2026.8.1

8月に見たい展覧会ベスト17

2026年8月に開幕する展覧会のなかから、とくに注目したいものを編集部がピックアップしてお届けする。

ヨハネス・フェルメール《真珠の耳飾りの少女》(1665頃) キャンバスに油彩 44.5×39cm マウリッツハイス美術館 © Mauritshuis, The Hague
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「上條陽子 1960-2000 原点回帰・苦悩と喜び」(相模原市民ギャラリー

 相模原市民ギャラリーで、「上條陽子 1960-2000 原点回帰・苦悩と喜び」が開催される。

上條陽子《手術》(1987)

 本展は、「画壇の芥川賞」とも称される安井賞を女性として初めて受賞した画家・上條陽子の創作を振り返る企画展。1960年代の初期作品から、1980年代に大きく転換した絵画、さらに半立体の「ペーパーワーク」を展開した2000年頃まで、その表現の変遷を紹介する。

 古代中国の『易経』に着想を得た初期の作品に始まり、大病を経て生み出された誇張された人体や謎の動物が躍動する絵画、そして紙片を組み合わせた半立体作品へと至るまで、多彩な制作を展観。パレスチナ支援へとつながる活動の原点にも光を当て、上條の刺激的な芸術世界をあらためて見つめ直す機会となる。

会期:2026年8月1日~8月23日
会場:相模原市民ギャラリー
住所:神奈川県相模原市中央区相模原1-1-3 セレオ相模原4階
電話番号:042-776-1262
開館時間:10:00~18:00 ※入場は17:45まで
休館日:水
料金:無料

「マリー・アントワネット・スタイル」(横浜美術館

 横浜美術館で、「マリー・アントワネット・スタイル」が開催される。

ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)の展示風景 © Victoria and Albert Museum, London

 本展は、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)が企画した世界巡回展で、日本では唯一の開催となる。18世紀フランス王妃マリー・アントワネットの装いやライフスタイルに着目し、ドレスやジュエリー、家具、絵画、版画など約200点を通して、その人物像と「スタイル」の源泉を紹介する。

 展示では、王妃ゆかりの品々に加え、現代のファッションや映画、デザインにまで受け継がれた影響をたどるほか、日本会場では国内所蔵作品約20点を加えた独自構成を展開。「首飾り事件」にまつわるダイヤモンドや王妃旧蔵品、日本初公開作品なども紹介され、250年にわたる「マリー・アントワネット・スタイル」の系譜を読み解く。

会期:2026年8月1日~11月23日
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(11月21日・22日は~20:00)※入館は閉館30分前まで
休館日:木(8月13日、9月24日、11月19日は開館)
料金:一般 2500円 / 大学生 1400円 / 中学・高校生 800円

「海をこえてゆく彼女」(横浜美術館)

 横浜美術館で、コレクション展「海をこえてゆく彼女」が開催される。

マリア・ファーラ《ルームサービス》(2021)麻に油彩(3点組) 各180.0×130.0cm 寄託作品 ©Maria Farrar/ Courtesy Ota Fine Arts

 本展は、約1万5000点におよぶ同館コレクションのなかから、20世紀以降、国境を越えて活動した女性芸術家に焦点を当てる企画展。同時開催の「マリー・アントワネット・スタイル」にあわせ、「海をこえてゆく彼女」をテーマに、異文化との出会いや移動がもたらした創造性を紹介する。

 吉田ふじをやヘレン・ハイド、桂ゆき、やなぎみわ、塩田千春らの作品を通じて、海外で学び、旅をし、国際展で活躍した女性たちの軌跡をたどるほか、ダリやマグリット、草間彌生など同館を代表する名品も展示。近年収蔵された初公開作品も交えながら、コレクションの新たな魅力を紹介する。

会期:2026年8月1日~2027年2月11日 ※11月24日~12月10日は閉室
会場:横浜美術館 ギャラリー2・3、ホワイエ
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間:10:00~18:00(11月21日・22日は~20:00)※入館は閉館30分前まで
休館日:木(8月13日、9月24日、11月19日、2月11日は開館)、2026年12月29日~2027年1月3日
料金:一般 500円 / 大学生 300円 / 中学・高校生 100円 / 小学生以下無料

「浅間国際フォトフェスティバル2026 PHOTO MIYOTA」(MMoPほか)

 長野県御代田町のMMoPを中心に、「浅間国際フォトフェスティバル2026 PHOTO MIYOTA」が開催される。

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 本フェスティバルは、「写真のある生活」をコンセプトに、雄大な浅間山の自然環境のなかで国内外の写真作品を紹介する屋外型の写真芸術祭。美術館やギャラリーとは異なる開放的な空間を生かし、写真と風景、人々の暮らしを結びつける場として開催される。

