地中海の小島から考える、アートセンターと地域の関係。ハウザー&ワース メノルカを訪ねて
スペイン・メノルカ島沖のイジャ・デル・レイに、2021年に開館したハウザー&ワース メノルカ。歴史的な旧海軍病院を活用したこのアートセンターでは、展覧会だけでなく、教育、文化財保護、環境への取り組み、地域との協働が重ねられてきた。開館から5年。世界的なメガギャラリーは、この地中海の島とどのような関係を築こうとしているのか。現地を訪ねた。※9月12日24時まですべての方に全文お読みいただけます。

スペイン・メノルカ島の中心都市マオー(Mahón)の港から船に乗り、約15分。世界有数の天然港とされる入り江を進むと、小さな島が見えてくる。イジャ・デル・レイ(Illa del Rei/カタルーニャ語で「王の島」の意)という約4万平米のこの島に、「ハウザー&ワース メノルカ」はある。

2021年に開館した同施設は、ハウザー&ワースが展開するアートセンターのひとつだ。8つの展示室と屋外彫刻のほか、ランドスケープ・デザイナーのピート・アウドルフによる庭園、ラーニング・スペース、地元の食文化を取り入れたレストラン「Cantina」などが点在し、アート、教育、歴史的建築、自然、食がひとつの環境を形成している。開館以来、33万人以上が訪れ、500を超えるイベントや団体訪問が行われてきた。

では、世界各地に拠点を持つ巨大ギャラリーは、なぜここで展覧会を開催するだけでなく、教育や文化財保護、地域との協働にまで活動を広げているのか。開館から5年を迎えたいま、ハウザー&ワース メノルカとメノルカとの関係を現地で探った。

































