2026.5.13

「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ 2026」の大賞にジョンジン・パク

クラフトマンシップを顕彰するため、2016年にロエベ ファンデーションによって設立された「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ」。今年の大賞と特別賞受賞者が発表された。

大賞となったジョンジン・パク《Strata of Illusion》(2025)
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 2016年にロエベ ファンデーションが設立した「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ」。今年の大賞がジョンジン・パク(韓国)の《Strata of Illusion》(2025)に決定した。

 このプライズは「ロエベ」のクリエイティブ・ディレクターで、ジョナサン・アンダーソンが考案したもの。今日の文化におけるクラフトの重要性を認識し、顕彰することを目的としている。今年は133の国と地域のアーティストから5100点を超える応募があり、そのなかから、選考委員会によって19の国と地域から選ばれた30名のファイナリストが選ばれた。

ジョンジン・パク

 大賞を受賞したジョンジン・パクは1982年生まれの陶芸家。現在はソウル女子大学校助教授を務める。対象となった《Strata of Illusion》は椅子状のフォルムをしており、「制御」と「崩壊」の間の緊張関係を探求した作品。色付きの磁土を塗布した数千枚に及ぶ紙を積層し、高密度かつ直線的な量塊として形成された。焼成の過程で紙は燃え尽き、熱と重力によって構造は沈み込み、歪んだフォルムが創出されたという。

 なお特別賞には、ババ・ツリー・マスター・ウィーバーズ(メアリー・アナバ、チャリティー・アベアマ・アトゥア、クリスティアナ・アナバ・アコルポカ、アサキロロ・アドゥコ、メアリー・アインボグラ、テニ・アイネ、スボロ・アイネ、プンカ・ジョー)×アルバロ・カタラン・デ・オコンによる《Frafra Tapestry》(2024)、グラツィアーノ・ビジンティンの《Collier》(2025)の2点が選ばれた。

ババ・ツリー・マスター・ウィーバーズ(メアリー・アナバ、チャリティー・アベアマ・アトゥア、クリスティアナ・アナバ・アコルポカ、アサキロロ・アドゥコ、メアリー・アインボグラ、テニ・アイネ、スボロ・アイネ、プンカ・ジョー)×アルバロ・カタラン・デ・オコン《Frafra Tapestry》(2024)
グラツィアーノ・ビジンティン《Collier》(2025)

 今年のファイナリストには日本から、京都を拠点とするタペストリー作家・中平美紗子(1992年生まれ)、金沢在住で漆を現代的に解釈する田中信行(1959年生まれ)、富山を拠点にフォーヴィスムと日本の「間」の概念から着想を得た作品を手がけるガラス作家・吉積彩乃(1991年生まれ)が選出されていた。全ファイナリストの作品は、6月14日までナショナル・ギャラリー・シンガポールで展示されている。

ファイナリスト展の様子
ファイナリスト展の様子
ファイナリスト展の様子