OPEN WORLD

　PAAMAで「OPEN WORLD」が開催される。

　本展は、コンテンポラリーカルチャーメディア「New Scale」のキュレーションにより、ソフト・バロック、ピエール・カスティニョーラ、ジェレイ・メナ、八木沢俊樹の4名のアーティストが参加し、それぞれの実践を通して現代社会の複雑さに独自の視点からアプローチ。タイトルの「OPEN WORLD」は、ビデオゲームのオープンワールド形式に着想を得ており、鑑賞者とアーティストの双方が主人公となることで、作品とのインタラクションを通じて無数の物語が立ち上がる構造となる。

　参加アーティストのソフト・バロックは、ベンチやテーブルといった古典的な家具のフォルムに感覚的な違和感を組み込み、多層的な知覚を誘発する。ピエール・カスティニョーラは、日用品を題材に消費文化と知的財産の境界を探り、鋭い批評性を提示。また、ジェレイ・メナの写真作品は、儚い一瞬と永遠の緊張感を同時に内包し、時間の層を可視化する。八木沢俊樹は、陶芸、木彫、デジタル技術を横断的に用いながら、物質と知覚の枠組みを再考していく。

　本展は、鑑賞者が作品と対話しながら新たな物語を紡ぎ、多様な視点が響きあう場となる。視覚文化の未来が開かれる展示のなかで「OPEN WORLD」を体験してほしい。