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2026.10.17

紅葉の名所と一緒に楽しめる2026年の美術展まとめ(西日本)

10月下旬から12月上旬にかけて全国的に紅葉の季節を迎える。本稿では、西日本における紅葉の名所とともに楽しめる美術館を10ヶ所、2026年秋の最新プログラムとともにセレクトした。※10月18日24時まで、すべての方に全文お読みいただけます。

MIHO MUSEUM (c)MIHO MUSEUM 写真提供:MIHO MUSEUM
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滋賀県立美術館とびわこ文化公園(滋賀)

 滋賀県大津市の自然豊かなびわこ文化公園内に位置する滋賀県立美術館。美術館へと向かう道のりでは、イロハモミジやイチョウなどが色づく、秋ならではの美しい風景に出会うことができる。

びわこ文化公園 写真提供:大津観光フォトライブラリー

 同館では、73歳で初めて絵筆をとった画家・丸木スマの歩みをたどる展覧会「丸木スマ展 73歳からのアーティスト」(〜11月23日)が開催中だ。自然や動物などの様々なモチーフが色彩豊かに描かれたスマの作品は、自分を表現する喜びと人生の可能性を感じさせてくれるだろう。

「丸木スマ展 73歳からのアーティスト」の展示風景より、《簪》(1955) 撮影:編集部

MIHO MUSEUMと湖南アルプス(滋賀)

 湖南アルプスの山間にあり、パリ・ルーヴル美術館の「ガラスピラミッド」で知られる世界的建築家のI.M.ペイが設計を手がけているMIHO MUSEUM。中国・東晋の詩人、陶淵明が漢詩『桃花源記』(421頃)に描いた「桃源郷」の世界をモチーフとしており、トンネル越しに広がる山々の景色や、周辺の木々が赤や黄色に彩られる壮大なロケーションが魅力となっている。

MIHO MUSEUM (c)MIHO MUSEUM 写真提供:MIHO MUSEUM

 秋季特別展「百済寺と近江の仏教美術ー百済寺秘仏公開によせてー」(〜12月6日)は、近江の古刹・百済寺の秘仏が初めて寺外で公開される機会となっている。加えて、同寺に伝わった仏像や絵画をはじめとする文化財の優品や、滋賀県内の金銅仏や木彫仏、天台宗と関わるとみられる絵画などを一堂に展示。秋色に染まる深山で、滋賀の歴史と信仰文化の深みに触れることができる。

《金銅弥勒半跏像》(奈良時代、8世紀) 東近江市指定文化財 百済寺

京都市京セラ美術館/京都国立近代美術館と平安神宮(京都)

 朱塗りの大鳥居が印象的な平安神宮がある京都・岡崎エリア。広大な日本庭園「神苑」をはじめ、背景に佇む東山の山並みが色づくこの文化拠点では、京都市京セラ美術館、京都国立近代美術館といった隣接する2つの美術館を巡りたい。

平安神宮の大鳥居

 京都市京セラ美術館では、日本の染織史において革新的な足跡を残した染織作家・山鹿清華の足跡を振り返る特別展「生誕140年記念 染織家 山鹿清華─宙翔ぶイマジネーション」(〜12月20日)と、禅の思想とジブリ作品の関連性を紐解く「禅とジブリ」展(〜12月6日)が同時期に開催されている。

特別展「生誕140年記念 染織家 山鹿清華─宙翔ぶイマジネーション」(京都市京セラ美術館)の展示風景より、山鹿清華《星座・月・ロケット》(1958) 撮影:編集部
『禅とジブリ』京都展(京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ)の展示風景 ©︎ Studio Ghibli

 向かい合う京都国立近代美術館では、現代ジュエリーの展覧会「ジュエリーは、誰を夢みる」(〜2027年1月17日)が開催中。戦後日本におけるコンテンポラリー・ジュエリーの展開を振り返るとともに、ジュエリーの芸術的可能性を探る。

「ジュエリーは、誰を夢みる」(京都国立近代美術館)の出品作より、新里明子《Another Skin》

福田美術館と嵐山(京都)

 桂川沿いに佇み、対岸に佇む嵐山の雄大な紅葉を借景として取り込む福田美術館。伝統的な京町家を現代の建築として落とし込んだ館内からは、思わず息を呑むような絶景を望むことができる。

嵐山・渡月橋 (c)photoAC

 現在開催中の秋の特別展「愛のカタチ ー幻の春画《稚児草紙》公開ー」(〜2027年1月17日)では、幻の春画《稚児草紙》が特別公開。また、谷文晁や月岡雪鼎、葛飾北斎ら日本の絵師たちによる春画もあわせて展示され、愛や欲望の表現の変遷をたどることができる。

特別展「愛のカタチ ー幻の春画《稚児草紙》公開ー」より、《稚児草紙》(部分、18〜19世紀)紙本着色 撮影:編集部

アサヒグループ大山崎山荘美術館と大山崎山荘 庭園(京都)

