千葉美術散歩

　千葉市美術館で「開館30周年・千葉開府900年記念　千葉美術散歩」が開催される。

　本展は、開館30周年を記念し、千葉市美術館が所在する「千葉」という場をテーマとするものである。明治期から現代までを対象に、千葉にゆかりのある美術とその背景をたどる。

　展覧会では、千葉をめぐる複数の「場」に注目する。ジョルジュ・ビゴーの滞在や海気館で知られる稲毛、洋画家・堀江正章が指導した旧制千葉中学校、画家・無縁寺心澄が描いた市内の建物や風景、田中一村が四季折々を見つめた千葉寺町周辺、戦後の千葉アートシーンの拠点となった国松画廊など。さらに、1927年に川崎銀行千葉支店として建設され、建築家・大谷幸夫がその建物を包み込むように設計した千葉市美術館も取り上げる。

　これらの場を展覧会の各章として設定し、所蔵品を中心に関連する作家―柳敬助、石井林響、板倉鼎、濱田清治、遠藤健郎、椿貞雄、田岡春径、深沢幸雄らの絵画作品を展示する。