2026.10.20

文化の日に観覧無料となる美術館・博物館(2026年版)

11月3日は、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨とする国民の祝日「文化の日」。この日にあわせて、展覧会の観覧無料を実施する美術館・博物館を紹介する。 ※プログラムは変更となる場合があるため、来館の際は各館の公式ウェブサイトを参照してほしい。

国立西洋美術館 外観 写真提供:国立西洋美術館
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東京国立博物館

 東京・上野の東京国立博物館では、11月3日に「東博コレクション展」(通常一般1000円)が無料公開となる。日本美術の名品が集まる本館の「日本ギャラリー」をはじめ、縄文時代から近代までの考古遺物を紹介する平成館の「日本の考古」、中国や朝鮮半島、東南アジアなどの美術・工芸品を展示する東洋館の「アジアギャラリー」など、幅広い時代と地域の文化財に触れることができる。

東京国立博物館 外観 写真提供:東京国立博物館

 また、同館では現在、開創700年記念特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」(〜12月6日)と、特別展「内山晋コレクション受贈記念 歌川広重 江戸のベストアングル」(〜12月20日)も開催中。いずれも入場には別途通常料金が必要だが、あわせて足を運ぶのもよいだろう。

 なお、10月30日〜11月3日には、上野公園で開催される光のイベント「創エネ・あかりパーク®2026」にあわせ、本館の特別ライトアップを実施。11月3日は17時〜18時に点灯し、美しいあかりに彩られた博物館の外観を楽しむことができる。

住所:東京都台東区上野公園13-9
開館時間:9:30~17:00(金土、祝前日の日曜〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで

国立科学博物館

 日本の自然史や科学技術の歩みを紹介する国立科学博物館では、文化の日に常設展示の観覧料(通常一般630円)が無料となる。日本列島の成り立ちや生物の進化、人々と自然との関わりをたどる日本館に加え、地球館では恐竜の全身骨格標本や多様な生物の剥製、科学技術に関する展示などを見ることができる。

国立科学博物館 外観 写真提供:国立科学博物館

 1877年に創立された同館は、2027年に開館150周年を迎える。これに向けて、博物館の歩みを振り返る記念事業や、所蔵する標本・資料の活用を進める取り組みなども計画されている。長年にわたり蓄積されてきた自然史・科学技術史の資料に触れながら、博物館が担ってきた役割に目を向ける機会にもなるだろう。

住所:東京都台東区上野公園7-20
開館時間:9:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで

国立西洋美術館

 国立西洋美術館でも、11月3日は常設展(通常一般500円)を無料で鑑賞できる。実業家・松方幸次郎が収集した「松方コレクション」を礎とする同館では、中世末期から20世紀に至る西洋美術の流れを、絵画や彫刻などの所蔵作品を通して紹介している。モネやルノワール、ピカソらの作品を含むコレクションが見どころだ。

国立西洋美術館 外観 写真提供:国立西洋美術館

 常設展内では、特定の作品やテーマに焦点を当てる小規模な企画展示「コレクション・イン・フォーカス」を実施。「ヴェロニカの聖顔布」の表象や、クリムトとガッレン=カッレラの関係などを取り上げ、所蔵作品を異なる角度から紹介している。また、小企画展「劇場をめぐるイメージ―ドラクロワ、ドーミエからトゥールーズ=ロートレック、クリンガーまで」も開催中だ。

住所:東京都台東区上野公園7-7
開館時間:9:30〜17:30(金土〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで

国立映画アーカイブ

 日本唯一の国立映画機関であり、国内最大のフィルムアーカイブを誇る国立映画アーカイブ。文化の日は、企画展「没後70年 映画監督 溝口健二」(~12月13日)と常設展「NFAJコレクションでみる 日本映画の歴史」(ともに通常一般600円)の双方が無料となる。なお、上映プログラムについては通常通り有料となる。

国立映画アーカイブ 外観 写真提供:国立映画アーカイブ

住所:東京都中央区京橋3-7-6
開館時間(展示室):11:00〜18:30(10月30日は〜20:00) ※入室は閉館の30分前まで

印刷博物館

 東京・小石川に位置する印刷博物館では、企画展「印刷博物館ミニ展示 Polaris -時代を超えた アイコンと絵師-」(〜2027年1月11日、通常一般500円)が開催中だ。クリエイター・Rellaが葛飾北斎の作品に着想を得て、初音ミクをはじめとするピアプロキャラクターズ(クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が手がけるバーチャルシンガー・ソフトウェアのキャラクター6名の総称)とコラボレーションしたミニ展示を無料で楽しめる(関連するグッズ販売およびスタンプ台紙の提供は休止)。

印刷博物館 内観

 あわせて、国内3つのパッケージコンクール受賞作を集めた「現代日本のパッケージ2026」(~2027年1月17日)も見ることができる。

住所:東京都文京区水道1-3-3 トッパン小石川本社ビル
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで

神奈川県立近代美術館 葉山

 1951年に日本初の公立近代美術館として鎌倉に誕生した神奈川県立近代美術館。その葉山館(2003年開館)では、文化の日にあわせて2つの展覧会が無料公開される。銅版画家・駒井哲郎の没後50年を記念した回顧展「銅版画家・駒井哲郎 掌上にひろがる星座のように」(〜11月15日、通常一般1200円)に加え、コレクション展「たそかれ、かはたれ―現代美術における“翳”」(〜11月15日、通常一般250円)もあわせて楽しみたい。

