2026.4.17

今週末に見たい展覧会ベスト8。「クサマズ・ポップ」からゴッホの跳ね橋、KYOTOGRAPHIEまで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「クサマズ・ポップ」の展示風景より、草間彌生「黄樹リビングルーム」(2002) © YAYOI KUSAMA
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もうすぐ閉幕

「ポーラ ミュージアム アネックス展 2026」(ポーラ ミュージアム アネックス

 ポーラ ミュージアム アネックスで「ポーラ ミュージアム アネックス展 2026」が4月19日まで開催されている。

 本展は、公益財団法人ポーラ美術振興財団による若手芸術家の在外研修助成事業を背景とし、過去に研修を修了したアーティストを紹介する企画。研修成果の発表の場として位置づけられ、毎年継続して開催されている。

 今回の展示は前期と後期の2部構成で行われる。前期「文様のその先」では、中平美紗子、林樹里、松延総司による作品を通じて、素材や技法、空間といった異なる領域に向き合う表現が紹介された。後期「存在の境界」では、ウチダリナ、黒田恵枝、敷地理が「生と死」という主題を起点に、工芸、造形、身体表現など多様な表現を横断する実践に向き合うことができる。

会期:[後期]2026年3月20日~4月19日
会場:ポーラ ミュージアム アネックス
住所:東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
電話番号:050-5541-8600
開館時間:11:00~19:00(入場は閉館の30分前まで)
料金:無料

「ザドック・ベン=デイヴィッド『セカンド・ネイチャー - Second Nature -』」(GYRE GALLERY

展示風景

 GYRE GALLERYで、ザドック・ベン=デイヴィッドによる個展「セカンド・ネイチャー - Second Nature -」が4月19日まで開催されている。

 ザドック・ベン=デイヴィッドは、ロンドンとポルトガルを拠点に活動するアーティストだ。彫刻やインスタレーション、パブリック・アート作品で知られ、人類の本質と進化に関連のあるテーマを探求してきた。金属を使う作品を多く制作し、粗野な性質を持つ素材と、それによって生み出される繊細な錯視効果の対比を特徴とする。1988年に自国イスラエルを代表してヴェネチア・ビエンナーレに参加するなど、国際展や個展で活動してきた。

 本展は、デイヴィッドの作品から今回の展示のために選ばれた作品群を展示。異なる時期に制作された作品を同じ空間に展示することで、作品間の関連性や意図の変化、繰り返し扱われるテーマを探る。多様な作品を通して、自然界や人間の行動をめぐる主題を提示している。

会期:2026年2月14日~4月19日
会場:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3階
電話番号:0570-05-6990(ナビダイヤル、11:00〜18:00)
開館時間11:00~20:00
料金:無料

「アルフレド・ジャー 和田礼治郎」(SCAI PIRAMIDE)

 SCAI PIRAMIDEで、アルフレド・ジャーと和田礼治郎による展覧会が4月18日に終了する。

 アルフレド・ジャーは、政治的危機や社会構造に関わるテーマをもとに、写真、映像、テキスト、インスタレーションなど多様なメディアをもちいて制作を行ってきた。和田礼治郎は、物質の変容や衝突、環境との関係に着目し、彫刻やインスタレーションを中心に活動している。

 本展では、アルフレド・ジャーと和田礼治郎の作品を同一空間に展示する試み。アルフレド・ジャーのネオン作品《TONIGHT NO POETRY WILL SERVE》(2023/2025)や、1987年のドクメンタで発表した作品をもとに再構成された《1+1+1+1》(2025)に加え、和田礼治郎の新作《PORTAL》(2025)を展示し、光、ガラス、金属といった素材を用いた表現に注目する。展示を通して、両作家の異なる方法論による作品を並置するのが見どころだ。

会期:2026年1月21日~4月18日
会場:SCAI PIRAMIDE
住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル3階
電話番号:03-3821-1144
開館時間:12:00~18:00
料金:無料

今週開幕

「百万石!加賀前田家」(東京国立博物館 平成館

展示の冒頭を飾る《金小札白糸素懸威胴丸具足》(16世紀)

 東京国立博物館 平成館で、前田育徳会創立百周年記念 特別展「百万石!加賀前田家」が始まっている。レポート記事はこちら

 加賀前田家は、初代・前田利家が北陸に領地を得て以来、金沢を本拠に、江戸時代を通じて加賀・越中・能登の3ヶ国、百万石以上の規模を誇る大名家として領国統治を行った。16代・利為は、1926年に育徳財団(現在の前田育徳会)を設立した。

 本展は、前田育徳会の創立百周年を記念し、加賀前田家歴代当主の事績を振り返るとともに、文化事業や旧蔵品を含めた「加賀前田家伝来」文化財の全貌を紹介するもの。戦国期に活躍した初代・前田利家から近代の侯爵前田家に至るまでの系譜を軸に構成し、圧倒的な財力を背景に花開いた加賀文化の全貌を、「武」と「美」「知」の三層から浮かび上がらせる内容となっている。

