今週末に見たい展覧会ベスト10。運慶から「あいち2025」、KOGEI Art Fair Kanazawaまで
今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

もうすぐ閉幕
「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」(東京国立博物館)

東京国立博物館 本館特別5室にて、特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」が11月30日に閉幕する。レポート記事はこちら。
興福寺北円堂は、奈良時代の高官・藤原不比等の一周忌追善供養のため、元明・元正天皇の発願によって721年に建立されたと伝わる。平城京の造営を推進した不比等の霊を慰める場として、都を一望できる伽藍西北隅の一等地に建てられた。その後、幾度もの戦火や災害によって焼失し、現在の建物は鎌倉時代の1210年頃に再建されたもので、現存する興福寺堂宇のなかでは最古の建築である。建築様式は奈良時代の特徴を伝える和様建築の傑作であり、日本に現存する八角円堂のなかでももっとも優美と賞賛されている。
本展では、北円堂の本尊である弥勒如来坐像と、両脇に控える無著・世親菩薩立像、さらに北円堂に安置されていた可能性の高い四天王像の計7軀の国宝仏を、ひとつの空間に集結。とくに弥勒如来坐像の寺外公開は約60年ぶりであり、修理後としては初の公開となっている。
会期:2025年9月9日~11月30日
会場:東京国立博物館 本館特別5室
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
「日本画聖地巡礼2025 -速水御舟、東山魁夷から山口晃まで-」(山種美術館)

山種美術館で、特別展「日本画聖地巡礼2025-速水御舟、東山魁夷から山口晃まで-」が11月30日まで行われている。レポート記事はこちら。
2023年に同館で開催された「日本画聖地巡礼」展では、作品に描かれた風景と、実際の現地写真を並列させるかたちで、画題となった土地や画家ゆかりの地を「聖地」として紹介した。本展はその第2弾にあたる。
本展では、青森・奥入瀬渓流の秋を描いた奥田元《奥入瀬(秋)》、京都・椿寺地蔵院の五色八重散椿をモチーフにした速水御舟《名樹散椿》(重要文化財)、定宿から眺めた京都の町家の情景を描いた東山魁夷《年暮る》など、実在の場所を題材にした日本画の名作が並ぶ。また、山口晃による《東京 1・0・4輪之段》は、皇居を中心に東京を俯瞰して描いた作品で、山種美術館が所蔵して以来、今回が初公開されている。
会期:2025年10月4日~11月30日
会場:山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
料金:一般 1400円 / 大学生・高校生 1100円 / 中学生以下 無料
「ゴッホ・インパクト―生成する情熱」(ポーラ美術館)

神奈川・箱根にあるポーラ美術館で、同館開館以来初となるフィンセント・ファン・ゴッホをテーマとした展覧会「ゴッホ・インパクト─生成する情熱」展が11月30日まで開催されている。レポート記事はこちら。
本展は、ゴッホが芸術家たちに与えた影響の歴史を振り返るとともに、現代を生きるわたしたちにとって「ゴッホ」がいかなる価値を持ち得るのかを検証するものとなる。ゴッホの作品の中から、ポーラ美術館が所蔵する、アルル時代の風景画《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》(1888)、サン=レミ時代に身近な自然を捉えた《草むら》(1889)、そしてオーヴェール時代の静物画《アザミの花》(1890)などが出品。そのほかゴッホから影響を受けた作家たちの作品も多数展示されている。
会期:2025年5月31日〜11月30日
会場:ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:大人 2200円 / 大学・高校生 1700円 / 中学生以下無料


















