2026.2.27

今週末に見たい展覧会ベスト14。諏訪敦の個展から「浮世絵おじさんフェスティバル」まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「諏訪敦|きみはうつくしい」展示風景より、中央が《汀にて》(2025)
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もうすぐ閉幕

「諏訪敦|きみはうつくしい」(WHAT MUSEUM

展示風景より、中央が《汀にて》(2025)

 東京・天王洲アイルにあるWHAT MUSEUM(ワットミュージアム)で、画家・諏訪敦にとって約3年ぶりとなる大規模個展「諏訪敦|きみはうつくしい」が3月1日まで開催されている。会場レポートはこちら

 本展は、約80点を展示することで諏訪の現在に至るまでの制作活動の変遷を多角的に紹介するもの。うち約30点は、本展のために制作した静物画をはじめとする初公開作品となっている。展示構成はキュレーターの宮本武典が担う。

会期:2025年9月11日~2026年3月1日
会場:WHAT MUSEUM
住所:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号
開館時間:11:00~18:00 ※最終入館は17:00
休館日:月
料金:一般 1500円 / 大学・専門学校生 800円 / 高校生以下無料

「浮世絵おじさんフェスティバル」(太田記念美術館

展示風景より、歌川広重《木曽街道六拾九次之内 三拾 下諏訪》(1836〜37、天保7〜8)

 東京・原宿の太田記念美術館で開催中の展覧会「浮世絵おじさんフェスティバル」が3月1日までの会期となっている。担当は同館上席学芸員の渡邉晃。なお、本展は中山道広重美術館で好評を博した「浮世絵おじさんフェスティバル」展のコンセプトをもとに、新たに構成した展覧会となっている。会場レポートはこちら

 本展は、浮世絵の名所絵などの片隅にいる味わい深い人物「おじさん」たちに着目するもの。太田記念美術館においては2023年の「広重おじさん図譜」以来、約3年ぶりとなる「おじさん」展となる。前後期あわせて150点を超える作品を展示し、浮世絵に描かれた多彩な「おじさん」たちを紹介しつつ、作風も時代も異なる絵師たちの作品が一堂に会している。

会期:[前期]2026年1月6日~2月1日、[後期]2月5日~3月1日
会場:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:30~17:30 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 1000円 / 大学・高校生 700円 / 中学生(15歳)以下 無料

「DOUBLE ANNUAL 2026 遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる?/Long Ways, Long Lies?」(国立新美術館

DOUBLE ANNUAL2026 プレビュー展(京都)展示風景 撮影=顧剣亨

 東京・六本木の国立新美術館で、京都芸術大学と東北芸術工科大学による学生選抜展「DOUBLE ANNUAL2026 ──遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる?/Long Ways, Long Lies?」が3月1日までの会期となっている。本展ディレクターは堤拓也(京都芸術大学担当)、慶野結香(東北芸術工科大学担当)、監修は片岡真実(森美術館館長)。

 本展は、両大学の全学部生と院生を対象に募集・選抜を行い、ディレクターの提示したテーマに応答するかたちで、ディレクターたちと対話を続け、制作指導を受けながら展覧会をつくり上げる実践的な芸術教育プログラム。2022年度から姉妹校である東北芸術工科大学からも学生選抜を行うプロジェクトへと発展させ、京都と山形という2つの異なる地点から「アートになにができるのか」を試みている。

会期:2026年2月21日~3月1日
会場:国立新美術館 3階 展示室3A
住所:東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00~18:00(最終日〜17:30)
休館日:無休
料金:無料

「ガチャガチャ展 in 六本木」(六本木ミュージアム

 東京・六本木にある六本木ミュージアムで、「ガチャガチャ展 in 六本木」が3月2日まで開催されている。

 本展は、ガチャガチャの日本上陸60周年を記念した展覧会。昨年丸ビルホールで開催された「ガチャガチャ展」をもとに、参加メーカーを増やしスケールアップして実施されている。また、新規参加メーカーとして「いきもん」「ベネリック」が加わり、継続参加メーカー11社も新規展示を追加している。

会期:2026年2月6日〜3月2日
会場:六本木ミュージアム
住所:東京都港区六本木5-6-20 六本木ミュージアム
開館時間:10:00〜20:00(最終日~17:00) ※初日および土日祝は全日日時制 ※入場は閉場30分前まで 
休館日:会期中無休 
料金:一般 1500円 / 高校生 1300円 / 小学・中学生 1100円 / 未就学児、障害者手帳をご提示の方と介添者1名まで 無料

「小出楢重 新しき油絵」(府中市美術館

裸女結髪 1927 京都国立近代美術館

 東京・府中の府中市美術館で開催中の「小出楢重 新しき油絵」が3月1日に閉幕する。

 本展では、小出楢重が日本人として油絵を描く在り方を追究した姿勢に注目し、大正から昭和初期にかけての制作を紹介する。会場では、日本女性の体型や肌質を描く裸婦、きゅうりやカボチャを描く静物など、西洋美術由来のテーマを扱った作品を展示。また、代表作が一堂に会する回顧展として作品を展示し、その制作の展開をたどるものとなっている。

