Kaspar Dejong「3 times left」

　LAID BUGで、Kaspar Dejongの個展「3 times left」が開催される。

　アムステルダムを拠点に活動するKasparは、都市景観や人間が公共空間に残した痕跡に焦点をあて、さまざまなメディウムをもちいて作品を制作するアーティスト。これまでにヨーロッパを中心に作品展示を行なっている。

　Kasparは、都市部でのフィールドワークを通じて、ペンキがすり減った壁や路面のひび割れ、経年変化でまだらになったタイルの色など、人間による環境への介入や、人工物の摩耗、自然発生的な変容がもたらす重層的な都市景観をリサーチしている。身近な都市の風景に意図せず残された人間の存在の痕跡からインスピレーション得るだけでなく、作品を構成する重要な要素として取り込み、彫刻やペインティング、インスタレーションへと昇華している。

　日本初個展となる本展では、新作のペインティングとサイトスペシフィックなインスタレーションを発表。仄かな紫や深い土色、不規則に現れるアクセントカラーなど、豊かな色彩表現が特徴的なペインティング作品には、Kasparが独自に精製した顔料が使用されている。本展のタイトル「3 times left」には、都市の風景を漂流し、先入観にとらわれず対象を知覚する「サイコジオグラフィー」のアプローチが表現されている。