神奈川県立近代美術館 葉山 外観

住所:神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
開館時間:9:30〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで

神奈川県立近代美術館 鎌倉別館

 鎌倉の鶴岡八幡宮の近隣にある神奈川県立近代美術館 鎌倉別館では、「ポーランド・ポスター2 銅版画家渡辺千尋旧蔵品から」(〜2027年1月31日、通常一般250円)が無料公開となる。銅版画家・渡辺千尋(1944〜2009)が収集したコレクションから、1989年の東欧革命前後に活躍したポスター作家4名の作品70点を厳選して紹介。激動の時代背景が反映された、ポーランド・ポスター芸術の奥深い魅力に触れられる機会となっている。

神奈川県立近代美術館 鎌倉別館 撮影:木奥惠三

住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-8-1
開館時間:9:30〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで

横須賀美術館

 設計者である建築家・山本理顕がプリツカー賞受賞を記念したことでも話題を集めた横須賀美術館。11月3日は、「令和8年度第1期所蔵品展 特集:丸山純子 呼吸する庭」、そして「谷内六郎展 月のひかり、星のきらめき 『週刊新潮』表紙絵と絵本『びんのそら』より」(すべて〜2027年1月17日、通常一般450円)が鑑賞無料となる。開放感のある建築や海の眺めとともに楽しみたい。

横須賀美術館 外観

住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1
開館時間:10:00~18:00 ※屋上広場の開場時間は9:00〜19:00

国立工芸館

 金沢の国立工芸館では、19世紀後半のアーツ&クラフツ運動から第二次大戦後の展開までの100年あまりのデザインの流れをたどる展覧会「デザイン・クロニクル展 なにが生まれて、なにが変わった?」(~2027年1月11日、通常一般1200円)を無料で鑑賞することができる。

国立工芸館 外観

 会場では、近代化によって生じた様々な課題に対応するために、工芸から派生して生まれた新しいものづくりの考え方である「デザイン」の確立と変遷に着目。同館のデザインコレクションを中心に、19世紀の工業化による素材や、生産方式の転換、工芸家たちの試行錯誤の歴史を紹介している。

住所:石川県金沢市出羽町3-2
開館時間:9:30~17:30 ※入館は閉館の30分前まで

国立国際美術館

 大阪・中之島の国立国際美術館も、開催中のコレクション展「開館50周年記念プレ企画 コレクション1:私/行為」(〜11月3日、通常一般430円)が入場無料となる。本展は、2027年に開館50周年を迎える同館のプレ企画でもあり、コレクション1では、同館でももっとも古い1890年代制作のポール・セザンヌの作品から、1960年代半ばまでの作品を紹介。この時代の美術における制作の主体としての「私」の確立と揺らぎ、そして制作「行為」のあり方とそれをめぐる言説の変容に注目する。

国立国際美術館 外観 写真提供:国立国際美術館 撮影:増田好郎

住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
開館時間:10:00~17:00(金~20:00)

兵庫県立美術館

 安藤忠雄の美術館建築として知られる兵庫県立美術館では、11月3日の「文化の日」、そして11月14日と15日の「関西文化の日」に、コレクション展が無料となる。

兵庫県立美術館 外観 ©Masaki Tada

 現在開催されているのは、2026コレクション展Ⅱ「前衛って何だ!?」「小企画 美術の中のかたち―手で見る造形 青木野枝 動体」の2つ(ともに〜2027年2月23日、通常一般550円)。「前衛って何だ!?」は、1986年パリで開かれ、日本近現代美術の再評価のきっかけとなった「前衛芸術の日本 1910‒1970」展から40年という節目に、「前衛」について改めて振り返る企画となる。

 また、2025年1月に同館4階「風のデッキ」に《Offering/ Hyogo》を設置した彫刻家・青木野枝(1958〜)を迎え、見ること、触れることを探る「小企画 美術の中のかたち―手で見る造形 青木野枝 動体」もあわせて見ることができる。

住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
開館時間:10:00~18:00 ※入場は17:30まで

広島市現代美術館

 広島市現代美術館では、11月3日に全展示が無料鑑賞可能となる。当日鑑賞できるのは、広島県呉市のアーティスト・千崎千恵夫(1953〜)の1990年以後に制作された作品を紹介する特別展「千崎千恵夫 眼差しの奥にむかって」(10月24日〜12月13日、通常一般1100円)と、コレクション展2026-Ⅱ「美術館の時間_チャプター2:時間の束」(〜2027年1月24日、通常一般350円)だ。

広島市現代美術館 外観 Photo: SATOH PHOTO Kazunari Satoh

 ほかにも同日には、オープン・プログラムとして「小森はるか+瀬尾夏美+プロジェクトメンバー 《11歳だったわたしは 広島編》」や、呉市のアーティスト・平井亨季の新作を展示する「もつれる風景 平井亨季」も見ることができる(ともに〜2027年1月24日)。

住所:広島県広島市南区比治山公園1-1
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで