2026.4.10

梅田哲也による新作ツアー型演劇『空洞』が座・高円寺で上演

杉並区立杉並芸術会館「座・高円寺」が2026年度主催公演として、アーティスト・梅田哲也による新作ツアー型演劇『空洞』を上演する。会期は4月29日〜5月17日。

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 杉並区立杉並芸術会館「座・高円寺」が2026年度主催公演として、アーティスト・梅田哲也による新作ツアー型演劇『空洞』を上演する。会期は4月29日〜5月17日。

 梅田は1980年熊本県生まれ、大阪府在住。現地にあるモノや日常的な素材、物理現象としての動力を用いたインスタレーションと、音と空間の関係性を基調としたパフォーマンスを展開するアーティスト。場所や制度に内在する構造に働きかける実践で知られる。2009年の『停電EXPO』(横浜新港ピア)に参加して以降、集団でのクリエーションにも取り組む。11年には関西で3つの個展を開催し、それぞれ異なる形式で回遊型の展覧会を展開。14年の『O才』以降、ツアー型パフォーマンスを様々に実施してきた。

「wait this is my favorite part/待ってここ好きなとこなんだ」上演風景 撮影=金川晋吾

 近年では、ワタリウム美術館でツアー・パフォーマンス型の展覧会「wait this is my favorite part/待ってここ好きなとこなんだ」(2023-24)を開催し、会期中に830回もの上演を記録。また東京都現代美術館の「湿地」(2025–26)では、呉夏枝との協働により、観客が空間を縦横に横断するインスタレーションが展開された。

 本作は、「座・高円寺」という劇場そのものを主役にした、新しいパフォーマンス作品。出演者として、「劇場創造アカデミー」の修了生・在学生や、普段はカフェや事務所で働く、聴者・ろう者のスタッフらが登場する。また、ロビーにおけるインスタレーションとして、キッズスペースやシルクスクリーン工房などを設け、人々が交差し出入りできる空間も創出されるという。梅田は本公演にあわせ、以下のステートメントを寄せている。

 演劇ってなんでしょう。今回「演劇やりませんか」と声をかけられたとき、まず最初に浮かんだのは「みんなでつくるもの」という言葉でした。2020年のパンデミック下、Bunkamuraのシアターコクーンで『プレイタイム』という作品をやっていたときに、キャストの一人が口にした言葉です。そもそも「みんな」ってどういうことですか。
 開館から17年間、「座・高円寺」という劇場に人はどのように関わり、何を媒介してきたか。積み重ねられてきた時間や出来事は、どのように共有され、どう受け渡されていくのか。たくさんの人に話を聞いている途中ですが、あんなことこんなこと、まだまだ知らないことばっかりです。運営体制が新しく変わり、建物も2年後のリニューアルを控えたタイミングで、あらためて、劇場ってなんだろう、演劇ってなんだろう、という根本的な問いから向き合ってみている日々です。
 今と今以外、こことここ以外、どれも同じひとつの場所に放り投げてから、穴をあけてみようと思います。中を覗きこんでみましょう。それもまたきっと、僕たちが知らない世界の出来事です。(梅田哲也)