美術館、若年層へのリーチに課題。半数が「まったく行かない」
国立アートリサーチセンターが、「若年層における美術館やアート全般に対する意識調査」の結果を公表した。

独立行政法人国立美術館に属する国立アートリサーチセンター(センター長:片岡真実)が、「若年層における美術館やアート全般に対する意識調査」の結果を公表した。
調査対象となったのは1都3県(東京 / 神奈川 / 千葉 / 埼玉)および2府4県(滋賀 / 京都 / 奈良 / 大阪 / 兵庫 / 和歌山)に住む15~25歳の男女1800人(高校生以上、同法人が行った「美術館に関する意識調査」の回答者は除外)。
調査では美術館の来館頻度について、「美術館にはまったく行かない」が51.7%ともっとも高く突出。次いで「それ以下(4~5年に1回より低い頻度)」が11.9%、「年に1回程度」が10.3%。若年層の美術館に対する興味関心の薄さが浮き彫りとなったかたちだ。

また初めて美術館に来館した年齢は「6~12歳」が38.1%ともっとも高く、次いで「分からない・覚えていない」が23.2%、「13~15歳」が13.8%。そのきっかけについては、「家族や親に連れられて行った」が52.4%と半数以上を占め、次いで「学校の授業や課外学習で行った」が18.6%、「分からない・記憶にない」が10.7%となっている。このことからも、親世代の美術館への関心が、子供にも大きな影響を与えていることがわかる。
「興味がある・行ってみたい展覧会・イベント」では、「わからない・特にない」が35.7%ともっとも高い数字。次いで「海外の有名な作家や作品に関するもの(例:モネ、ゴッホ、ピカソ、など)」が31.1% 、「マンガ・アニメ・ ゲーム」が29.2%となっている。前者はいわゆる「ブロックバスター」として多くの入場者数を記録することが多く、一般的な興味関心とも一致する。また「マンガ・アニメ・ ゲーム」の比率の高さ、コンテンツビジネスの強さを物語る数字と言えるだろう。
