写真家ルイジ・ギッリのアジア初美術館個展、東京都写真美術館で開催
東京・恵比寿にある東京都写真美術館で、写真家ルイジ・ギッリの個展「総合開館30周年記念 ルイジ・ギッリ 終わらない風景」が開催される。会期は7月3日~9月28日。

東京・恵比寿にある東京都写真美術館は、今年開館30周年を迎える。その記念展のひとつとして、イタリアの写真家ルイジ・ギッリの個展「総合開館30周年記念 ルイジ・ギッリ 終わらない風景」が開催される。本展はギッリのアジア初の美術館個展となる。会期は7月3日~9月28日。
ギッリは、イタリアのレッジョ・エミリア県スカンディアーノ生まれ。測量技師としてのキャリアを積んだのち、コンセプチュアル・アーティストたちとの出会いをきっかけに、1970年代より本格的に写真制作を始めた。現実世界の複製ではなく、「見られた」視覚的断片によって風景をつくり出すための手段として写真をとらえていたギッリは、主にカラー写真による実験的な写真表現を行ってきた。また写真専門の出版社「プント・エ・ヴィルゴラ(Punto e Virgola)」を立ち上げ、プジェクト大学で写真理論に関する講義を行うなど、多岐にわたる活動を展開している。

日本では、著書『写真講義』をきっかけにその名を知られるようになったが、欧米では個展開催やドキュメンタリー映画の発表など、近年国際的に注目されてきた。ギッリのアジア初美術館個展となる本展では、写真制作の初期である1970年代から晩年にかけての約20年間で制作した約130点が展覧。イタリアや旅先の風景、アーティストのスタジオ、自宅の室内、美術品、看板やポスター、窓や鏡に映る風景など、多様なギッリの視覚的断片によって構成された風景表現を紹介する内容となる。