 会場では、国内外の写真家による大型インスタレーションや新作、歴史的作品などを展示するほか、トークイベントや関連プログラムも実施。浅間山麓の自然や建築と呼応する展示を通して、写真表現の多様な魅力を体感できるフェスティバルとなる。

会期:2026年8月1日~9月27日
会場:MMoP(モップ)ほか御代田町内各所
住所:長野県北佐久郡御代田町馬瀬口1794-1(MMoP)
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:火(8月11日・9月22日は臨時営業)
料金:一部有料

「日伊修好通商条約締結160周年&シモネッタ歿後550年記念特別展 イタリアと日本の文芸作品に描かれた美しきシモネッタ」(丸紅ギャラリー)

 丸紅ギャラリーで、「日伊修好通商条約締結160周年&シモネッタ歿後550年記念特別展 イタリアと日本の文芸作品に描かれた美しきシモネッタ」が開催される。

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 本展は、日伊修好通商条約締結160周年と、ルネサンス期の美女シモネッタ・ヴェスプッチの没後550年を記念する企画展。丸紅が所蔵する日本唯一のサンドロ・ボッティチェリによるテンペラ画《美しきシモネッタ》(15世紀後半)を公開するとともに、シモネッタを題材としたイタリアと日本の文学作品に着目し、その背景にある思想や美意識を読み解く。

 イタリアの詩人アンジェロ・ポリツィアーノの『騎馬槍試合のための詩』や、辻邦生の小説『春の戴冠』を手がかりに、ボッティチェリの代表作《プリマヴェーラ(春)》(1482頃)にも通じるルネサンスの世界観を紹介。絵画と文学を横断しながら、「美しきシモネッタ」が時代を超えて受け継がれてきたイメージの源泉に迫る。

会期:2026年8月6日~9月30日
会場:丸紅ギャラリー
住所:東京都千代田区大手町1-4-2 丸紅ビル3階
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)※9月2日・9日・16日は~20:00(入館は19:30まで)
休館日:日・祝
料金:一般 500円

「奥村土牛―名作でたどる100年のあゆみ―」(山種美術館

 山種美術館で、開館60周年記念特別展「奥村土牛―名作でたどる100年のあゆみ―」が開催される。

 本展は、日本画家・奥村土牛(1889〜1990)の画業を、山種美術館が所蔵する135点におよぶ国内屈指のコレクションから紹介する回顧展。初期から最晩年までをたどる約60点を展示し、《鳴門》(1959)《醍醐》(1972)をはじめとする代表作を通して、その100年にわたる創作の軌跡を振り返る。

 また、院展出品作35点を一挙公開するほか、山種美術館創立者・山﨑種二との交流を伝える書簡や資料も展示。雄大な自然や動植物を温かな眼差しで描き続けた土牛の芸術と、美術館との深い関わりをあわせて紹介する。

会期:2026年8月8日~10月4日
会場:山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月(9月21日~23日は開館)、9月24日
料金:一般 1500円 / 【夏の学割】大学生・高校生 500円 / 中学生以下無料

「没後70年 映画監督 溝口健二」(国立映画アーカイブ

 国立映画アーカイブで、「没後70年 映画監督 溝口健二」が開催される。

『露営の歌』(1938) 撮影スナップ (左から山路ふみ子、浦辺粂子、溝口健二、青島順一郎])国立映画アーカイブ所蔵

 本展は、没後70年を迎える映画監督・溝口健二(1898〜1956)の業績を紹介する初の本格的回顧展。『西鶴一代女』(1952)、『雨月物語』(1953)、『山椒大夫』(1954)など世界映画史に名を刻む代表作を軸に、映画制作の歩みや演出術、国際的な評価を、貴重な資料とともにたどる。

 会場では、脚本やスチル、ポスター、衣装デザイン、撮影現場の資料に加え、映像やデジタル展示も交えながら、「溝口組」を支えた宮川一夫、水谷浩、早坂文雄ら名スタッフの仕事にも光を当てる。関連上映やトークイベントも開催され、溝口映画の魅力を多角的に体感できる機会となる。

会期:2026年8月11日~12月13日
会場:国立映画アーカイブ 展示室(7階)
住所:東京都中央区京橋3-7-6
開館時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)※8月28日、9月25日、10月30日は~20:00(入室は19:30まで)
休館日:月、9月8日~17日、10月6日~11日、11月24日~29日
料金:一般 600円 / 大学生・65歳以上・高校生以下・18歳未満 300円 / 障害者手帳をお持ちの方(付添者1名含む)無料

