EXHIBITIONS

山本一雄 小さな部屋から

奈義町現代美術館ギャラリー
2025.12.13 - 2026.03.01

山本一雄 里路 2023年

 奈義町現代美術館ギャラリーで「山本一雄 小さな部屋から」展が開催される。

 山本一雄は、小学生の頃から絵を描くことに親しみ、就職を迎える年齢になってから本格的に油彩画を始めた。独学で油彩を学び、40代に入ってからは自らの作品が社会でどのように受け止められるのかを確かめるため、公募展への出品を始める。とくに岡山県美術展覧会への出品を創作の目標とし、現在も同展に向けて新作を制作している。

 長島愛生園は日本初の国立ハンセン病療養所であり、山本は30代で入所。ハンセン病が現在では完治しているにもかかわらず、山本はなおこの地に暮らしながら制作を続けている。山本の作品には、長島の海や望郷の想いを映した山々など、日々の生活と深く結びついた風景が多く描かれている。近年では、これまで描いてきた作品のなかのモチーフを断片的に取り出し、それらを共存させた構成をとるようになった。

 本展では、山本の長年にわたる創作を紹介し、その作品に込められた時間と感情に注目する。日々の暮らしの中で描き続けるという行為を通して生まれた絵画の数々を展示し、画家の歩みをたどる。