2025.7.15

「TAKANAWA GATEWAY CITY」の文化創造棟「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」が来春開館。青森県立美術館との共働も

今年3月に街開きした高輪ゲートウェイ駅に隣接する再開発地区「TAKANAWA GATEWAY CITY」。ここに26年春に開業する総合文化施設「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」の詳細が発表された。

MoN Takanawa: The Museum of Narrativesの完成イメージ
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 今年3月に街開きをした、東京・港区の高輪ゲートウェイ駅に隣接する再開発地区「TAKANAWA GATEWAY CITY」。ここに来春オープンするのが、総合文化施設「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」だ。

 建築は地上6階、地下3階の低層建築。地下3階には約1200人収容のライブ・パフォーマンス空間「BOX1000」が、地下2階には開催中のプログラムや参加クリエイターに関連する書籍やグッズなどのアーカイヴが並ぶ本棚「メディアシェルフ」が誕生する。2階にはDJやパブリックビューイングが開催できるオルタナティブ・スペース「BOX300」、4階には約200平米の畳スペース「TATAMI」を設置。そして5階には約1500平米の展示室「BOX1500」が設置される。

1階エントランスの完成イメージ

 MoN Takanawaでは、こうした館内の様々な空間を使い、テーマ(=問い)に連動した展覧会やライブ・パフォーマンス、日本文化体験、実験的なプログラムなど、未来へつながる問いに出会える体験を展開。舞台装置のデジタル化や制作のプロセスを含めたパフォーマンスをコレクションをすることで、再上演につなげるとともに、来訪者の体験や思い出のアーカイヴ化も目指す。

BOX1500の完成イメージ

 施設のロゴマークはロンドンやニューヨークなどに拠点を持つ独立系デザインスタジオ・Pentagramが担当。MoN Takanawaの外観を想起させ、「M」「O」「N」と読むことができるスパイラル状のシンボルマークを、「太陽の赤」、「大地の緑」、「海の青」の3色で構成した。「100 年先へ文化をつなぎ、常に生まれ変わる場所でありたい」という想いを視覚的に表現したという。

MoN Takanawa: The Museum of Narrativesのロゴマーク

 企画段階から国内外のパートナーとプログラムをつくっていくことも同施設の特徴とされており、その取り組みの一部も発表された。

 松竹との取り組みは「伝統芸能の新しい鑑賞体験の創造」として、歌舞伎が長年の歴史のなかで培ってきた身体性を尊重し、俳優の記録映像と現代のパフォーマンスが融合した舞台作品の上演を目指す。また、身体表現の記録アーカイブを行うとともに、伝統的な演目を題材にした新しい公演の開発も試みるとしている。

©︎ 松竹

 ロンドンの複合文化施設のバービカン・センターとはテーマリサーチやコンセプトメイキング等をともに行い、共同でコンテンツを制作するとともに、展覧会やイベントを企画。青森県立美術館とは、同館に展示されている作品を、Box1000の大型LEDによってダイナミックに再構築し、スケールアップした作品として新たに演出する予定だ。加えて、日本各地の文化拠点を巡回できるプログラムも開発する。

バービカン・センター Photo by Mαx Colson

 なお、本施設で実施するプログラムを企画運営する組織として「一般財団法人JR東日本文化創造財団」も設立されており、開発準備室長には日本科学未来館でキュレーターを務めていた内田まほろが就任している。