「藤田嗣治生誕140周年特別参観 国宝迎賓館で出会う、フランスのやわらかな風景」(迎賓館赤坂離宮)

 迎賓館赤坂離宮で、「藤田嗣治生誕140周年特別参観 国宝迎賓館で出会う、フランスのやわらかな風景」が開催される。

迎賓館赤坂離宮 (c)PhotoAC

 本企画は、藤田嗣治の生誕140周年を記念して実施される特別参観。迎賓館が所蔵する藤田作品全6点のうち、東・西玄関で公開されている4点に加え、通常は非公開となっている2点を花鳥の間で特別公開する。フランス風俗を描いた大画面作品を、迎賓館の壮麗な空間とともに鑑賞できる貴重な機会となる。

 会期中には、兵庫県立美術館長・林洋子によるトークイベントも開催されるほか、本館参観者には藤田作品をデザインしたポストカードをプレゼント(数量限定)。国宝建築と藤田芸術が響き合う、期間限定の特別公開となる。

会期:2026年8月13日~9月15日
会場:迎賓館赤坂離宮
住所:東京都港区元赤坂2-1-1
電話番号:03-3479-1430(テレフォンサービス)
開館時間:参観日・時間は日によって異なる(詳細は迎賓館公式サイト参照)
休館日:公開日程による
料金:本館・庭園 一般 2000円 / 大学生 1500円 / 中高生 700円/ 小学生以下無料、本館・和風別館・庭園 一般 2500円 / 大学生 2000円 / 中高生 900円 / 小学生以下は参観不可

「VERDY Presents ‘In Good Company’」(GYRE GALLERY

 表参道のGYRE GALLERYで、VERDYがキュレーションを手がけるグループ展「VERDY Presents “In Good Company”」が開催される。

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 本展は、VERDYが国内外で交流を重ねてきた14組のアーティストを紹介する展覧会。「友情」や「コミュニティ」を出発点に、それぞれ異なる文化的背景や表現手法を持つ作家たちが集い、多様な視点から現代社会や個人の経験を描き出す。レジナルド・シルヴェスター2世、ジャン・ゲートウッド、ゾエ・ブルー・M.、デヴィン・B・ジョンソン、Keita Shirayama、ココ・カピタンらが参加し、絵画、写真、インスタレーションなど多彩な作品を展開する。

 VERDY自身の活動を軸に広がったネットワークを可視化する本展では、ジャンルや国境を越えて育まれたクリエイティブな関係性に焦点を当てる。互いの実践が響き合う場を創出し、新たな対話や出会いを生み出すことを目指す。

会期:2026年8月22日〜9月27日
会場:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
開館時間:11:00〜20:00
休館日:会期中無休
料金:無料

「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展 17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日」(大阪中之島美術館

 大阪中之島美術館で、「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展 17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日」が開催される。

ヨハネス・フェルメール《真珠の耳飾りの少女》(1665頃) キャンバスに油彩 44.5×39cm マウリッツハイス美術館 © Mauritshuis, The Hague

 本展は、フェルメールの代表作《真珠の耳飾りの少女》(1665頃)が2012年以来14年ぶりに来日する展覧会。さらに、初期の代表作《ディアナとニンフたち》(1653-54頃)もあわせて公開され、マウリッツハイス美術館が所蔵するフェルメール作品3点のうち2点が一堂に会する貴重な機会となる。加えて、ヤン・ステーン、パウルス・ポッテル、マリア・ファン・オーステルウェイクら17世紀オランダ絵画の名品も紹介される。

 《真珠の耳飾りの少女》は、マウリッツハイス美術館の改修工事による臨時休館に伴って実現した特別貸与であり、日本国内のみで公開される。本展は巡回を行わず、大阪だけで開催される。

会期:2026年8月21日〜9月27日
会場:大阪中之島美術館 5階展示室
住所:大阪市北区中之島4-3-1
電話番号:06-4301-7285
開館時間:9:30〜17:00(8月28日、9月4日、9月11日、9月18日~27日は9:30〜20:00) ※最終入場は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 3000円 / 高大生 1500円 / 小中生 500円

「柳宗悦が出会った沖縄の美 琉球の民藝」(日本橋髙島屋S.C.)

