童子の知られざる出生譚、はじめての大規模展示など、様々な「はじまり」を紹介。数ある酒呑童子絵巻のなかでも、後世に多大な影響を与えた古例として有名な、重要文化財狩野元信筆『酒伝童子絵巻』(サントリー本)を本展では、サントリー美術館史上最大規模に広げて展示している。加えて、能「大江山」(替之型)の酒呑童子初登場場面など、サントリー本の図様が能の演出にも影響した可能性を紹介する展示室内の映像展示も見どころだ。

会期:2025年4月29日〜6月15日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウンガレリア3階
開館時間:10:00~18:00(金、5月3日〜5日、6月14日は~20:00) ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1700円 / 大学生 1200円 / 高校生 1000円 / 中学生以下 無料 / 障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介助の方1名様のみ無料

「創造と破壊の閃光」(GYRE GALLERY

展示風景より

 GYRE GALLERYで、草間彌生と3名の現代アーティストによるダイアローグ展「創造と破壊の閃光」が6月15日に閉幕する。レポート記事はこちら

 57年に渡米した草間は、展示空間全体を体感させる巨大作品を次々発表し、過激な反戦運動やパフォーマンスを繰り広げることで、マスメディアがベトナム戦争の恐怖を連日報道するアメリカ社会に対して、平和と愛の強烈なメッセージを表現し続けた。絵画、彫刻、デザイン、ファッション、パフォーマンス、映画、小説など様々な分野で活躍し、現在も人間存在の本質的な主題に取り組み、生命の謳歌を世界に向けて発信し続けている。草間の作品と、三島喜美代、谷原菜摘子、坂上チユキの作品を対話させるように構成されている本展をお見逃しなく。

会期:2025年5月14日〜6月15日
会場:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
電話番号:0570-05-6990(ナビダイヤル、11:00〜18:00) 
開館時間:11:00〜20:00 
料金:無料

「超 国宝-祈りのかがやき-」(奈良国立博物館

展示風景より、国宝《観音菩薩立像(百済観音)》(飛鳥時代)

 奈良国立博物館で「奈良国立博物館開館130年記念特別展 超 国宝-祈りのかがやき-」が6月15日まで開催されている。レポート記事はこちら

 奈良国立博物館(奈良博)は1895年4月29日に開館(当時は帝国奈良博物館)して以来、2025年をもって130周年を迎える。本展はこれを記念した奈良国立博物館では初めての大規模な国宝展だ。奈良博や奈良の歴史に関わりの深い国宝を中心に、未来の国宝ともいうべき重要作品など、日本が世界に誇る名品の数々を紹介。国宝約110件、重要文化財約20件を含む約140件の仏教・神道美術を一堂に楽しめる機会だ。

会期:[前期]2025年4月19日~5月18日、[後期]2025年5月20日~6月15日
会場:奈良国立博物館
住所:奈良県奈良市登大路町50番地(奈良公園内)
電話番号:050-5542-8600(ハローダイヤル) 
開館時間:9:30~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 2200円 / 高大生 1500円 / 中学生以下 無料

「日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―」(京都国立博物館 平成知新館

展示風景より、俵屋宗達の国宝《風神雷神図屏風》(江戸時代)

 京都国立博物館で、大阪・関西万博開催記念 特別展「日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―」が6月15日まで開催されている。レポート記事はこちら

 古くから、日本列島では海を介した往来によって異文化がもたらされ、その出会いのなかで様々な美術品がつくり出されてきた。その作品の一つひとつが、豊かな交流の果実であり、いうなれば日本という「るつぼ」のなかで多様な文化が溶けあって生まれたと言える。本展では、弥生・古墳時代から明治期までの絵画、彫刻、書跡、工芸品など、国宝18件、重要文化財53件を含む約200件の文化財を厳選し、日本美術に秘められた異文化交流の軌跡をたどる。

会期:2025年4月19日~6月15日
会場:京都国立博物館 平成知新館
住所:京都府京都市東山区茶屋町527
電話番号:075-525-2473(テレホンサービス)
開館時間:9:00~17:30(金~20:00) ※入館は各閉館時間の30分前まで 
料金:一般 2000円 / 大学生 1200円 / 高校生 700円 / 中学生以下 無料

