「織田コレクション ハンス・ウェグナー展 至高のクラフツマンシップ」(ヒカリエホール)開幕レポート
渋谷のヒカリエホールで、「織田コレクション ハンス・ウェグナー展 至高のクラフツマンシップ」がスタートした。会期は2026年1月18日まで。

東京・渋谷にあるヒカリエホール(渋谷ヒカリエ内)で、「織田コレクション ハンス・ウェグナー展 至高のクラフツマンシップ」がスタートした。会期は2026年1月18日まで。担当学芸員は吉川貴子(Bunkamuraザ・ミュージアム 学芸員)。
デザイン大国の北欧デンマークを代表するデザイナー、ハンス・ウェグナー(1914~2007)は、「ザ・チェア」(1949)や「Yチェア」(1950)など、生涯で500脚以上の椅子をデザインし、20世紀の家具デザインを牽引してきた。本展は、椅子研究家であり北欧を中心とした近代家具のコレクターでもある織田憲嗣と、同コレクションを有する北海道東川町の協力により開催される。ウェグナーの椅子約160点をはじめ、家具やそのパーツ、資料などを展示する過去最大規模の回顧展となっている。
本展開催にあたり、長年ウェグナーの椅子を収集・研究してきた織田は次のように語る。「初めてウェグナーの椅子に出会ったとき、その美しさに魅了され購入した。実際に座ってみると、機能性やオリジナリティにも触れることができ、さらに虜となった。生涯で500を超えるデザインを手がけ、2000枚以上の図面を描いてきたウェグナーの功績について、我々が今日知ることができるのは氷山の一角に過ぎない。しかし、本展では160点もの椅子やテーブル、キャビネット、家具のパーツも含めると200点以上を展示している。デンマーク本国でもなかなか見ることができないこの規模の展覧会を通じて、彼が成したデザインの系譜を読み取っていただきたい」。
また、会場構成を手がけた建築家の田根剛はこう語る。「北欧デザイン、とくにデンマークの家具は圧倒的に水準が高く、その頂点がウェグナーだと思う。木材に対する敬意や、ジョイントなど細部への配慮が随所に表れているのも特徴だ。狭い分野で活躍したデザイナーではあるが、その考え方には深い奥行きが感じられる」。

























