2026.9.11

NANZUKAが渋谷アクシュに新スペース。こけら落としは田名網敬一「DO NOT BOMB」

NANZUKAが東京・渋谷駅前の渋谷アクシュ3階に新たなギャラリースペースをオープン。こけら落としとして、田名網敬一の個展「DO NOT BOMB」を9月12日より開催する。会期は10月17日まで。

田名網敬一「DO NOT BOMB」(NANZUKA、2026)展示風景 © Keiichi Tanaami. Courtesy of NANZUKA
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 NANZUKAが、東京・渋谷駅前の「渋谷アクシュ」3階に新たなギャラリー「NANZUKA」をオープン。そのこけら落とし展として、2024年に88歳で逝去した田名網敬一の個展「DO NOT BOMB」が開催される。会期は9月12日〜10月17日。

未発表作品までを紹介

新ギャラリーのロゴは田名網が手がけた © Keiichi Tanaami. Courtesy of NANZUKA

 本展は、田名網が生涯にわたって描き続けた「戦争の記憶」を軸に、1960年代の初期作品から、逝去直前まで制作されていた未発表作品までを紹介するもの。

 1936年生まれの田名網にとって、創作の原点のひとつに幼少期に経験した第二次世界大戦がある。防空壕から見上げた照明弾の光や、その光を反射する水槽の金魚、爆撃の轟音、焼け野原となった戦後の東京。こうした記憶は、その後アメリカンコミックや広告、映画、漫画、特撮など、田名網が大きな影響を受けた戦後のポップカルチャーと混ざり合い、60年以上にわたる独自の創作世界へと展開していった。

田名網敬一「DO NOT BOMB」(NANZUKA、2026)展示風景 © Keiichi Tanaami. Courtesy of NANZUKA

 展覧会タイトルにもなった《DO NOT BOMB》は、国立新美術館で2024年に開催された大規模回顧展の準備期間中に制作された作品だ。1960年代後半にベトナム反戦をテーマに発表した「NO MORE WAR」シリーズの精神を現代へと接続するもので、田名網自身の戦争体験を象徴するという金魚が爆弾へと変容し、画面には「DO NOT BOMB」の文字が大きく掲げられている。いっぽうで、爆発によって飛び散る破片は薔薇の花弁として表されるなど、暴力や恐怖の記憶を鮮烈な色彩やユーモアへと転換してきた田名網の表現が凝縮されている。

田名網敬一「DO NOT BOMB」(NANZUKA、2026)展示風景 © Keiichi Tanaami. Courtesy of NANZUKA

立体や映像も

 会場ではこのほか、未発表の新作ペインティングをはじめ、1960〜70年代のシルクスクリーン、コラージュ、ペインティング、アニメーション作品などを展示。17世紀の解剖学者フレデリック・ライシュの『Thesaurus Anatomicus』に着想を得た《臓器の劇場》(1987)や、生命の営みを象徴した木彫による箱庭作品、コロナ禍以降に取り組んだ「ピカソの悦楽」シリーズ(2020〜24)、近年の立体・映像作品まで、幅広い時代とメディアの作品が一堂に会する。

 個人的な戦争体験と戦後の大衆文化を交錯させながら、変容し続ける「記憶」を作品へと転換してきた田名網。その最晩年の制作から初期作品までを通じ、作家の創作を貫いたひとつの源流をたどる展覧会となる。

田名網敬一「DO NOT BOMB」(NANZUKA、2026)展示風景 © Keiichi Tanaami. Courtesy of NANZUKA
田名網敬一「DO NOT BOMB」(NANZUKA、2026)展示風景 © Keiichi Tanaami. Courtesy of NANZUKA
田名網敬一「DO NOT BOMB」(NANZUKA、2026)展示風景 © Keiichi Tanaami. Courtesy of NANZUKA
田名網敬一「DO NOT BOMB」(NANZUKA、2026)展示風景 © Keiichi Tanaami. Courtesy of NANZUKA
田名網敬一「DO NOT BOMB」(NANZUKA、2026)展示風景 © Keiichi Tanaami. Courtesy of NANZUKA
田名網敬一「DO NOT BOMB」(NANZUKA、2026)展示風景 © Keiichi Tanaami. Courtesy of NANZUKA
田名網敬一「DO NOT BOMB」(NANZUKA、2026)展示風景 © Keiichi Tanaami. Courtesy of NANZUKA