2025.5.7

「没後40年 鴨居玲展 見えないものを描く」が美術館「えき」KYOTOで開催。モチーフから読み解くその芸術像

鴨居玲(1928〜1985)の作品を紹介する展覧会「没後40年 鴨居玲展 見えないものを描く」が、JR京都駅ビルの美術館「えき」KYOTOで開催される。会期は5月30日~7月6日。

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 戦後の奇才と称された鴨居玲(1928〜1985)の作品を紹介する展覧会「没後40年 鴨居玲展 見えないものを描く」が、JR京都駅ビルの美術館「えき」KYOTOで開催される。会期は5月30日~7月6日。

 鴨居は1928年石川・金沢生まれ。金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)で宮本三郎に学ぶ。59年から66年にかけてパリ、南米、ローマなどを巡ったのち、68年に日動画廊(大阪)で初の個展を開催。翌年に昭和会展優秀賞、安井賞を受賞した後に再び渡欧し、71年にスペインにアトリエを構え、マドリード、バルデペーニャス、トレドなどに住んだ。その後、パリとニューヨークで個展を開催し、77年の帰国後は神戸にアトリエを構える。84年に兵庫県文化賞を受賞。85年、神戸の自宅で世を去った。

 鴨居は「写実」とは見えないものを描くことであるとし、人間の内面、己の理念を人物像などを描き出した。本展では、自画像の画家と呼ばれた鴨居の初期から晩年までの「自画像」、スペイン滞在時に生まれた「酔っぱらい」、帰国後に新たな挑戦として取り組んだ「女性像」、信仰に対する問いを表現した「教会」といったモチーフに着目し、その芸術像を紹介する。また、『週刊読売』で連載された、陳舜臣のエッセイ『弥縫録 中国名言集』のために手がけた挿絵原画の一部も展示される。