EXHIBITIONS

立ち止まり振り返る、そして前を向く|vol.2

河口龍夫、今井祝雄、植松奎二|1970年代

2025.07.19 - 09.20

上|河口龍夫 関係ー電流 1972年〜、中|今井祝雄 この偶然の共同行為を一つの事件として…… 1972年(今井祝雄×倉貫徹×村岡三郎)撮影:夏谷英雄、下|植松奎二 截接ーCutting 1971/1975年

 gallery αMで「立ち止まり振り返る、そして前を向く|vol.2 河口龍夫、今井祝雄、植松奎二|1970年代」が開催される。

 河口龍夫(1940〜)は、鉄・銅・鉛といった金属や、光、熱、土、水、空気、化石、書物などをもちいて、「見えるもの」と「見えないもの」の関係を問うコンセプチュアルな作品を一貫して制作してきた。70年「東京ビエンナーレ」や73年のパリ青年ビエンナーレなど国際展への参加をはじめ、2007年には名古屋市美術館と兵庫県立美術館で同時期に個展を開催するなど、国内外で高く評価されている。

 今井祝雄(1946〜)は、高校在学中から個展を開き、65年に具体美術協会に参加する。「白」を基調にした絵画や立体、モーターをもちいた動きのある作品、光や映像によるインスタレーションなどを制作。「具体」解散後は、写真・映像・音など多様なメディアでの表現を展開し続けている。

 植松奎二(1947〜)は、石・木・布・鉄・ガラスといった素材をもちい、重力・張力・引力といった見えない力を可視化するインスタレーションを数多く手がけてきた。75年からのドイツ滞在を経て、ヴェネツィア・ビエンナーレ日本代表や国内外の彫刻展で受賞。自身の身体や空間を介して「関係」や「構造」を捉える作品を一貫して発表している。

 本企画のキュレーションを手がける大槻晃実(ゲストキュレーター)は、「立ち止まり振り返る、そして前を向く」展について、長年にわたり時代の動向に応答してきたgallery αMの歴史をふまえ、「そんな場所の過去と現在を往来しつつ、作品との対話のなかから鑑賞者が自ら問いを立てて答えを探るような、そしてそれを皆で共有できるような場をつくりたいと思う」と語っている。