「生誕100年 昭和を生きた画家 牧野邦夫 -その魂の召喚-」(茅ヶ崎市美術館)会場レポート。圧倒的な写実表現を極めた画家は、何を描き続けたのか
神奈川県茅ヶ崎市の茅ヶ崎市美術館で、画家・牧野邦夫の生誕100年を記念した展覧会「生誕100年 昭和を生きた画家 牧野邦夫 -その魂の召喚-」が開催中。会期は6月7日まで。会場の様子をレポートする。

神奈川県茅ヶ崎市の茅ヶ崎市美術館で、画家・牧野邦夫(1925~86)の生誕100年を記念した展覧会「生誕100年 昭和を生きた画家 牧野邦夫 -その魂の召喚-」が開催されている。会期は6月7日まで。監修は山下裕二(美術史家/明治学院大学教授)、担当は小澤由季(同館学芸員)。
東京府渋谷区幡ヶ谷に生まれた牧野は、1943年に東京美術学校(現・東京藝術大学)油画科に入学。画家の伊原宇三郎や安井曾太郎の指導を仰ぐも、45年に軍へ招集される。終戦翌年に復学し、卒業。その後、実姉らが運営する「マッコール洋裁学園」の開校に伴い、小田原から茅ヶ崎へ転居。制作に励むかたわら、学園の運営も支えながら日々を過ごした。

牧野邦夫の名を聞いて、その作品を即座に思い浮かべられる人はそう多くないだろう。というのも牧野は卒業後、どこの画壇にも属することなく、個人で作品の発表を続けていたからだ。権威主義の残る戦後の画壇において、多くの若者が欧米の現代美術に傾倒するなか、牧野は17世紀のオランダの画家・レンブラントを敬愛し、独自の写実表現を突き詰め続けた。そのため、美術館への収蔵こそ少ないものの、熱烈な個人コレクターたちの手によってその作品群は収集されてきた。
本展は、2013年に練馬区立美術館で開催された回顧展に端を発するもので、牧野の生誕100年を記念した大規模な展覧会だ。コレクター秘蔵の作品を中心に構成された本展は、昭和という激動の時代を駆け抜けた牧野の画業を振り返るとともに、未だ謎に包まれるその人物像にもせまるものとなっている。






















