2026.3.27

伊藤若冲、ゴーギャン、草間彌生が出展。静岡県立美術館で開館40周年記念展が開催

静岡県立美術館で狩野探幽、伊藤若冲、ポール・ゴーギャン、川村清雄、草間彌生などの同館コレクションが展示される「開館40周年記念展 静岡県立美術館をひらく 7つの扉」が開催される。会期は4月25日~6月21日。

展覧会ポスター
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 静岡県立美術館で「開館40周年記念展 静岡県立美術館をひらく 7つの扉」が開催される。会期は4月25日~6月21日。

 同館は、県議会100年事業の一環として1986年に設立。「風景の美術館」をうたい、日本・西洋の風景画を中心に2900点を超えるコレクションを築き、多彩な展覧会を開催してきた。開館40周年を記念する本展では、狩野探幽伊藤若冲、ポール・ゴーギャン、川村清雄、草間彌生をはじめ、コレクションから厳選した作品を手がかりに、美術の世界の広がりを探求する内容となる。

 本展は7つの展示室が会場。同館館長の木下直之と学芸員5名よる共同キュレーションで構成される。

 第1室「美術館とは何だろう」では、中世・江戸・明治の絵馬を中心に、神仏画なども紹介され、美術館とはそもそもどのような存在なのかについて考えさせる内容となる。また名古屋城下の様々な行事を記録した尾張藩士・猿猴庵(えんこうあん、本名:高力種信[こうりきたねのぶ])による作品なども、「猿猴庵が案内する美術館以前の世界」コーナーで紹介される予定だ。

谷文晁 神馬図 1831 浅草寺蔵

 第2室「絵画のかたち、油絵の居場所」では、油絵の「かたち」に着目する。油絵は額縁におさめるもの、という考えは、明治以降に築かれた。本展示室では、「油絵には額縁」という近代絵画においては当然とされている考えについて再考するきっかけをつくり出す。

山本芳翠 猛虎一声 1895 東京藝術大学蔵

 第3室「風景をあつめる」では、ポール・ゴーギャンなどの作品が紹介され、「風景画」について紐解く内容となる。風景画は、人が眺めた世界のすがたを、持ち運べる板やキャンバスに描くことで誕生し、住居や公共空間に飾られてきた。風景画を収集し研究してきたこれまでの歴史で、同館はどのような成果を蓄積したのだろうか。

ポール・ゴーギャン 家畜番の少女 1889 静岡県立美術館蔵

第4〜7室

 第4室「絵画を立体的に観る」では、伊藤若冲による屏風絵が紹介され、平面上に立体を表現するための特殊な描法に着目する。《樹花鳥獣図屏風》は最新のデジタル技術を用いて絵画表面の凹凸を分析。作品に隠された新たな工夫を発見できるような内容になる。

伊藤若冲 樹花鳥獣図屏風(右隻) 18世紀後半 静岡県立美術館蔵
伊藤若冲 樹花鳥獣図屏風(右隻部分)三次元計測画像

 第5室「評価と名画」では、同館が所蔵する富士山をモチーフにした名画を紹介しながら、作品を「評価する」ことへ焦点を当てた内容となる。名画とされてきた作品は、どのような点を評価されてきたのか。具体的な作品とともに名画の評価について迫る。

横山大観 群青富士 1917〜18頃 静岡県立美術館蔵

 第6室「美術家をめぐる物語」では、草間彌生や小池一誠らの作品を紹介しながら、美術家の語られ方や、美術家と作品の関係に注目する。

草間彌生 最後の晩餐 1981 静岡県立美術館蔵 ©︎YAYOI KUSAMA

 第7室「人形と彫刻、ロダンへの道」では、同館所蔵の彫刻作品をはじめとした、人のかたちをかたどった「人形」に焦点が当てられる。

平野富山 マフラーの女 1983頃 静岡市(静岡市美術館管理)

 さらに、開館40周年を迎えた同館の成り立ちを、美術館のアーカイブから紹介する「アーカイブ展示」も開催される。同館の活動やコレクション形成にまつわる事柄を振り返り、未来について考えるきっかけとなる。

 なお本展の開催を記念して、多数の関連プログラムが開催される。同館館長による美術講座「ひらけ美術館―絵馬は絵なのか馬なのか」や、早稲田大学名誉教授の丹尾安典を迎えた講演会「作品の“居場所”をあれこれ考える」、講師にTOPPAN文化事業推進本部の木下悠を迎えた講演会「最新デジタル技術で迫る伊藤若冲《樹花鳥獣図屏風》」(聞き手は同館学芸員の薄田大輔)、彫刻家の鈴木久雄と同館館長による対談「風化をめぐって」など。ほかにも参加型イベントやワークショップも複数開催される。