会期:2025年12月20日〜2026年3月1日
会場:府中市美術館
住所:東京都府中市浅間町1-3(都立府中の森公園内)
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00〜17:00 ※入場は閉館30分前まで 
休館日:月 
料金:一般 800円 / 高校・大学生 400円 / 小学・中学生 200円 / 未就学児 無料

「ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に」(千葉市美術館

展覧会風景より、プロローグの様子

 千葉市美術館で、開館30周年記念 ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン所蔵「ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に」が3月1日まで開催されている。会場レポートはこちら

 「花鳥版画」とは、花や鳥を主題とした浮世絵を指す。季節のうつろいとともに花や鳥が描かれたこれらの作品は、葛飾北斎歌川広重が活躍した時代に数多く制作された。米国ロードアイランド州に位置するロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(通称・RISD 美術館)には、そんな花鳥版画が大半を占める「ロックフェラー・コレクション」が所蔵されており、本展では同コレクション約700点のうち、163点が紹介されている。

 なお、本展は同館での開催後、山口県立萩美術館・浦上記念館(4月18日~5月31日)、三重県立美術館(6月13日~7月26日)、北斎館(8月8日~10月12日)を巡回する予定だ。

会期:2026年1月17日〜3月1日
会場:千葉市美術館
住所:千葉県千葉市中央区中央3-10-8
電話番号:043-221-2311
開館時間:10:00〜18:00(金土〜20:00)※入場は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 1800円 / 大学生1200円 / 高・中・小学生、障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料

たかくらかずき展「キャラクターはことば」(ハイパーミュージアム飯能)

 埼玉・飯能のハイパーミュージアム飯能で開催中のアーティスト・たかくらかずき(1987〜)による個展「キャラクターはことば」が3月1日に閉幕する。

 本展では会場の内や外に、オニやカッパ、十二支、仏教神道、妖怪変化など、たかくらが生み出すキャラクターの数々が集結し、ストーリーを持つコンテンポラリーアート作品として登場。会場にはPCが設置され、ゲームという形式で実際にプレイして遊ぶことができるものとなる。

会期:2025年11月16日~2026年3月1日
会場:ハイパーミュージアム飯能
住所:埼玉県飯能市宮沢327-6 
開館時間:10:00~17:00 ※最終入館は16:30
休館日:会期中無休
料金:一般 1200円 / 4〜18歳 700円

「工芸と天気展 -石川県ゆかりの作家を中心に-」(国立工芸館

展示風景より、左から番浦省吾《双象》(1972)、番浦省吾《海どり》(1973)

 金沢の国立工芸館で、移転開館5周年記念・令和6年能登半島地震復興祈念「工芸と天気展 -石川県ゆかりの作家を中心に-」展が3月1日まで開催中となっている。担当学芸員は日南日和(国立工芸館 特定研究員)。会場レポートはこちら

 令和6年1月1日に発生した能登半島地震から、まもなく2年が経とうとしている。この災害が人々の生活や地域文化、産業にもたらした被害は甚大であり、いまも復興の途上にある。今回の展覧会は、被災地の一日も早い再生を祈念するために企画されたものだ。「工芸と天気」の関わりをテーマに、会場では、松田権六、富本憲吉、木村雨山といった人間国宝18名を含む、石川県ゆかりの作家を中心とした多彩な作品が紹介されている。

会期:[前期]2025年12月9日〜2026年1月18日[後期]2026年1月20日〜3月1日
会場:国立工芸館
住所:石川県金沢市出羽町3-2
電話番号:080-5541-8600 
開館時間:9:30~17:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 1200円 / 大学生 700円 / 高校生 500円

「かみ派の美術―諏訪につどった前衛たち 1969−1974」(長野県伊那文化会館)

 長野・伊那にある長野県伊那文化会館 美術展示ホールで開催中の「かみ派の美術―諏訪につどった前衛たち 1969−1974」が3月1日に閉幕する。

 本展は、1960年代後半から70年代初頭にかけて、長野県諏訪地域に集った前衛的な作家たちの活動を紹介するものだ。当時下諏訪町で活動していた松澤宥を含め、諏訪地域における前衛的な試みを、個々の作家やイベントに着目。作品、写真、書簡、資料などを通じて、それぞれの表現や関係性を示すことを試みている。

 また、「かみ派」という呼称が一部の作家のあいだで用いられていたことを踏まえ、今回の展示では、紙を媒体とした非物質的な表現や記録を手がかりに、当時の活動を整理し紹介している。

会期:2026年1月31日〜3月1日
会場:長野県伊那文化会館
住所:長野県伊那市西町5776 
開館時間:9:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで 
休館日:無休 
料金:一般 500円 / 大学生・75歳以上 300円 / 高校生以下または18歳未満 無料

「中立点|In-Between ―第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示帰国展」(京都市京セラ美術館

第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展⽇本館展⽰⾵景 ©⾼野ユリカ

 京都市京セラ美術館 桜水館で、「中立点|In-Between ―第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示帰国展」が3月1日まで開催されている。

