2025.8.18

ユニクロのUTme!が届けるテート・モダン25周年。アーティストが作品に込めたメッセージを普段着に

テート・モダン創設25周年を祝う特別コレクションが、ユニクロのUTme!から登場。8月6日からの2週間、新宿本店・新宿三丁目店の2店舗限定で、伊勢丹新宿店主催の「SHINJUKU ART WEEK」に合わせた特設ポップアップも登場する。

文=肥高茉実

ユニクロ新宿本店のUTme!のテート・モダン特別コレクションのディスプレイ
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 ユニクロ新宿本店は、2024年のオープン以降「新宿から世界へ、世界から新宿へ」というコンセプトを掲げ、新宿を代表する企業や店舗とのコラボレーションによる多彩なTシャツを手がけてきた。今回は新たに、テート・モダン創設25周年を祝う特別コレクションをUTme!で実現。発売日となる8月6日からの2週間は、新宿本店・新宿三丁目店の2店舗限定で、伊勢丹新宿店主催の「SHINJUKU ART WEEK」に合わせた特設ポップアップも登場する。

ユニクロ新宿三丁目店のUTme!のテート・モダン特別コレクションのディスプレイ

  もとよりテートとユニクロは、グローバルなパートナーシップのもと、あらゆる人にアートの魅力を届けることを目的とした様々な活動を行ってきた。今回のUTme!は、テート・モダンが所蔵する世界各地の近現代アート作品への敬意を込めた、アニバーサリーにふさわしい同館の魅力を体感できるコレクションとなっている。

 コレクションを成す全16柄は、Tシャツという媒体に落とし込んだときの親和性や、ジェンダー、国籍を問わず今の時代にマッチするアーティストをテート・モダンと選定。アルベルト・ジャコメッティ、アンディ・ウォーホル、キム・アヨン、ゲリラ・ガールズ、アンリ・マティス、ルイーズ・ブルジョワなど、時代や作風のバリエーションの豊かさが見て取れる。

© 2025 Succession H. Matisse / Artists Rights Society (ARS), New York ©Tate 2025
© courtesy www.guerrillagirls.com ©Tate 2025
Louise Bourgeois, Maman, 1999 © The Easton Foundation / VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York ©Tate 2025

  納期や時間の壁があるなかで、テート・モダン、アーティスト、ユニクロの3者間が納得しながら進めるために、色やデザイン表現を追求したと担当者は振り返る。大判デザインは、生地にインクが固着したようなプリントだと着づらいため、可能な限り柔らかい風合いになるようにこだわって表現。アートに忠実に、複雑な色再現は何度も微調整を重ね、理想の発色を追求したという。

©/®/™ The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc.
Alberto Giacometti, Man Pointing, 1947 © The Estate of Alberto Giacometti/ Artists Rights Society (ARS), New York ©Tate 2025
© Ayoung Kim ©Tate 2025

  ユニクロの新宿2店舗では、それぞれ集客力の高いエリアに専用ディスプレイをつくり、一日あたり数万人の目に触れる見せ場を設計した。さらに伊勢丹ウィンドウでは、今回のTシャツをアートとしてディスプレイ。本来ユニクロの商品とコーディネートを組み合わせたディスプレイが一般的でありながら、今回はアート作品をそのまま取り入れ、グラフィックと映像のみで構成し、アートとファッションを一体化して見せている。

伊勢丹新宿店のUTme!のテート・モダン特別コレクションのディスプレイ

 「アートが持つ自由さと表現の可能性。そこに込められたアーティストの意思やメッセージを、普段着で楽しんでもらいたい」と担当者は語る。近くのユニクロでUTをきっかけに好きなアーティストを見つけたり、数多くのコレクションの中からお気に入りのUTを選び、自分の個性を表現できたりと「あらゆる人の生活をより豊かにするための服」を届けることが、ユニクロならではの切り口だ。担当者は、「これからも様々なアートの魅力をさらに多くの人に届けていきたい」と、今後の展望を語った。

©Tate 2025
© PETER SAVILLE ©Tate 2025

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