2026.1.16

今週末に見たい展覧会ベスト12。ヴァン クリーフ&アーペル、小林徳三郎、ルックバック展に「ライシテ」まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル── ハイジュエリーが語るアール・デコ」(東京都庭園美術館)展示風景より
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もうすぐ閉幕

「永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル── ハイジュエリーが語るアール・デコ」(東京都庭園美術館

本館2階 大広間の展示風景より、《ハンドミラー》(1930)など

 東京都庭園美術館で開催中の「永遠(とわ)なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル ── ハイジュエリーが語るアール・デコ」は1月18日まで。会場レポートはこちら。平芳裕子(神戸大学大学院教授)による解説記事はこちら

 ヴァン クリーフ&アーペルは、1906年にパリ・ヴァンドーム広場に創業されたハイジュエリー メゾンである。自然、クチュール、ダンス、空想の世界などから着想を得た詩情豊かな作品群により、世界中で高く評価されている。革新的な「ミステリーセット」技法や、ジップ ネックレス、アルハンブラ モチーフなど、技術と創造性に富んだジュエリーを数多く生み出してきた。

 本展は、1925年の「アール・デコ博覧会」から100周年を迎えることを記念して開催。会場では、メゾンの歴史的コレクション「パトリモニー コレクション」と、個人蔵の作品より選ばれた約250点のジュエリー、時計、工芸品に加え、アーカイブ資料約60点を展示。旧朝香宮邸として知られる東京都庭園美術館の本館では1910〜30年代のアール・デコ期の作品、新館では現代に受け継がれる「サヴォアフェール(匠の技)」を紹介する。

会期:2025年9月27日〜2026年1月18日
会場:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21-9
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00〜18:00
休館日:月(祝日の場合は翌火)、12月28日〜1月4日
料金:一般 1400円 / 大学生 1120円 / 高校生・65歳以上 700円
※日時指定予約制、チケットは来場前に特設サイトで購入

「小林徳三郎」(東京ステーションギャラリー

展示風景より、手前は小林徳三郎《読書》(1936)

 東京ステーションギャラリーで「小林徳三郎」展が1月18日まで開催されている。会場レポートはこちら

 小林徳三郎(1884〜1949)は、1909年に東京美術学校を卒業後、若手による先鋭的な絵画運動として知られるフュウザン会に参加し、雑誌『奇蹟』の準同人として出版活動にも携わった。また、劇団「芸術座」の舞台装飾も担当。洋画家としては院展や円鳥会展に出品し、23年からは春陽展を中心に活動を展開した。40代半ば以降は子供たちをモデルにした作品を多く手がけ、明るい色調の静物などにも取り組んだ。晩年は江の浦(沼津市)などの自然風景を描き、死の直前まで制作を続けた。

 本展は、小林徳三郎の初の大回顧展として、約300点の作品と資料を通してその画業を紹介している。初期には妻となる政子をモデルにしたスケッチや、港や岸辺の風景、見世物など多様な題材を描いた。東京美術学校時代やフュウザン会で出会った仲間たちとともに、油彩・水彩に加え木版やエッチングにも挑戦し、画風を深化させていった。本展では、親交のあった眞田久吉、萬鐵五郎、木村荘八、硲伊之助らの作品もあわせて展示している。

会期:2025年11月22日~2026年1月18日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
電話番号:03-3212-2485
開館時間:10:00~18:00(金~20:00) ※入館は閉館30分前まで 
休館日:月(ただし11月24日、1月12日は開館)、11月25日、年末年始(12月29日~1月2日)
料金:一般 1300円 / 高校・大学生 1100円 / 中学生以下 無料

「北島敬三写真展 借りた場所、借りた時間」(長野県立美術館(本館・東山魁夷館

展示風景より、「A.D.1991」シリーズ

 長野県立美術館で「北島敬三写真展 借りた場所、借りた時間」が1月18日まで開催されている。会場レポートはこちら

 北島敬三は、1975年に「WORKSHOP写真学校」森山大道教室に参加したことを契機に本格的に写真を始めた。翌年、同校の解散を受けて森山らとともに自主運営ギャラリー「イメージショップCAMP」を設立。数々の受賞歴を持つ。80年代以降は東西ベルリン、ワルシャワ、プラハ、ブダペスト、香港、ソウルなどで撮影し、冷戦構造下の都市と人々の姿を記録した。

