モネ19点を一挙公開。ポーラ美術館でモネ没後100年展「あたらしい目」が開催
神奈川県箱根町のポーラ美術館で、クロード・モネの没後100年と開館25周年を記念した展覧会「あたらしい目」が開催される。館蔵コレクションと現代作家による作品を交差させ、新たな視点からモネを捉え直すものとなりそうだ。

神奈川県箱根町のポーラ美術館で、クロード・モネの没後100年と、同館の開館25周年を記念した展覧会「あたらしい目」が開催される。


同館は、印象派の巨匠クロード・モネの作品を多数収蔵することで知られ、とりわけ19点に及ぶ油彩画はアジア最大級のコレクションを誇る。本展では、そのコレクションを一挙公開し、初期から晩年に至るモネの画業を通覧できる構成となる。セーヌ河の風景や都市景観、さらには《睡蓮》連作に至るまで、光と時間をめぐる探究の軌跡が浮かび上がる。
本展の特徴は、こうした歴史的作品群にとどまらない。国内外18組の現代作家を迎え、モネの作品と対話するかたちで展示が構成される点にも注目だ。


例えば厳冬のヴェトゥイユで解氷するセーヌ河を描いた《セーヌ河の日没、冬》(1880)とフェリックス・ゴンザレス=トレスの《「無題」(マルセル・ブリアンの肖像)》(1992)をあわせて展示。前者は、最愛の妻カミーユを失い深い悲しみに沈んでいたモネの喪失の感情がそこに映し出されている。いっぽう後者を構成する無数のキャンディの総重量は、作家の亡くなった恋人や家族、身近な人々の体重などに等しく、鑑賞者はそれを持ち帰ることができる。
本展ではゴンザレス=トレスの青いキャンディを、セーヌ河を流れる氷塊に、電球を用いた作品を沈む夕陽に見立てて展示。異なる手法ながら愛する人の不在を見つめ、その不在を作品として結晶化するという。

また本展では、上述のフェリックス・ゴンザレス=トレスのほか、ロニ・ホーンの写真とテキストからなる作品、スーメイ・ツェによる大型のコミッション作品など、モネの絵画と共鳴する新収蔵作品も初公開。モネが提示した「見ること」の革新性を出発点に、現代のアーティストたちがそれぞれの方法で応答し、新たな視覚体験を創出する。
過去と現在、コレクションと新たな創造が交差する本展は、美術館という場における「視覚の更新」を提示する試みでもある。モネの絵画が持つ尽きることのない魅力を、現代のまなざしとともに問い直す展覧会となりそうだ。








