2026.6.23

京都国立近代美術館で「ジュエリーは、誰を夢みる」展開催。戦後日本のコンテンポラリー・ジュエリーをたどる大規模展

京都国立近代美術館で、展覧会「ジュエリーは、誰を夢みる」が開催される。会期は10月24日〜2027年1月17日。

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 京都国立近代美術館で、展覧会「ジュエリーは、誰を夢みる」が開催される。会期は10月24日〜2027年1月17日。

 本展は、戦後日本におけるコンテンポラリー・ジュエリーの展開を振り返るもの。専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジのコレクションを中心に、約50年ぶりにドイツから来日する作品群や現代作家の作品を含む約350点を展示。身につける行為そのものに表現が宿るという、ジュエリーの芸術的可能性を探る。

 展覧会では、1964年に設立された日本ジュエリーデザイナー協会(JJDA)の活動を起点に、1970〜80年代の「国際ジュウリー・アート展」、さらに90年代以降の国際交流を通じて発展した日本のコンテンポラリージュエリーの歴史を紹介。素材の価値だけでなく、デザインやコンセプトそのものを重視する考え方が日本に浸透していく過程をたどる内容となる。

出品作家は70名以上

 本展の出品作家は70名以上。オットー・キュンツリ、テッド・ノーテン、ウェンディ・ラムショウら海外の重要作家に加え、伊藤一廣、薗部悦子、いしかわまり、新里明子ら日本を代表する作家たちが名を連ねる。

オットー・キュンツリ ブローチ《スイス・ゴールド》

 なかでも注目されるのは、キュンツリによる《スイス・ゴールド》だ。金塊のように見えるブローチは、実際にはスイスチョコレートの紙箱で制作されたもので、ジュエリーに付与される富や権威の象徴性をユーモアと批評精神をもって問い直す作品として知られる。

テッド・ノーテン《Chisaka's Bag》

 また、ノーテンの《Chisaka's Bag》は、亡き妻が愛用していた指輪をアクリル樹脂に封入した作品であり、ジュエリーが個人の記憶や感情と密接に結びつく存在であることを示す。さらに、いしかわまりの《Love makes blind(愛は盲目)》や、新里明子の《Another Skin》など、アイデンティティやコミュニケーション、身体性をテーマとした作品も紹介される。

 本展は、「本当に似合うジュエリーとは何か」という問いから出発する。ブランドや資産価値ではなく、自らの感情や価値観を表現する手段としてジュエリーを捉え直しながら、その社会的・芸術的な可能性を考察する機会となりそうだ。

 なお本展は島根県立石見美術館(2027年3月20日~6月21日)、山梨県立美術館(2027年7月3日~8月29日)に巡回する。

いしかわまり《Love makes blind(愛は盲目)》
新里明子《Another Skin》