「喜如嘉の芭蕉布展」(国立工芸館)開幕レポート。沖縄の織物「芭蕉布」と、復興の立役者・平良敏子の歩みをたどる
国立工芸館で「移転開館5周年記念 重要無形文化財指定50周年記念 喜如嘉(きじょか)の芭蕉布(芭蕉布)展」がスタートした。会期は8月24日まで。

石川・金沢の国立工芸館で「移転開館5周年記念 重要無形文化財指定50周年記念 喜如嘉(きじょか)の芭蕉布(ばしょうふ)展」がスタートした。会期は8月24日まで。担当学芸員は唐澤昌宏(国立工芸館館長)。
芭蕉布は、糸芭蕉(バナナの仲間)の繊維を糸にして織られた「沖縄の風土が生んだ最も沖縄らしい織物」であり、琉球王国時代から現在に至るまでつくり続けられている。しかしその製法は、沖縄本島の大宜味村(おおぎみそん)喜如嘉で伝承されるのみとなっている。
今年は沖縄工芸を広く周知するきっかけにもなった「民藝運動」(1925)から100年を迎える年であり、戦後80年という節目でもある。本展は、ここに沖縄と芭蕉布の復興を重ね合わせ、芭蕉布の技術復興に尽力した染色家で人間国宝の故・平良敏子とその工房の作品を中心に、芭蕉布の歴史的名品12点(国宝5点を含む)と関連資料を含めた計73点を展示。会期中に出展作品を替えながらその魅力を紹介するものとなっている。