 第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館展示「中立点|In-Between」は、生成AIとの未来を、人間と非人間、環境との「あいだ」に開かれた対話の場として提示した展示であった。作品は、SUNAKI(砂山太一と木内俊克によるユニット)による1階ピロティと外部空間のインスタレーションと、藤倉麻子+大村高広による2階ギャラリー内のインスタレーションのふたつで構成され、相互補完的に組み合わされる構成が試みられた。

 本展では、1933年の美術館創立と同時に建てられた旧事務所棟(現「桜水館」)の改装工事中の空間を利用している。ヴェネチアでの展覧会をキュレーションチームとふたつの作家チームという3つの主体がそれぞれ独立し、別のかたちに置き換えた帰国展となっている。

会期:2026年1月24日〜3月1日
会場:京都市京セラ美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
電話番号:075-771-4334
開館時間:10:00〜18:00  ※入場は閉館30分前まで 
休館日:月
料金:無料

「山本一雄 小さな部屋から」(奈義町現代美術館ギャラリー)

山本一雄 里路 2023

 岡山・奈義町にある奈義町現代美術館ギャラリーで開催中の展覧会「山本一雄 小さな部屋から」展が、3月1日に閉幕する。

 山本一雄(1936〜)は岡山県瀬戸内市にある長島愛生園で暮らしながら、89歳になる現在も毎日自身の表現と向き合いながら絵を描く画家だ。長島愛生園は日本初の国立ハンセン病療養所であり、山本は30代で入所。ハンセン病が現在では完治しているにもかかわらず、山本はなおこの地に暮らしながら制作を続けている。

 本展では、山本の長年にわたる創作を紹介し、その作品に込められた時間と感情に注目。日々の暮らしのなかで描き続けるという行為を通して生まれた絵画の数々を展示し、画家の歩みをたどるものとなっている。

会期:2025年12月13日〜2026年3月1日
会場:奈義町現代美術館ギャラリー
住所:岡山県勝田郡奈義町豊沢441
電話番号:0868-36-5811 
開館時間:9:30〜17:00 ※入館は閉館30分前まで 
休館日:月(ただし祝日の場合は開館)、祝日の翌日(祝日の翌日が土日の場合は開館) 
料金:一般・大学生 200円 / 高校生以下、75歳以上 無料
※常設展をあわせて観覧する場合は、一般・大学生は700円

上原沙也加「前の浜」(MISA SHIN GALLERY

 東京・南麻布のMISA SHIN GALLERYで、上原沙也加の個展「前の浜」が2月28日まで開催されている。

 上原は、写真を用いて個人の経験と社会的・歴史的文脈が交差する地点を主題として制作を行ってきた。本展では、2月22日まで横浜市民ギャラリーあざみ野で開催されていた個展「たとえすべての瓦礫が跡形もなくきれいに片付けられたとしても」と連動して発表される新作シリーズを紹介している。

会期:2026年1月31日〜2月28日
会場:MISA SHIN GALLERY
住所:東京都港区南麻布3-9-11 パインコーストハイツ1階
電話番号:03-6450-2334 
開館時間:12:00〜19:00
休館日:日月祝
料金:無料

今週開幕

やんツー個展「浮遊する器官」(BUG

「浮遊する器官」の展示風景

 AIやセグウェイといったテクノロジーを用いた作品を発表し、進歩主義や資本主義の在り方に対して批判的なまなざしを向けてきたアーティスト・やんツー(1984~)。その新作個展「浮遊する器官」が、東京駅八重洲口直結のアートセンターBUGで開幕した。会場レポートはこちら

 タイトルの「浮遊する器官」とは、現代のテクノロジーを指している。本展を通じてやんツーは、テクノロジーの在り方と、それによって引き起こされる現状に我々がどう向き合うかを問いかけている。会期中には、BUGの7.2メートルにも及ぶ天井高を存分に活かし、AIを搭載したドローンとそれを撃墜しようとする装置たちが対話を重ねる新作を目の当たりにすることができる。

会期:2026年2月25日~4月5日
会場:BUG
住所:東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー1F
開館時間:11:00~19:00
休館日:火 
料金:無料

「飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき」(水戸芸術館現代美術ギャラリー

飯川雄大 デコレータークラブ―配置・調整・周遊 2020 「ヨコハマトリエンナーレ 2020」(PLOT48)での展示風景
Photo: Takehiro Iikawa, courtesy of the artist

 茨城・水戸の水戸芸術館現代美術ギャラリーで、企画展「飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき」が2月28日より開幕する。

 飯川雄大は1981年兵庫県生まれ。2007年より「デコレータークラブ」シリーズを展開し、公共空間や展示の仕組みに着目しながら、観客の身体感覚や想像力、場の偶発性によって変容する作品を制作してきた。代表作には、《0人もしくは1人以上の観客に向けて》《配置・調整・周遊》などがある。

 本展では、これまでの実践を包括的に紹介するとともに、情報の曖昧さや感覚の不完全さを新たな可能性ととらえ、鑑賞者を巻き込む新作インスタレーションを展示する。

会期:2026年2月28日〜5月6日
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
電話番号:029-227-8111 
開館時間:10:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし5月4日は開館) 
料金:一般 900円 / 高校生以下、70歳以上 無料