EXHIBITIONS

池田晃将の螺鈿

銀座一穂堂
2025.09.05 - 09.22

池田晃将 雲上五稜塞香合

 銀座一穂堂で「池田晃将の螺鈿」が開催される。

 池田は1987年千葉県生まれ、石川県金沢市在住。2016年に金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科修士課程工芸専攻を修了し、19年には金沢卯辰山工芸工房漆芸工房を修了している。主な展覧会は「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」(国立工芸館、2023)、「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」(岐阜県現代陶芸美術館、2023)、「ジャンルレス工芸展」(国立工芸館、2022)。

 池田晃将の螺鈿の作品は、日本の伝統工芸の技から始まり現代の科学技術を駆使し、用の美を超えてコンセプトの世界へと進化している。池田は、高校時代に世界遺産保存修復活動に参加してネパールに行った。そのとき見た緻密な建造物の表面装飾に惹かれ、その後もアンコールワットやバクタルの寺院群やケルン大聖堂などの宗教建築を訪れるようになった。

 遠い昔の人間が造った建造物や彫刻に心奪われた池田は、表現の道を模索するなか、情報時代の象徴である数字にたどり着いた。本展では、デジタルを日本の伝統工芸の技である螺鈿に組み入れた池田の新作を紹介する。