EXHIBITIONS

SHUTLプロデュース 没入型インスタレーション

長谷川愛「PARALLEL TUMMY CLINIC」

コラボレーター:山田由梨

2025.06.06 - 07.07

メインヴィジュアル

 SHUTLで、長谷川愛による没入型インスタレーション「PARALLEL TUMMY CLINIC」が開催されている。コラボレーターは作家、演出家、俳優、劇団「贅沢貧乏」主宰の山田由梨。なお、本展は2025年2月から3月に開催予定であった企画を延期開催したもの。会場仕様の変更により、当初の計画から一部展示方法が変更された。

 本作は、いまから50年後の未来都市・東京を生きる人々の姿を想像する没入型のメディア・インスタレーションである。バイオアートやスペキュラティヴ・デザインなどの手法によって、生物学的課題や科学技術の進歩をモチーフに、現代社会に潜む諸問題を掘り出す作品を発表しているアーティスト・長谷川愛。今回の作品では、長谷川がこれまで継続して取り組んでいる「人工子宮(PARALLEL TUMMY)」を主題に、鑑賞者が1組ずつタイムラインの指示に従って、SHUTLの空間を移動しながら体験・没入する形式となっている。「人工子宮の活用が一般化された2070年代の東京」を舞台に、鑑賞者自らが東銀座のクリニックで人工子宮の利用を検討するという設定で作品は展開していく。

 この世界観を生み出すにあたり、演劇的なアプローチを担うコラボレーターとして、山田由梨が作品の構想段階から参画。山田は俳優として映画、ドラマ、CMへ出演するほか、小説執筆、ドラマ脚本、監督も手がけてきた。ジェンダーやフェミニズム、多様なセクシュアリティにまつわる社会問題を扱う作品を手がけている山田と、生物学・科学的なアプローチから同様のテーマを見つめる両者のコラボレーションにより、50年後の未来のありようやリアリティを具体的かつ身体的に想像するという鑑賞体験を提供している。

 以下、本作のあらすじとなる。

「2070年代、東京。この都市では人工子宮(PARALLEL TUMMY)の活用が一般化しており、誰でも望めば、自らのもとに新たな生命を迎え入れることが可能になっていた。東銀座の一角にある『PARALLEL TUMMY CLINIC』は、日々そうした人々が相談にやってくることで知られたクリニック。訪問者たちは人工子宮の検討を通じ、この都市における生き方や家族のあり方に対する自らの取捨選択から浮かび上がる、切実な欲求や不安に向きあうことになる」(展覧会ウェブサイトより)。