 日本橋髙島屋S.C.で、「柳宗悦が出会った沖縄の美 琉球の民藝」が開催される。

芹沢銈介《型そめ琉球風物》(1939) 62.4×79.4㎝

 本展は、首里城正殿再建と「民藝」誕生100年という節目にあわせて企画された展覧会。日本民藝館が所蔵する琉球民藝コレクションを中心に、柳宗悦が「宝の山」と称えた沖縄の染織や陶器、生活道具など約100点を紹介する。柳とともに沖縄を訪れた芹沢銈介、河井寬次郎、濱田庄司ら民藝運動を代表する作家の作品も展示される。

 展示は「琉球の染物」「琉球の織物」「琉球の焼物」など全5章で構成され、生活と芸能に根ざした沖縄文化の豊かさと、「用の美」という民藝思想の魅力を多角的に紹介する。

会期:2026年8月26日〜9月6日(東京会場)
※大阪髙島屋では2026年9月9日〜21日に開催。
会場:日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール
住所:東京都中央区日本橋2-4-1
開館時間:10:30〜19:30(最終日は18:00閉場)
休館日:会期中無休
料金:一般1200円 / 大学・高校生1000円 / 中学生以下無料

「RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI AMBIENT KYOTO - TOKYO」(麻布台ヒルズギャラリー

 麻布台ヒルズギャラリーで、「RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI AMBIENT KYOTO - TOKYO」が開催される。

坂本龍一 + 高谷史郎《async - immersion》(2023) Photo by Satoshi Nagare

 本展は、京都発の展覧会シリーズ「AMBIENT KYOTO」が初めて東京で開催する展覧会。2023年の「AMBIENT KYOTO」で大きな反響を呼んだ、坂本龍一と高谷史郎(ダムタイプ)によるインスタレーション《async - immersion》(2023)を、麻布台ヒルズギャラリーの空間に合わせて再構成して紹介する。横幅26.4メートルの巨大スクリーンと立体音響によって、音・映像・空間が一体となる没入体験を創出する。

 音響ディレクションは前回に続きZAKが担当。坂本龍一が追求した「設置音楽」の思想を継承しながら、映像と音響が絶えず関係を変化させる空間を通して、鑑賞者を作品世界へと誘う。

会期:2026年8月28日〜10月25日
会場:麻布台ヒルズギャラリー
住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階
開館時間:未定
休館日:会期中無休
料金:公式サイトを参照

「方丈記に学ぶ―生きるを編み直す小さな建築―」(21_21 DESIGN SIGHT

 21_21 DESIGN SIGHTで、企画展「方丈記に学ぶ―生きるを編み直す小さな建築―」が開催される。

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 本展は、鴨長明が13世紀初頭に著した『方丈記』と、晩年を過ごした一丈四方、約9平方メートルの庵を手がかりに、現代の暮らしや構築環境を見つめ直す展覧会。建築家・塚本由晴を展覧会ディレクターに迎え、建築家や美術家、デザイナー、企業など多彩な参加者が、それぞれの視点から現代の「方丈庵」を構想する。

 会場には、江頭慎、大室佑介+川長組、小渕祐介+中村純らによる複数の庵が出現。内部に入って体験できるものから、鑑賞を通じて世界観を味わうものまで、多様な表現が展開される。『方丈記』の写本や翻訳、庵の歴史に関するリサーチも交え、災害や社会不安、自然との共生をめぐる同書の思想を現代へと接続する。

会期:2026年8月28日~2027年1月11日
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
開館時間:10:00~19:00 ※入場は18:30まで(10月31日は~22:00、入場は21:30まで)
休館日:火(9月22日、11月3日は開館)、11月21日~23日、12月27日~2027年1月3日
料金:一般 1700円/大学生 800円/高校生 500円/中学生以下無料

「館蔵品展 さっぱり こってり 江戸絵画」(板橋区立美術館

 板橋区立美術館で、館蔵品展「さっぱり こってり 江戸絵画」が開催される。

 本展は、「さっぱり」と「こってり」という対照的なキーワードを通して、江戸絵画の多様性を紹介するもの。筆数を抑え、余白を生かした軽やかな画風を確立した江戸狩野派の祖・狩野探幽をはじめ、濃厚な色彩や緻密な描写を特徴とする南蘋派、西洋の遠近法や陰影法を取り入れた洋風画などを展観する。

 伝・佐竹曙山《蝦蟇仙人図》や狩野探幽《富士山図屏風》、田中訥言《夏山黄昏月図》、鈴木其一《蝶ニ芍薬図》などを通して、簡潔さと濃密さが共存する江戸時代の表現を比較。作品の印象をオノマトペで表す美術講座やギャラリートークも実施され、自由な視点から江戸絵画に親しむ機会となる。

会期:2026年8月29日~9月27日
会場:板橋区立美術館
住所:東京都板橋区赤塚5-34-27
開館時間:9:30~17:00 ※入館は16:30まで
休館日:月、9月24日(ただし、9月21日は開館)
料金:無料

