2026.1.19

建築設計は隈研吾。「現代の町家」を再解釈するラグジュアリーホテル、「カペラ京都」が春に開業

この春、京都・宮川町に新たなラグジュアリーホテル「カペラ京都」が開業予定だ。運営はカペラホテルグループ。アジアを中心に高い評価を得てきた同グループが、日本では初となる都市型ホテルを京都に構える。

唐破風屋根を特徴とする中庭
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 京都最古の禅寺である建仁寺、そして芸舞妓の稽古場として知られる宮川町歌舞練場からほど近い地にこの春、新たなラグジュアリーホテル「カペラ京都」が開業する。

 シンガポールを拠点とするカペラホテルグループは、シンガポール、シドニー、台北、ウブド、バンコク、ハノイ、上海、海南にラグジュアリーホテルを展開してとり、カペラ京都は日本で初となる都市型ホテルだ。

 建築設計を手がけるのは隈研吾建築都市設計事務所、インテリアデザインはシンガポールを拠点とするブリューイン・デザイン・オフィスが担当する。設計のコンセプトとして掲げられているのは、「現代の町家」だ。

 花街としての歴史を持ち、鴨川にもほど近いこの地域の文脈を踏まえ、建物は低層構成とし、街並みとの連続性が重視されている。ホテル中央には唐破風屋根を特徴とする中庭が配置。ホテルのアプローチは一般的なホテルエントランスとは異なり、祇園を思わせる細い路地や障子越しの光、水音などを織り込んだ。こうしたデザインについて隈は、「地域に根差し、街の人々に親しまれてきた小学校の跡地であるこの場所に『異物』を置くことはふさわしくないと考え、中庭という開かれた空間を設けることで、地域とのつながりを受け継ぎました」とのコメントを寄せている。

 館内は全89室で構成され、スイートルームも含まれる。客室や共用部では、木、和紙、漆といった日本の伝統素材が随所に用いられ、装飾性よりも素材そのものの質感が際立つ設えが志向されている

客室 カペラスイート

 飲食施設としては、シグネチャーレストランのほか、和食レストランやフレンチ・ブラッスリーを併設予定。32席のシグネチャーレストランは、12席のカウンターと20席のラウンジバーを備え、町家の「お茶屋」の趣を現代的に再構築。和食レストランでは、かつて小学校で使用されていた木材や照明をそのまま活かし、京都の素朴で緻密な職人技を継承する。

シグネチャーレストラン

 観光拠点としての利便性のみならず、地域の歴史や都市の記憶をいかに建築として引き継ぐか。カペラ京都統括総支配人 ジョン ブランコは、「カペラ京都では、すべてのデザインが『時間を緩やかにし、感性を研ぎ澄ませ、文化に浸るための舞台』となるよう意図しています。建築とインテリアは体験を包み込むだけでなく、京都の豊かな歴史と、カペラならではのパーソナルなホスピタリティを結びつける“発見の旅”を紡ぎます」と自信を覗かせる。