「日本国宝展」(大阪市立美術館

展示風景より

 大阪市立美術館で、大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展「日本国宝展」が6月15日に閉幕する。レポート記事はこちら

 本展は幅広い時代と多様なジャンルの国宝作品約130件(参考出品を除く)を一堂に集め、日本美術の歴史をたどるもの。絵画では狩野永徳の《唐獅子図屏風》(皇居三の丸尚蔵館収蔵)、長谷川等伯の《楓図》(京都・智積院蔵)のほか、雪舟、円山応挙、伊藤若冲ら日本美術の巨匠の作品を展示。また大阪ゆかりの国宝も数多く出品されており、そちらもお見逃しなく。

会期:2025年4月26日〜6月15日
会場:大阪市立美術館
住所:大阪市天王寺区茶臼山町1-82
電話番号:06-8771-4874
開館時間:9:00〜17:30
料金:一般 2400円 / 高大生 1700円 / 小中生 500円(土・日・祝日は日時指定予約優先制)

「アート・オブ・ザ・リアル 時代を超える美術ー若冲からウォーホル、リヒターへー」(鳥取県立美術館)

展示風景より

 鳥取県立美術館で「アート・オブ・ザ・リアル 時代を超える美術ー若冲からウォーホル、リヒターへー」が6月15日まで行われている。レポート記事はこちら

 鳥取県のコレクションの特徴のひとつに、近世鳥取画壇の写実描写、前田寛治の独自のリアリズム、さらには初期の辻晉堂における写実表現など、様々なリアルに対する試みが見受けらる。本展では、その特色を交えながら、古来より美術の重要なテーマであった「リアル」をめぐる挑戦の軌跡を、江戸/現在、日本/海外などの枠を超えて横断的にとらえなおし、6つのセクションで紹介。鳥取県立美術館でしか体験できないアートとの出会いとなるだろう。

会期:2025年3月30日~6月15日
会場:鳥取県立美術館
住所:鳥取県倉吉市駄経寺町2-3-12
開館時間:9:00~17:00(5月3日、6月14日〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで 
料金:一般 1600円 / 学生 1000円 / 高校生 500円 / 小中学生 300円

「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」(東京ステーションギャラリー

展示風景より

 東京ステーションギャラリーで「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」が6月15日に閉幕する。レポート記事はこちら

 フィンランドのモダンデザイン界で圧倒的な存在感を放つタピオ・ヴィルカラ(1915〜1985)。1940年代後半から50年代にかけて、イッタラ社のデザインコンペ優勝やミラノ・トリエンナーレのグランプリ受賞によってヴィルカラは一気に脚光を浴びた。本展では、エスポー近代美術館、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団およびコレクション・カッコネンから厳選したプロダクトやオブジェ約300点に加え、写真やドローイング(複写)を展示。デザイナー、彫刻家、造形作家としての、繊細にしてダイナミックなヴィルカラの魅力に迫る機会だ。

会期:2025年4月5日~6月15日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
電話番号:03-3212-2485
開館時間:10:00~18:00(金~20:00) (入館は閉館30分前まで)
料金:一般 1500円 / 大高生 1300円 / 中学生以下 無料

「国宝の名刀と甲冑・武者絵 特集展示 三井家の五月人形」(三井記念美術館

八幡太郎義家図 狩野美信筆 江戸時代・18世紀 三井記念美術館蔵

 三井記念美術館で「国宝の名刀と甲冑・武者絵 特集展示 三井家の五月人形」が6月15日まで開催されている。

 江戸時代は「日本一の商人」として、近代以降は日本最大の財閥として発展した三井家は、商人の家系だが、元祖三井高利の祖父三井高安は、戦国時代に近江の佐々木六角に仕えて越後守を名のった武将だった。それがうかがえるのが、三井高安の所持と伝わる甲冑2点で、三井家の先祖を祀った顕名霊社神宝とされてきた。三井家から寄贈された美術品のなかには、国宝・重要文化財の名刀をはじめ武器武具が少なからずある。

