「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」(国立新美術館)開幕レポート。400点の作品と資料で振り返る思想と実践
東京・六本木の国立新美術館で、「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」が始まった。会期は7月6日まで。

日本人として初めてパリ・オートクチュール正会員となり、戦後のファッション界を牽引した森英恵(1926〜2022)。その没後初となる大規模回顧展「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」が、東京・六本木の国立新美術館で始まった。会期は7月6日まで。

本展は、オートクチュールのドレスを中心に、資料や映像、初公開作品を含む約400点で構成。森が提唱した人物像「ヴァイタル・タイプ」を軸に、その創作の軌跡と思想、さらには時代との関係性を多角的に検証する。
第1章 日本の森英恵 ヴァイタル・タイプ
森英恵は1950年代にキャリアを開始し、映画衣装の制作を通じて頭角を現した。戦後の高度経済成長期の日本において、家庭を持ちながらデザイナーとして社会的にも大きな仕事を成し遂げる姿は、新しい女性像の先駆けとして注目されるようになった。そんななか、森が1961年に雑誌『装苑』で新たに提唱したのが、本展タイトルにもなっている「ヴァイタル・タイプ」という人物像だ。

1章は、その「ヴァイタル・タイプ」に焦点を当てるもの。同誌において、ヴァイタル・タイプとは次のように説明されている。「いろいろなものを飾りたて、それを美しいとする時代はすぎ去りました。こういうとぎすまされた生活感覚のなかでは生き生きとし生命力に溢れ、敏捷げに目を光らせた女性が美しく見えるのです。そんな魅力をもった女性をヴァイタル・タイプと名づけてみました。」(ママ)
それは、アーティストであり、働く女性であり、妻であり母でもあるという森自身と重なるものだ。この章では、その雑誌『装苑』をはじめとする当時の取材記事など通して、思想と実践の出発点が検証される。

また、森のキャリアを飛躍させた映画衣装の仕事にも注目。戦後日本の文化産業と密接に結びつきながら、デザイナーとしての基盤を築いていった過程が浮かび上がる。








