 京都と大阪の境に位置する天王山の中腹、英国風の山荘と安藤忠雄氏設計のモダンな「地中の宝石箱」(地中館)が融合するアサヒグループ大山崎山荘美術館。赤く染まるモミジに縁どられた庭園の散歩道が、来訪者の目を楽しませてくれる。

アサヒグループ大山崎山荘美術館 本館外観 写真提供:アサヒグループ大山崎山荘美術館

 同館では、開館30周年を記念した2つの展覧会「ジョルジュ・ルオー ―いつくしむまなざし、祈りの筆あと」(〜12月6日)と、「没後100年 クロード・モネ展」(〜2027年4月11日)が開催中。「地中の宝石箱」(地中館)に常設展示されているモネの《睡蓮》とともに、柔らかな秋の光のなかで名画に没頭したい。

ジョルジュ・ルオー《聖書の風景》(1956頃) アサヒグループ大山崎山荘美術館
クロード・モネ《エトルタの朝》(1883) アサヒグループ大山崎山荘美術館

奈良国立博物館と奈良公園(奈良)

 サクラやイチョウが色づく若草山(三笠山)の豊かな自然と、東大寺や興福寺といった古刹、そして野生の鹿たちが過ごす景色が広がる奈良公園。その一角にある奈良国立博物館は、国宝13件、重要文化財114件を所蔵している。

秋の奈良公園 (c)photoAC

  同館で開催される「第78回 正倉院展」(10月24日〜11月9日)は、正倉院の宝物点検に合わせて開催される秋の奈良を代表する催しだ。本展では、聖武天皇の遺愛品である《紅牙撥鏤碁子》や《紺牙撥鏤碁子》のほか、西方のペルシアに由来する水差しを東アジアの漆工の技術を用いてつくった《漆胡瓶》や、造形美を示す《白瑠璃瓶》、西方起源の葡萄唐草文を精緻に鋳出した《鳥獣花背方鏡》などが出品。天平文化の技術と美意識を結集した宝物の数々が一堂に会する。

大原美術館と倉敷美観地区(岡山)

 白壁の蔵造りや柳並木が続く岡山県倉敷市の倉敷美観地区。同地を基盤に幅広く活躍した実業家・大原孫三郎がこのエリアに設立したのが、西洋美術を中心に展示する大原美術館だ。秋口になると、美術館の川向かいや今橋の周りにある木々が色づき、水面に色彩が映し出された美しい景観を見ることができる。

倉敷美観地区 (c)photoAC

  同館の本館内では、修復工程を終えたエル・グレコの名作《受胎告知》を特別公開する「エル・グレコ《受胎告知》 よみがえる色彩の輝き」(〜2027年3月28日)が行われている。修復を経てよみがえった鮮やかな色彩と光の描写を、名高い西洋美術コレクションとともに鑑賞したい。

「エル・グレコ《受胎告知》 よみがえる色彩の輝き」の展示風景 写真提供:公益財団法人大原芸術財団

足立美術館の日本庭園(島根)

 アメリカの日本庭園専門誌『数寄屋リビングマガジン/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング(Sukiya Living Magazine: The Journal of Japanese Gardening)』で長年連続日本一に選ばれている足立美術館。借景となる自然の山々が赤や黄色に染まる頃、「枯山水庭」をはじめとする日本庭園はもっとも華やかな秋の装いとなる。

足立美術館の枯山水庭(イメージ) 写真提供:足立美術館

 同館で開催されている秋季特別展「侍-日本画の革新に挑んだ7人-」(〜11月30日)では、横山大観、竹内栖鳳、菱田春草、川合玉堂、橋本関雪、川端龍子、伊東深水らによる作品を展示。近代日本画の発展を牽引した巨匠7人の作品と、秋ならではの庭園美をともに楽しみたい。

横山大観《乾坤輝く》(1953) 足立美術館

福岡市美術館と大濠公園日本庭園(福岡)

 広大な池を中心に市民憩いの場となっている福岡市の大濠公園。園内には開園50周年を記念して1984年に築庭された日本庭園があり、この時期ならではの美しい紅葉を楽しむことができる。築地塀や大濠公園の池を借景とした枯山水庭も大きな見どころだ。

大濠公園の日本庭園(茶会館からの風景)

  同じく園内に位置する福岡市美術館では、「企画展×福岡現代作家ファイル2026『山内光枝展 潮ノ記』」(〜12月20日)のほか、 世界的なインド更紗コレクションを紹介する特別展「カルン・タカール・コレクション インド更紗 世界をめぐる物語」(〜12月20日)も開催されている。秋の散策とともに、現代美術やインド更紗の世界を味わってみるのも良いだろう。

「企画展×福岡現代作家ファイル2026『山内光枝展 潮ノ記』」メインビジュアル
特別展「カルン・タカール・コレクション インド更紗 世界をめぐる物語」メインビジュアル