 本展では、刀剣・甲冑・弓矢・鉄砲などの武器武具、神話や芸能などを題材とした人形など、おもに近代に製作されたものだが、それぞれ漢字一文字で所持した人を表す「御印」別に展示している。

会期:2025年4月12日~6月15日
会場:三井記念美術館
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)
料金:一般 1200円/大学・高校生 700円/中学生以下無料

今週開幕

松田将英個展「『Great Reset』ーポスト太陽フレア時代における再起動プロトコルー」(マイナビアートスクエア)

展示風景より

 マイナビアートスクエアで、松田将英による新作展示「『Great Reset』ーポスト太陽フレア時代における再起動プロトコルー」が6月11日にスタート。レポート記事はこちら

 本展では、アーティスト・松田将英を迎え、太陽フレアによってあらゆる電子機器のシグナルが途絶えた世界線を描く。コロナ禍における「ソーシャルディスタンス」のように、フレア禍から生まれた「オフラインモード」という新たな社会のかたちを通して、ウェルビーイングの可能性に光をあてる。

 陰謀論を含むタイトルの複層的な意味を、批評性とユーモアでアートの地平に引き寄せる本展は、鑑賞者の一人ひとりが自己理解や世界との関係、他者との共感や違和感に気づくための装置となっている。

会期:2025年6月11日〜8月9日
会場:マイナビアートスクエア
住所:東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー22F
開館時間:11:00〜18:00
休館日:日月祝
料金:無料

「藤田嗣治 × 国吉康雄:二人のパラレル・キャリア―百年目の再会」(兵庫県立美術館

メインヴィジュアル

 兵庫県立美術館で、特別展「藤田嗣治 × 国吉康雄:二人のパラレル・キャリア―百年目の再会」が6月14日に始まる。

 藤田嗣治は、東京美術学校卒業後26歳で単身フランスにわたり、1920年代「素晴らしき乳白色の下地」と称賛された独自の画風によって、エコール・ド・パリの寵児としてフランスでの名声を確立。国吉康雄は16歳で渡米、画才を認められて研鑽を積み、アメリカ具象絵画を代表する画家としての地位をきずいた。

 パリとニューヨークで活躍したふたりの画家は、25年と28年のパリ、30年のニューヨークで接点を持つが、太平洋戦争によりその関係性が破綻。終戦後、49年の10カ月を藤田はニューヨークで過ごすが、現地にいた国吉との再会は叶わなかった。本展では、日本とフランス、日本とアメリカ、二つの祖国を持ったふたりが、それぞれどのような自覚と視座のもと作品を生み出していったのか、通時的かつ共時的に作品を対比させて紹介する。 

会期:2025年6月14日~8月17日
会場:兵庫県立美術館
住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
電話番号:078-262-1011
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月、7月22日、8月12日(7月21日、8月11日は開館)
料金:一般 2000円 / 大学生 1200円 / 高校生以下 無料 / 70歳以上 1000円

「時をかける名刀」(徳川美術館

 徳川美術館で「徳川美術館・蓬左文庫開館90周年記念 夏季特別展 時をかける名刀」が6月14日より開催される。

 大名・尾張徳川家に伝来した名刀のなかには、複数の天下人の手をわたり、戦乱をくぐり抜けてきたというエピソードを持つ刀剣や、戦功や慶事の祝儀に贈られたという縁起の良いエピソードを持つ刀剣が数多くある。

 本展では、徳川美術館の所蔵刀のうち国宝・重要文化財、また古くから名高い名物刀剣を軸として、歴史に名を馳せた武将や大名ら所縁の名刀を展示。歴史的背景の面白さと、刀剣そのものの美しさの両側面から、刀剣の魅力を紹介する。

会期:2025年6月14日~9月7日
会場:徳川美術館
住所:愛知県名古屋市東区徳川町1017
電話番号:052-935-6262
開館時間:10:00~17:00 ※最終入館は16:30
休館日:月 ※祝日の場合は直後の平日
料金:一般 1600円 / 高・大生 800円 / 小・中生 500円
※前期日程の土日祝はオンラインでの事前チケット購入が必要
※詳しくは公式サイトを確認してほしい