「PARALLEL MODE オディロン・ルドン ―光の夢、影の輝き」(パナソニック汐留美術館)開幕レポート
近代美術の巨匠、オディロン・ルドンの豊穣な画業をたどる展覧会「PARALLEL MODE オディロン・ルドン ―光の夢、影の輝き」が、パナソニック汐留美術館でスタートした。本展の見どころをレポートする。

パナソニック汐留美術館で「PARALLEL MODE:オディロン・ルドン ―光の夢、影の輝き」が開幕した。会期は6月22日まで。
本展は、昨年岐阜県美術館での開催(2024年9月27日〜12月8日)に続き、ひろしま美術館(1月11日 ~ 3月23日)を経て、最終的に同館へと巡回したもの。世界有数のルドン作品を収蔵している岐阜県美術館から出品される約80点の作品に加え、国内の美術館や個人に所蔵される優品、さらにパリのオルセー美術館所蔵の油彩画と木炭画など、約110点の作品によりルドンの豊穣な画業の全容を紹介する内容となっている。
会場はプロローグと3章で構成。展覧会の監修は、19世紀フランス美術史を専門とし、ルドンに関する著作や論考を多く発表している高橋明也(美術史家/東京都美術館館長)で、担当学芸員は萩原敦子。

ルドンの名前が日本で初めて紹介されたのは、1912年に洋画家の石井柏亭が『早稲田文學』に掲載した評論がきっかけであった。それ以来、ルドンの作品は日本の美術雑誌や書籍で定期的に紹介され、多くの美術愛好家や芸術家たちを魅了してきた。
ルドンの影響を受け、竹内栖鳳や岡鹿之助などの日本画家、洋画家がその作品を所有するようになり、プロローグ「日本とルドン」では、こうした日本人画家が所蔵していたルドンの作品を紹介し、ルドンの日本における受容の歴史をたどる。