「神戸六甲ミーツ・アート2026 beyond」(六甲山上各所)

 神戸・六甲山上を舞台に、現代アートの芸術祭「神戸六甲ミーツ・アート2026 beyond」が開催される。

草間彌生《南瓜》2014 ©YAYOI KUSAMA(画像転載不可)

 2010年に始まり、17回目を迎える本芸術祭では、六甲山の自然や眺望、建築、土地に紡がれてきた物語と現代アートが交差する。今年は奈良美智、草間彌生、ジュン・グエン=ハツシバ、さわひらき、梅沢和木、髙橋匡太ら国内外のアーティスト60組が参加し、山上の各所で多様な表現を展開する。

 会場は六甲高山植物園やROKKO森の音ミュージアム、自然体感展望台 六甲枝垂れ、安藤忠雄設計の風の教会など広範囲に点在。山を歩きながら作品と出会う昼間の展示に加え、土日祝には光や映像を用いた夜間イベント「ひかりの森~夜の芸術散歩~」も開催され、時間とともに変化する六甲山の風景を体感できる。

会期:2026年8月29日~11月29日
会場:ROKKO森の音ミュージアム、六甲高山植物園、風の教会、六甲ガーデンテラスエリア、自然体感展望台 六甲枝垂れほか六甲山上各所
開催時間:10:00~17:00 ※会場により異なる
休業日:会期中無休 ※六甲山サイレンスリゾートは月曜休業。月曜が祝日の場合は翌平日休業
料金:昼夜パス 大人4300円・小人1800円 / 昼パス 大人3300円・小人1300円 / 夜パス 大人2000円・小人1000円(山上窓口料金。大人は中学生以上、小人は4歳~小学生、3歳以下無料)

「多田美波―光、凛と ゆれる」(東京都現代美術館

 東京都現代美術館で、「多田美波―光、凛と ゆれる」が開催される。

多田美波《Mirage》(1989) 陶板、ステンレス 多田美波研究所蔵 撮影=多田美波研究所

 本展は、戦後日本を代表する抽象彫刻家・造形作家、多田美波(1924~2014)の没後初となる大規模回顧展。初期の絵画から、アクリルやステンレスを用いた彫刻、作家が「光造形」と呼んだシャンデリアや照明まで約70点を展示し、建築造形のパーツや写真、スケッチなどとともに約70年にわたる仕事を紹介する。

 多田は、工業素材や加工技術を積極的に取り入れ、光の反射や透過、屈折によって表情を変える造形を生み出した。本展では、銀座の松屋サロンに設置されていた《チェーンデリア》(1963)を原寸大で復元するほか、クリスタルガラス約3000個を用いた《瑞雲》(1973)の一部を再構成。彫刻、建築、デザインを横断した先駆的な実践に迫る。

会期:2026年8月29日~12月6日
会場:東京都現代美術館 企画展示室 B2F
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話番号:03-5245-4111
開館時間:10:00~18:00 ※展示室入場は閉館30分前まで
休館日:月(9月21日、10月12日、11月23日は開館)、9月24日、10月13日、11月24日
料金:一般 1600円 / 大学生・専門学校生・65歳以上 1100円 / 中高生 640円 / 小学生以下無料

「侍―日本画の革新に挑んだ7人―」(足立美術館

 足立美術館で、秋季特別展「侍―日本画の革新に挑んだ7人―」が開催される。

横山大観《乾坤輝く》(1953)足立美術館蔵

 本展は、明治以降、新時代にふさわしい日本画の創造を目指した7人の画家に焦点を当てるもの。横山大観竹内栖鳳、菱田春草、川合玉堂、橋本関雪、伊東深水、川端龍子を「近代のサムライ」と位置づけ、伝統を継承しながら画壇に革新をもたらしたそれぞれの表現を紹介する。

 大観の《乾坤輝く》や《春風秋雨》、栖鳳の《雨霽》、春草の《猫梅》、龍子の《獻華》《創夜》など、同館を代表する名品を展観。西洋画法の導入や「朦朧体」、巨大な画面を用いる「会場芸術」など、近代日本画を更新してきた画家たちの挑戦をたどる。併催の「秋の横山大観コレクション選」や「シュールな日本画」もあわせて楽しめる。

会期:2026年8月31日~11月30日
会場:足立美術館 本館 大展示室
住所:島根県安来市古川町320
開館時間:9:00~17:30(10月1日以降は~17:00)
休館日:会期中無休
料金:大人 2500円 / 大学生 2000円 / 高校生 1000円 / 小中学生 500円