2025.7.3

BLUMがロサンゼルスと東京のギャラリー機能を閉鎖へ。「スタジオモデル」への移行を発表

ロサンゼルスや東京に店舗を持つ現代美術ギャラリー・BLUMが、ギャラリーを今年7月末に閉鎖することを明らかにした。

BLUMのティム・ブラム、東京・表参道のBLUMにて=稲葉真

 ロサンゼルスを拠点とする現代美術ギャラリー・BLUMが、ロサンゼルスと東京のスペースを今年7月末に閉鎖することを明らかにしたと、Artnetをはじめとする海外ニュースメディアが報じた。

 同ギャラリーはティム・ブラムとジェフ・ポーにより、BLUM & POEとして1994年にカリフォルニア州のサンタ・モニカで創業。20周年となる2014年には、東京・原宿にスペースをオープンし、東京に展示スペースを持つ国外ギャラリーとしてはもっとも長い歴史を持っていた。ブラムは、89年からは5年間日本で生活し、帰国後は日米のアートシーンの架け橋を築くことを目指すなど、日本との関係も深いギャラリストのひとりといえる。

 いっぽうで、創業時のパートナーであったポーは2023年に退任。ギャラリー名もBLUMへと変更していた。今年の秋、ニューヨークのトライベッカに新しいスペースをオープンし、60年代から現代までの日本美術を紹介する展覧会を企画してたがこちらも白紙となる模様。今後、ギャラリーは常設スペースや契約アーティストを持たず、より柔軟な「スタジオモデル」へと移行し、個別のプロジェクトやコラボレーションを軸とした活動を展開していく予定だという。

 なお、BLUMは今年6月、2024年に逝去した日本のアーティスト・三島喜美代(1932〜2024)のエステートと専属契約を締結したことを発表。11月にはロサンゼルスのBLUMでキャリアを概観する回顧展の開催を予定していたが、こちらも白紙となりそうだ。