2025.8.22

ロエベがジョセフ&アニ・アルバースと初のコラボ。作品を“翻訳”して生まれたアイテムに注目

ロエベがFW25メインコレクションにてジョセフ・アンド・アニ・アルバース財団とのコラボレーションを果たした。

前へ
次へ

 画家、デザイナー、そして美術教師として知られるジョセフ・アルバース(1888〜1976)と、その妻で織物やデザインで知られるアニ・アルバース(1899〜1994)。この両者の作品と、ロエベが見事なコラボレーションを果たした。

 ドイツで生まれたジョセフ・アルバースは、造形学校のバウハウスで学び、のちに教師となって基礎教育を担当した。同校の閉鎖後は渡米し、ブラックマウンテン・カレッジや、イェール大学に勤務。戦後アメリカの重要な芸術家たちを育てた。また自身も生涯にわたり探究を続け、バウハウス時代のガラス作品から、家具や食器などのデザイン、絵画シリーズ「正方形讃歌」に至る多様な作品群を制作。2023年には、DIC川村記念美術館で企画展「ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室」が開催されたことは記憶に新しい。

 今回のコレクションで、主な着想源になったのは、ジョセフ・アルバースの「Homage to the Square」シリーズに見られる入れ子式に重なった正方形や色彩のブロックだ。これらがロエベを代表する様々なバッグなどに引用された。

 いっぽう、アニ・アルバースは、グラフィカルな壁掛け、織物、デザインで知られるテキスタイルアーティスト。版画家、教育者としても評価されており、1949年、ニューヨーク近代美術館で個展を開催した最初のテキスタイルアーティストでもある。

 ロエベはアニの二次元の複雑な生地をロエベのフィルターを通して三次元のレザーバッグに落とし込むために、厚みやテクスチャーに取り組むことからスタート。アニの熟練した織りを尊重するため、生地はすべて部分的に手作りにこだわった。手作業で「ドット」を織りに加えたり、ねじれを組み込んだりすることで、彼女のタペストリーの重要な要素であるグラデーション、鮮やかな色のブレンド、小さなタッチまで、作品に完璧にマッチするように研究を重ねて再現されたという。今回のコレクションでは、4点の作品と無題のテキスタイルサンプルが参照元となっている。

 これらのコレクションは、8月28日より店舗およびオンラインにて展開。アートファンは要チェックだ。