会期:2026年4月14日~6月7日
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:9:30~17:00(金土・5月3・4・5日〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、4月27日、5月4日は開館)
料金:一般 2300円 / 大学生 1300円 / 高校生 900円

「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」(国立新美術館

展示風景より、オートクチュールが並ぶ4章

 国立新美術館で「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」が開幕した。レポート記事はこちら

 1950年代にキャリアを開始した森英恵は、映画衣装の制作を通じて頭角を現し、61年には雑誌『装苑』にて「ヴァイタル・タイプ」という人物像を提唱。65年のニューヨークコレクションへのデビュー以降、世界を舞台に活動を続けた。

 本展は、オートクチュールのドレスを中心に、資料や映像、初公開作品を含む約400点で構成。森が提唱した人物像「ヴァイタル・タイプ」を軸に、その創作の軌跡と思想、さらには時代との関係性を多角的に検証する。

会期:2026年4月15日~7月6日
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~18:00(金土〜20:00)※入場は閉館の30分前まで
休館日:火(ただし、5月5日は開館)
料金:一般 2200円 / 大学生 1800円 / 高校生 1400円 / 中学生以下・障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料 

「クサマズ・ポップ」(草間彌生美術館

展示風景より © YAYOI KUSAMA

 草間彌生美術館で「クサマズ・ポップ」がスタートした。

 草間彌生の作品は鮮やかで明快な表現から「ポップ」と形容されてきたが、その背景には1960年代ニューヨークで花開いたポップ・アートとの接点がある。いっぽうで、幻覚や強迫観念といった個人的な動機に根ざし、日常のイメージと内なるビジョンを重ね合わせながら独自の作品世界を築いてきた。

 本展では、草間ならではの「ポップ」をテーマに、多彩な創作の広がりを紹介。郵便用ステッカーなど同一の印刷物で画面を埋め尽くすコラージュや、マネキンにマカロニを貼り付けた立体作品を通して、大量消費社会の様相と個人的な衝動が結びついた表現に注目する。また、反復の志向は自画像などにも及び、版画や写真、チラシ、展覧会ポスターといった媒体を通して増殖し流通していく様相を示す。

会期:2026年4月16日~8月30日
会場:草間彌生美術館
住所:東京都新宿区弁天町107 草間彌生美術館
開館時間:11:00~17:30 ※日時指定の予約・定員制(各回90分)。毎月1日10:00(日本時間)に美術館ウェブサイトにて翌々月分のチケット発売開始。美術館窓口での取り扱いなし。チケットは美術館ウェブサイトのみで販売
休館日:月、火、水(祝日の場合は開館)
料金:一般 1100円 / 小学・中学・高校生 600円 / 未就学児 無料

「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち」(宇都宮美術館

フィンセント・ファン・ゴッホ 跳ね橋 1888 キャンバスに油彩 ヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団蔵
Wallraf-Richartz-Museum & Fondation Corboud, Cologne Photo: © RBA, Cologne

 宇都宮美術館で、「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵」展が4月19日から開催される。

 本展は、ドイツ・ケルンのヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団の協力のもと企画されたもの。クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、ポール・セザンヌカミーユ・ピサロといった印象派の巨匠に加え、彼らに影響を与えたバルビゾン派のジャン=フランソワ・ミレーやカミーユ・コロー、さらに新印象主義のポール・シニャックなど、計42名の作家による70点が展示される。

 なかでも注目されるのが、フィンセント・ファン・ゴッホによる《跳ね橋》(1888)だ。同作は南仏アルル時代に跳ね橋を題材に制作された連作の最終作とされ、鮮やかな色彩と巧みなコントラストによって光あふれる風景を描き出す。日本での公開は約10年ぶりであり、栃木県では初の展示となる。

会期:2026年4月19日〜6月21日
会場:宇都宮美術館
住所:栃木県宇都宮市長岡町1077
電話番号:028-643-0100
開館時間:9:30~17:00 ※入館は16:30まで
休館日:月、4月30日、5月7日(ただし、5月4日は開館)
料金:一般 1200円 / 大学生・高校生 1000円 / 中学生・小学生は無料

「KYOTOGRAPHIE 2026」(京都市内各所)

森山大道 Stray Dog, Misawa 1971 From A Hunter © Daido Moriyama/Daido Moriyama Photo Foundation.

 日本を代表する写真祭として定着した「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」が、4月18日〜5月17日に第14回を迎える。今回のテーマは「EDGE(エッジ)」。境界、分断、接触、移ろい、葛藤、未知へ踏み出す瞬間など、多義的な“縁”をめぐる動的な思考を促すキーワードだ。

 今回は、日本、南アフリカ、フランス、バングラデシュ、ボリビアなど、8ヶ国13組のアーティストによるプログラムを展開。京都市内の歴史的建造物や文化拠点が会場となり、街そのものが写真祭として立ち上がる構成は健在だ。多様な思想と美学が交錯する“エッジ”の現場が、春の京都に広がることとなるだろう。

会期:2026年4月18日〜5月17日
会場:京都市内各所