2026.6.4

ダ・ヴィンチ「幻のグラス」を再現する「描かれたヴェネチアン・グラス~箱根ガラスの森美術館コレクション~」が開催。儒烏風亭らでんが音声ガイド

神奈川県箱根町の箱根ガラスの森美術館が、開館30周年を記念した特別企画展「描かれたヴェネチアン・グラス~箱根ガラスの森美術館コレクション~」を開催する。会期は7月18日〜2027年1月11日

レオナルド・ダ・ヴィンチ《カーネーションの聖母》(1475頃) 複製 ミュンヘン アルテピナコテーク © Bayerische Staatsgemäldesammlungen
前へ
次へ

「幻の花器」を再現

 神奈川県箱根町の箱根ガラスの森美術館で、開館30周年記念特別企画展「描かれたヴェネチアン・グラス~箱根ガラスの森美術館コレクション~」が開催される。会期は7月18日〜2027年1月11日。

 西洋絵画に描かれたヴェネチアン・グラスに着目し、美術館所蔵のガラス作品と複製絵画を組み合わせながら、その誕生から黄金期、衰退、復興までの歴史を紹介する本展。最大の見どころとなるのが、レオナルド・ダ・ヴィンチ《カーネーションの聖母》(1475頃)に描かれた花器の再現プロジェクトだ。作中に登場する透明な花器は、当時のガラス製作技術では実現が困難だったとされ、長らく「空想上のガラス器」と考えられてきた。今回はガラス工芸史家ローザ・バロヴィエール・メンタスティの監修と、ヴェネチア・ムラーノ島のガラス作家ダヴィデ・フインの協力により、この「幻の花器」を含む歴史的な作品5点が現代によみがえる。

再現作品のダヴィデ・フイン《レオナルドの花器》(2026)
ガブリエーレ・サルチ《果物、クリスタルガラスと楽器》(1716) 複製 ウィーン リヒテンシュタイン公爵家コレクション ©LIECHTENSTEIN,The Princely Collections, Vaduz-Vienna/SCALA,Florence
再現作品のダヴィデ・フイン《花鳥装飾レース・グラス蓋付ゴブレット》(2026)

展示は全5章構成

 展示は全5章構成。「画家たちが恋したヴェネチアン・グラス」から始まり、高純度の透明ガラス「クリスタッロ」が生まれた15〜16世紀の黄金時代、静物画に描かれたガラス器、ヴェネチアの祝宴文化、そして19〜20世紀の復興までをたどる。絵画に描かれたガラス器と実物の作品を並置することで、ガラスが美術史のなかで果たしてきた役割を多角的に紹介する内容となる。

ジョルジョーネ & ティツィアーノ《田園の奏楽》(1510頃) 複製 ルーヴル美術館 ©New Picture Library / Summerfield Press
《ダイヤモンド・ポイント彫りレース文坏》(16世紀) 箱根ガラスの森美術館
《レース・グラス・コンポート》(17世紀初頭) 箱根ガラスの森美術館
サルヴィアーティ工房《ドルフィン形脚赤色コンポート》(19世紀) 箱根ガラスの森美術館

 開館30周年の節目に開催される本展は、ガラス工芸そのものだけでなく、西洋絵画との関係性からヴェネチアン・グラスを読み解く試みとしても注目を集めそうだ。

 なお本展では、学芸員資格を持つホロライブプロダクション所属のVTuber・儒烏風亭らでんによる無料音声ガイドも実施。全10本、約15分の解説を来館者自身のスマートフォンから聴くことができる。