2025.5.20

新作を含む約75点が展示。彫刻の森美術館で野口哲哉の3年ぶり大型個展が開催

彫刻の森美術館で、「野口哲哉 鎧を着て見る夢 –ARMOURED DREAMER–」が開催される。会期は7月19日~2026年1月12日。

floating man ミクストメディア 2025 Photo:⻑橋睦
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 神奈川・箱根の彫刻の森美術館で、現代の新しい創作表現を紹介するシリーズの第9回として「野口哲哉 鎧を着て見る夢 –ARMOURED DREAMER–」が開催される。会期は7月19日~2026年1月12日。

 野⼝哲哉は1980年香川県生まれ。武具や甲冑、それらを纏った人間をモチーフに絵画や彫刻作品を制作している。すべて樹脂やアクリルでつくられており、「リアリティー」「多様性」などのコンセプトのもと活動している。野口作品のアイコンである鎧兜は「武将を飾った装束」としてではなく、「人間が肉体を守るために作った過去のプロダクト品」。「殻をまとった人間は決して別次元や芝居事の住人ではなく、時代や環境に対応しただけの姿」と考える野口は、過去や現代、未来を生きる人間の姿を肯定的に捉えている。

 主な個展に「野口哲哉展-野口哲哉の武者分類図鑑-」(練馬区立美術館、アサヒビール大山崎山荘美術)「中世より愛をこめて」(ポーラミュージアムアネックス)「鎧ノ中デ - 富山編 -」(森記念秋水美術館)「This is not a Samurai」(高松市美術館群馬県立館林美術館刈谷市美術館山口県立美術館)「野口哲哉展-armoredspace-」(銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM)がある。

 本展では、野口の3年ぶりの大型個展となり、新作を含む初期からの代表作など約75点が公開される。1969年の開館当初の姿をとどめる「彫刻の森美術館 本館ギャラリー」の特性を生かした展示となり、全3つの展示室を回遊する展示構成となる。また同館ならではの野外に広がる森と連動するような構成も見どころのひとつとなるだろう。

GUNMAN ミクストメディア 2025 Photo:長橋睦

 なお、会期初日には2回のアーティストトークが行われる。詳細は展覧会ウェブサイト・SNSで確認してほしい。