EXHIBITIONS

第99回企画展

こけしⅡ―遠刈田と土湯・中ノ沢―

天理大学附属天理参考館
2025.07.23 - 09.08
 天理大学附属天理参考館で、第99回企画展「こけしⅡ―遠刈田と土湯・中ノ沢―」が開催される。

 こけしは豊かな森林資源を有する東北地方を代表する木の人形で、ミズキやカエデなどの木をろくろにかけて挽き、伝統的な模様を美しく描きだした愛らしい郷土人形だ。江戸時代に木地師が湯治場のみやげものに作ったのが始まりで、比較的歴史は新しい。

 丸い頭と円筒形の胴という極めてシンプルなかたちだが、東北六県に分布する産地ごとに伝統的な約束事があり、それぞれが個性的と言える。師匠と弟子のあいだで継承されてきた技法の特徴で分けられたその個性を、こけしの世界では「系統」と呼び、現在は12系統に分かれている。

 本展では宮城県の遠刈田系と福島県の土湯系、そして平成30年に土湯系から分かれた中ノ沢系を展示。今回は昭和10年代につくられたものを中心に「対比」の視点で紹介する試みで、師弟間の筆致の違いや同じつくり手の模様の変遷など、様々な角度から紹介する。