 91年には旧ソ連取材を経て、それまでのスナップショット中心の制作を一転させ、以降は「PORTRAITS」「UNTITLED RECORDS」など、定点的・連続的な撮影によるシリーズを展開。これらの作品は、震災後の被災地域や日本各地の風景を通して、時間と記憶の層を見つめ直す展覧会だ。

会期:2025年11月29日~2026年1月18日
会場:長野県立美術館
住所:長野県長野市箱清水1-4-4 善光寺東隣
電話番号:026-232-0052
開館時間:9:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:水、年末年始(12月28日〜1月3日)
料金:一般 1000円 / 大学生・75歳以上 800円 / 高校生以下・18歳未満 無料

「オランダ×千葉 撮る、物語る ーサラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴」(千葉県立美術館

展示風景より、サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ「Metropolitan Melanchoria」シリーズ

 千葉県立美術館で「オランダ×千葉 撮る、物語るーサラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴」が1月18日まで開催されている。会場レポートはこちら

 本展は、オランダ出身の若手写真家サラ・ファン・ライとダヴィット・ファン・デル・レーウの作品を日本で初めて紹介する展覧会である。会場では、彼らがニューヨークで制作した「Metropolitan Melancholia」および「Still Life」シリーズを中心に約80点を展示。

 あわせて、千葉にまつわる写真の歴史にも注目し、写真家・小説家として千葉を拠点に活動する清水裕貴のアプローチを通して、千葉ゆかりの古写真や美術館所蔵の絵画コレクションも紹介している。

会期:2025年11月15日~2026年1月18日
会場:千葉県立美術館
住所:千葉県千葉市中央区中央港1-10-1
電話番号:043-242-8311
開館時間:9:00~16:30 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし11月24日・1月12日は開館)、11月25日、12月28日〜1月4日、1月13日
観覧料:一般 1000円 / 高校・大学生 500円 / 中学生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方と介護者1名 無料

今週開幕

「美しいユートピア 理想の地を夢みた近代日本の群像」(パナソニック汐留美術館

展示風景より、中央は《模型 ヒアシンスハウス》(建築=立原道造、模型=文化学園大学種田ゼミ、2025)

 東京・汐留のパナソニック汐留美術館で「美しいユートピア 理想の地を夢みた近代日本の群像」が開幕した。会期は3月22日まで。会場レポートはこちら

 本展では、16世紀イギリスの思想家トマス・モアによる小説『ユートピア』を起点に、近代日本において理想の暮らしや社会を模索した人々の活動を紹介。ウィリアム・モリスの思想に触発され、暮らしと芸術の総合を志向した動きが、20世紀日本においてどのように展開したのかをたどるものだ。

 展示は、白樺派や民藝運動を中心に近代における人間や社会の理想を求めた動向を扱う第1章に始まり、調査研究やフィールドワーク、建築家の活動を取り上げる第2章、芸術家コロニーの交流を紹介する第3章、地域で育まれた実践を追う第4章、戦後における新たな世界像の模索を扱う第5章で構成される。美術、工芸、建築といった分野を横断しながら、20世紀日本における「美しいユートピア」をめぐる試みを、作品資料約170点を通して紹介している。

会期:[前期]2026年1月15日~2月17日、[後期]2026年2月19日~3月22日
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(2月6日、3月6日、3月20日、3月21日は〜20:00)※入館は各閉館時間の30分前まで
休館日:水(ただし2月11日、3月18日は開館)
料金:一般 1200円 / 65歳以上 1100円 / 大学生・高校生 700円 / 中学生以下 無料

開館50周年記念「モダンアートの街・新宿」(SOMPO美術館

展示風景より、松本竣介《立てる像》(1942、神奈川県立近代美術館蔵)

