人と土の関係を陶芸から問い直す。「2026 台湾国際陶磁ビエンナーレ」が開催中
台湾・新北市立鶯歌陶磁博物館で、「2026 台湾国際陶磁ビエンナーレ」が開催されている。京都国立近代美術館主任研究員の大長智広をキュレーターに迎え、世界21ヶ国59名のアーティストによる85点を通して、人類と土、大地との根源的な関係を見つめ直す。会期は12月27日まで。

台湾・新北市立鶯歌陶磁博物館で、「2026 台湾国際陶磁ビエンナーレ」が開催されている。会期は12月27日まで。
台湾国際陶磁ビエンナーレは2004年に創設。20年以上にわたり、「作品コンペティション」と「キュレーション」を交互に開催する形式をとりながら、陶芸の定義や可能性を探ってきた。4年に一度のキュレーション展は、台湾と世界の陶磁界を結ぶとともに、現代美術の領域にも範囲を広げている。

会場となる新北市立鶯歌陶磁博物館は、台湾有数の陶磁器産地である新北市鶯歌区に位置し、2000年11月に開館した台湾初の陶磁器専門博物館。台湾の陶磁文化に関する調査、収集、保存、研究、展示、教育普及に取り組むとともに、現代陶芸の創作支援や国際交流も積極的に展開してきた。陶磁器産業で200年以上の歴史を持つ鶯歌という土地に根ざしながら、台湾の陶芸文化を国内外へ発信する拠点としての役割を担っている。
陶芸を時代や文化を超える「共通言語」としてとらえる
今年は京都国立近代美術館主任研究員の大長智広をキュレーターに迎え、「人と大地が出会うとき(When Humans Meet the Earth)」をテーマに、世界21ヶ国から59名のアーティストによる85点の作品を紹介。地政学的な緊張や異常気象、AI技術の急速な進展などによって社会が大きく変化するなか、今回のビエンナーレが立ち返るのは、人類と「土」との根源的な関係だ。陶を古くから存在しながらきわめて現代的な素材としてとらえ、形式や技法のみならず、人と土、そして大地との切り離すことのできないつながりを見つめ直す。

キュレーターの大長が着目するのは、粘土が「無定形(amorphous)」の素材であることだ。人類は粘土に触れ、こね、伸ばし、意識的にかたちを与えてきた。さらに窯の火による化学的な変化を経て、粘土は長い時間残り続ける物質へと姿を変える。そこには、それぞれの土地の風土や気候、生活様式とともに培われてきた人類の経験と知恵が刻み込まれている。
こうした特性から、大長は陶芸を孤立した工芸の一分野ではなく、時代や文化を超える「共通言語(common language)」として位置づける。情報が選別され、複雑な物事を自ら判断し、感じ取るプロセスが失われつつある高度情報化社会において、身体を通して物質と向き合う陶芸から、現代社会や人類の存在そのものを問い直すことを試みる。













