フランク・ゲーリーによる東アジア初の美術館。「中国医薬大学美術館」が2028年、台湾・台中に誕生
世界的建築家フランク・ゲーリーによる東アジア初の美術館プロジェクト「中国医薬大学美術館」が台湾・台中市でスタートした。

プリツカー賞受賞建築家フランク・ゲーリーが設計を手がける、東アジアで初となる美術館「中国医薬大学美術館(CMU Museum of Fine Arts)」が、2028年に台湾・台中市に誕生する。
この美術館は、同市にある中国医薬大学(CMU)の水湳(スイナン)キャンパス内に新設されるもの。ゲーリーによる設計は、折り重なる金属板と波打つステンレス鋼を主要素材とし、空の光や天候の変化によって刻々と表情を変える建築を意図している。外観は、水彩画が風に揺れるような有機的な印象を与える設計となっている。

ゲーリーは1989年に建築界のノーベル賞とも称されるプリツカー賞を受賞。ステンレスやチタンといった金属素材を用い、それらを大胆に折り曲げ、流動的かつ彫刻的なフォルムを建築に取り入れるスタイルで知られる。97年に完成したスペイン・ビルバオのグッゲンハイム美術館は、現代建築の象徴として世界的に高く評価されている代表作のひとつである。
5月3日には同美術館の起工式が行われた。プロジェクトを主導する中国医薬大学およびその附属医療システムのチェアマン・蔡長海は、「中国医薬大学は、教育と芸術を融合させる新たな知的拠点としての役割を担うことを期待している」とコメントしている。

将来的には、台中市内にあるアジア大学現代美術館との連携に加え、ハーバード大学のフォッグ美術館、スタンフォード大学のカンター・アーツ・センター、オックスフォード大学のアシュモレアン博物館、ケンブリッジ大学のフィッツウィリアム博物館といった、世界的な学術機関との協力関係の構築も計画されている。