 東京・新宿にあるSOMPO美術館で、開館50周年記念「モダンアートの街・新宿」が開幕した。会期は2月15日まで。会場レポートはこちら

 同館は1976年7月に新宿で開館。本展は、開館50周年を記念し、新宿をテーマとした展覧会である。明治時代末期、新進の芸術家が新宿に集まった。新宿に生きた芸術家がさらに芸術家を呼び込み、近代美術の拠点のひとつとなった経緯がある。

 本展では、中村彝、佐伯祐三、松本竣介、宮脇愛子など、新宿ゆかりの芸術家による作品を紹介し、約半世紀にわたる軌跡に注目。また、50年という時間軸のなかで約40名の作家を取り上げ、新宿に関わる多様な美術表現を紹介している。

会期:2026年1月10日~2月15日
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(金〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、1月13日(ただし1月12日は開館)
料金:一般(26歳以上)1500円 / 25歳以下 1100円 / 高校生以下 無料

「ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に」(千葉市美術館

歌川広重 雪中椿に雀 大判短冊錦絵 1832-35 RISD美術館蔵
Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.

 千葉市美術館で、企画展「開館30周年記念 ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン所蔵 ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に」が開催される。会期は1月17日~3月1日。

 本展では、花や鳥を主題とした浮世絵である花鳥版画を紹介。花鳥版画は、季節の移ろいとともに花や鳥を描いた作品群で、葛飾北斎や歌川広重が活躍した時代に多く制作された。

 米国ロードアイランド州に位置するロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(通称RISD美術館)には、花鳥版画を中心とするロックフェラー・コレクションが所蔵されている。本展では、アビー・オルドリッチ・ロックフェラーによって収集・寄贈された同コレクション約700点のなかから163点を展示。北斎や広重をはじめとする浮世絵師による多様な花鳥版画を通して、作品の主題や表現の広がりを紹介する。

会期:2026年1月17日~3月1日
会場:千葉市美術館
住所:千葉県千葉市中央区中央3-10-8
電話:043-221-2311
開館時間:10:00~18:00(金土~20:00)※入場受付は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし2月23日は開館)、2月24日
観覧料:一般 1800円 / 大学生 1200円 / 小学・中学・高校生 無料

特別展「生誕151年からの鹿子木孟郎 ―不倒の油画道―」(泉屋博古館東京

京都の泉屋博古館での展示風景より

 泉屋博古館東京で、特別展「生誕151年からの鹿子木孟郎 ―不倒の油画道―」が開催される。会期は1月17日~4月5日。

 鹿子木孟郎は、近代日本洋画に写実表現を本格的に導入した洋画家。現在の岡山市に生まれ、天彩学舎や不同舎で洋画を学んだ後、フランスに留学し、ジャン=ポール・ローランスの薫陶を受けた。帰国後は関西美術院や太平洋画会、文部省美術展覧会を中心に活動し、近代日本洋画の発展に寄与した。

 本展では、天彩学舎や不同舎で学んだ初期の素描、渡仏期の作品、帰国後の関西美術院や下鴨家塾での活動を示す作品を展示し、生涯の画業を紹介。また、フランス古典派絵画の写実技法の伝播に注目し、近代日本洋画における写実表現の展開を検証する。

会期:2026年1月17日~4月5日
会場:泉屋博古館東京(東京・六本木)
住所:東京都港区六本木1-5-1
電話:050-5541-8600
開館時間:11:00~18:00(金は〜19:00)(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月、2月24日(2月23日は開館)
観覧料:一般 1500円 / 学生 800円 / 18歳以下 無料

「笹岡由梨子のパラダイス・ダンジョン」(滋賀県立美術館

笹岡由梨子 LOVERS 2024 滋賀県立美術館蔵 Photo by Masanobu NISHINO

 滋賀・大津の滋賀県立美術館で、企画展「笹岡由梨子のパラダイス・ダンジョン」が開催される。会期は1月17日〜3月22日。

 笹岡由梨子は1988年大阪府生まれ。2014年に京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程メディア・アート領域を満期退学した。京都府文化賞奨励賞、咲くやこの花賞、Kyoto Art for Tomorrow 2019―京都府新鋭選抜展最優秀賞などを受賞。現在は滋賀県を拠点に活動している。

