BUGで「BLACK POINT」が開催へ。韓国の現代アーティストたちが探る「黒」の可能性
アートセンターBUGで、韓国のSahng-up Galleryを迎えて行う「黒」をコンセプトとしたグループ展「BLACK POINT」が開催される。会期は9月4日〜15日。

東京駅八重洲南口すぐに位置するアートセンターBUGで、韓国のSahng-up Galleryを迎えて行う「黒」をコンセプトとしたグループ展「BLACK POINT」が開催される。会期は9月4日〜15日。
Sahng-up Galleryとは、ソウルに2つのスペースを有するギャラリーで、持続的な活動のための商業的視点と、新進アーティストの実験的な取り組みを歓迎する非営利的視点のバランスを取りながら運営を行っている点が特徴だ。この複数の視点からアート業界のエコシステムを育もうとする活動は、展覧会や公募プログラム、労働環境の整備など様々な面から、アーティスト/アートワーカーの持続的なキャリア支援を志すBUGと考え方に通ずる部分があるという。


同展は、このふたつの活動が互いに示唆を得る機会として企画されたものとなる。キュレーターには、Sahng-up Galleryの設立・運営に携わってきたヤン・チャンジェを迎え、キム・ジミン(1993〜)、チョン・ソンジン(1987〜)、チョン・ヨングク(1972〜)、チェ・ソン(1973〜)、Area Park(1972〜)といった、韓国の現代アートシーンを牽引する5名のアーティストを紹介。その新作を展示するとともに、「黒」という絶対的な色彩に焦点を当て、現代アーティストたちの感覚的解釈と実験的姿勢を照らし出すことを試みるものとなる。
「絶対的な黒」をめぐるアーティストたちの感覚的実験
黒はすべての色を吸収した末にたどり着く「完全な無」である一方で、光を受けることで強い反射を起こし、白のように見えることもある。このように黒は、色の三原色(CMY)をすべて混ぜ合わせた物質的な色でありながら、光の三原色(RGB)が作用することで白に転じる可能性も含んでいる。吸収と反射、闇と光、物質と光という二重の構造の中で、黒は単なる不在ではなく、すべての色を内包する潜在的な状態として、感覚と知覚の境界を横断する哲学的な空間として機能する。
(中略)
本展は、こうした絶対的な色彩としての黒に着目し、それに対する作家たちの感覚的解釈と実験的態度を照らし出すことを目的としている。
(プレスリリース「キュレーター ヤン・チャンジェからのコメント」より一部抜粋)



なお、同展のプレイベントとして、アジアのアートシーンにフォーカスしたイベントも開催予定。今後、BUGでは海外のスペースやアーティスト/アートワーカーとの交流を通じ、新しい展開を模索していくという。