 笹岡は2011年から映像をもちいた作品制作を行っており、自身が演じる、あるいは身体の一部をもちいたキャラクターが作品に登場する。初期作品では映像内に存在していたキャラクターは、近年の作品において立体物として空間に配置され、その目や口が映像に置き換えられるなど、映像とキャラクターの関係性が変化している。本展では、初期作品から近年の作品、さらに本展のために制作された新作までを展示し、笹岡の作品における映像とキャラクターの関係性の変遷を紹介する。

会期:2026年1月17日~3月22日
会場:滋賀県立美術館
住所:滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1
電話:077-543-2111
開館時間:9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月(祝日の場合は開館、翌日休館)
観覧料:一般 1300円 / 高校生・大学生 900円 / 小学生・中学生 700円

「ライシテからみるフランス美術ー信仰の光と理性の光」(三重県立美術館)

モーリス・ドニ 聖母月 1907 ヤマザキマザック美術館

 三重・津の三重県立美術館で「ライシテからみるフランス美術ー信仰の光と理性の光」が開催される。

 本展では、フランス共和国の根幹をなす概念である「ライシテ」を手がかりに、フランス近代美術を読み直す。18世紀末のフランス革命以降、人間の理性に光を見出し、王政とカトリック教会による支配を否定する動きと、カトリック国としての伝統を取り戻そうとする動きが対立するなかで、美術もまたその影響を受けて展開してきた。

 本展では、フランス革命期から20世紀半ばまでの油彩画、版画、彫刻など約200点を展示し、王侯貴族や教会の権力から離れ、自立していく美術の歩みを、国内コレクションの作品を通して紹介する。

会期:[前期]2026年1月17日~2月15日、[後期]2026年2月17日~3月22日
会場:三重県立美術館
住所:三重県津市大谷町11
電話:059-227-2100
開館時間09:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月(ただし2月23日は開館)、2月24日
観覧料:一般 1000円 / 学生 800円 / 高校生以下 無料

「劇場アニメ ルックバック展 ―押山清高 線の感情」(麻布台ヒルズ ギャラリー

© 藤本タツキ/集英社 © 2024「ルックバック」製作委員会 ©「劇場アニメ ルックバック展」実行委員会

 麻布台ヒルズ ギャラリーで「劇場アニメ ルックバック展 ―押山清高 線の感情」が開幕した。会期は3月29日まで。

 本展は藤本タツキ原作の劇場アニメ「ルックバック」を監督した押山清高による展覧会で、押山が自ら展覧会を監修し、解説を手がける。

 会場では本作に携わったクリエイターたちが、原作の世界観をどのようにアニメーションとして構築していったかに注目し、マンガ作品が劇場アニメへと展開される過程を紹介。制作の軌跡や表現上の工夫を通して、作品が完成に至るまでの流れをたどる構成となっている。

会期:2026年1月16日~3月29日
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー
住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MBF 麻布台ヒルズ ギャラリー
電話:03-6402-5460(11:00~17:00)
開館時間:10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:会期中無休
観覧料:一般(高校生以上)2500円 / 子供(4歳~中学生)1700円

「VOLATILITY」(ART FACTORY城南島)

 東京・大田区の城南島にあるART FACTORY城南島1F展示場で、市川平、中島崇、河合政之による展覧会「VOLATILITY」が開催される。

 ビデオアーティストとして映像表現の可能性を探る河合政之、現代芸術家として空間表現を展開する中島崇、特殊照明作家として光をもちいた表現を行う市川平。本展では、それぞれが「Volatility(揮発性、流動性)」をテーマに、光・音・映像をもちいたインスタレーション作品を制作・展示する。

 会場ではあわせてゲストを交えたトークや、河合政之および市川平によるライブパフォーマンスを実施する。

会期:2026年1月17日~3月20日
会場:ART FACTORY城南島1F展示場
住所:東京都大田区城南島2-4-10
開館時間:11:00~17:00(※入館は閉館の30分前まで)
休館日:会期中無休
観覧料:無料